ゆるゆるの恐ろし谷 釣査

渓流釣り遡行記2020
渓流釣り遡行記2020
 高知東部水系 2020/3/15 晴れ 

相棒からゆるゆるの恐ろし谷釣行計画が持ち上がった。

何が恐ろしいって谷の名前だ。

名前には何かしらの謂われがある筈だから、それを考えると身震いしそうになり最も避けたい谷だ。

3月中なら『恐ろし谷』は回避できると信じて話にのってみることになった。

新規開拓の遠征、と言っても10数年前釣り仲間の439さんとJUNNさんが開拓釣行したことがあるので少なからずの情報は落ち合わせていた。

四国の渓流釣り 
   『ゆるゆるのおとろし谷』 R439記

ダートの林道を走り下降地点のヘアピンに車を止めた。

地図を見る限り緩そうな谷なのに100m以上標高差があるにもかかわらず谷底を流れる水の音が聞こえてくる。

滝があるのか?それとも違った水の音だった。

ヘアピンには赤テープがあって植林の葛籠折れ道が続いていたので労せず谷底に案内してくれた。

ピークは標高1000mに満たない山なのに水量が多い、よくよく地形図を確認してみると水を集める流域面積が単なる支流レベルにないことに驚いた。

また、この地域が日本有数の豪雨地帯であることを加味すれば普段でも水量が多いことが容易に想像できる。

渓相は緩い谷ではあるが1、2mの落ち込みと深みのある淵が連続している。

林道の上で聞いた水の音は落ち込みから勢いよく流れ落ちる水の音が重なったものなんだろうと思われる。

最初はモッチャンに遊ばれる。

なんかアマゴと違うアタリと針に残ったミミズはギタギタに囓られていた。

これでもかと十二分に喰わせ針に乗せて見るとモッチャンだった。

激流の中でも喰ってくるから質が悪く打つ手無しの状態に陥った。


水線のある支流を越え砂防エンテを越えるとモッチャンは居なくなった。

そして漸く6寸が掛かった。

赤い尾びれが特徴の複雑な模様をしたアマゴで少し痩せている。

ポイントだらけの谷なのに魚影が薄い。

相棒のテンカラも苦労しているみたいで偶にアタリがあっても喰いが渋く針に乗らない。

恐ろし谷を屁とも思わない専門家がいるのだろうか?

餌釣りもそうだが魚がスレているとはこんな感じなんだろう。

漸くの7寸でつぬけ

これだけの水量なのにサイズが上がらない。


初めての滝

水深があって勢いよく落ちる水に釣り人の気配などかき消される。

大錘で底を取り粘っているのにアタリ無し・・・一体どうなっているんだ。

この大滝は右巻き

滝壁が嫌らしそうに見えたがザレた斜面を這い上がると狭いテラスに立木や根っこが手がかりになって意外にスルスル高巻くことができた。

無用な高巻きで苦労して谷に下るより滝の側面に取り付いた方が安全で早く巻ける場合がある。

大滝の上も滝、その上も滝で連瀑になっていた。

揺る谷に突如現れた連瀑に戸惑い気味、地図を見て想像するより実際の地形は単純ではない。

ここからの巻きがチョットややこしい、こんな所を通るのかという岩場を乗り越えたら植林に通じる道に出合った。


大滝を超えたところで相棒のテンカラが8寸を掛けた。

8寸の理由は大抵の釣り人は大滝で納竿して揺る尾根から車道に上がる・・・・そんなところだろう。

アマゴの容姿が変わってきた、パーマークが丸く整い測線に沿った紫のラインが綺麗なのに鼻先が短く不細工だと8寸を釣っておきながら相棒は文句を言った。

次の淵で俺にも8寸が来た。

水際で写真を撮ろうとしたらピッチャッと跳ねて流れに帰って行った。

「証拠がないから8寸は無効ですねぇ」

自らメジャーを当てておきながら他人が釣った魚には意地が悪い相棒にムッときた。

まぁ、それならと次の淵で8寸を釣り返し8寸の倍返しやでぇ

漸くアマゴが出だしたが渓と林道が交差する納竿場所までは短くこれ以上のサイズは出なかった。

アセビの花が満開で高知の渓らしい風景

車で下流まで下って来ると関西ナンバーのフライマンとルアーマンが3人

『恐ろし谷』を恐れぬ釣り人がそれなりに居そうなのは少し残念だった。

遡行データ
 高知東部水系
 遡行距離:9.4km 標高差:400m
 釣果:14尾 最長寸:26cm キープなし

渓流釣り遡行記2020
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