渇水気味の源流釣り

渓流釣り遡行記2020

長梅雨が終わったと思ったら猛暑続きの下界、温度差の反動が大きく暑さに慣れきっていない体にはキツくお盆を過ぎようとしているのに夏バテ気味は解消しないので涼しい山へ逃げ込んだ。

山道を走りながら道沿いにあるいつものチェックポイントの滝で 水量を確認
「チョット少ないんじゃないかい・・・・」
平地に雨が降らなくても山は雲が掛かり時折雨が降っているんじゃないかと思っていたが車道に水がしみ出している場所がないので山も長い間雨が降っていないようだ。
急斜面の細尾根から谷に下る。
湿気のない地面はカラカラに乾いていてズルズル滑るので立木伝いじゃないと転がり落ちそうな危険を感じ慎重にゆっくりと下るしかなかった。

最初の縁
「いやぁーー水量が少ないなぁ」
平水の半分以下くらいか?この辺りなら源流の中域なので釣りになるかも知れないが期待の最源流は水が無くなってしまいそうなので諦めた方がよさそうだ。
いつもならこの淵で何尾か釣ってのスタートになるがアタリすら無くアマゴの気配を感じられない・・・・減水でアマゴの警戒心が高まって居るのかも知れない。


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入渓から30分、ポツリポツリと釣れるようになってきた。と言っても6寸がレギュラーサイズで偶に7寸って感じなんだけどね。
釣れるポイントは渕尻で喰ってくることが多い。
何故、外敵から攻撃されるリスクが多い渕尻に定位しているのか?水量が少ない落ち込みは流れ落ちてくる餌が少ないのだろうか?落ち込み下に見切りを付け水面に落ちてくる虫も含め広範囲に餌を待つことが出来る渕尻で陣取っているのだろうと考えてみたが真相はアマゴに聞いてくれ。
渕尻にアマゴが居れば餌が水面に落ちた瞬間に数メートル先から突進して来て餌を咥える。逆に渕尻でコチラの気配を察知されれば一目散に散って巣穴に隠れられてしまう。
渇水気味の淵でも渕尻をおろそかにしてはならない。


原生林の渓
大水が出たときに倒されまいとゴツゴツした岩面の隙間を根で埋めるようにしてへばり付いている大木の生命力に驚かされる。

幅広い谷筋は樹々の重なりが渓の真ん中で途切れ真夏の強い日差しが差し込んでくる場所がある。標高1000m越の涼感たっぷりの渓なんだけど日差しを浴びたり生暖かい風が吹いたりすることがあるので水の中を遡行することが多くなる。暑さと涼しさの相反する体感は気持ちいいのだけど水を含んだ靴中の重さと水圧を連れて歩くので足への負担が大きく遡行ペースはスローになった。

それにしても水量が少ないなぁ
直の落ち込みと斜めの落ち込みがクロスするカッコいい滝なんだけど落口まで水深が届いていないのか染みこんだ水が滝壁を伝うだけの淋しい滝に成り下がっていた。

この滝は水流が勢いよく落ちているように見えるが、いつもはもっと幅広の滝になっていて渕尻も深い。渕尻はアタリが無かったが滝の落ち込み左からイメージ通りのアタリの出方をしてアマゴが顔を見せてくれた。


どうも釣れなくなったと思っていたら真新しいミミズの箱が落ちていた。
「ハネねられた???」 揺尾根の付け根だから『頭ハネ』は間違いない
「ここから釣りますよ」って目の付く所に印を残してくれ親切でやっているつもりのか・・・・車止めに止まっている俺の車も見ただろうし他にも沢山の支流があるのだから態々釣っている上に割り込んでくるのは悪意しか感じられない。まぁ、上に車道があって『ハネられる』かも知れないという想定は頭の片隅にあったにしてもそれが現実に起こってしまえばショックは大きい。
この辺りから渓相が良くなりアマゴのサイズがUPしはじめるのにどうしたものか・・・・

揺尾根と云っても下る時にはって話で登るには結構な傾斜で標高差もかなりある。
釣れなくなるのは確定だから揺尾根に取り付いて撤退しようかと思ったのだが、まだ時間も早いし頭ハネのゴミを捨て野郎に釣行計画を左右されるのも悔しいだけなので遡行を続けた。

けど、全然釣れないわ!!

やっと、滝の奥からアタリがあって本日の最長寸・・・・8寸に届かないので一矢報えたとはならないけどメチャ嬉しい1尾だった。


頭ハネの主は最源流に向かったようなので支流から撤退した。
支流は入り口以外は思いの他水量が少なく竿を仕舞い渓沿いを歩いていると8寸オーバーが走って巣穴に潜り込んだ。もう少し水量があれば針掛かりする可能性はあるかも知れないが警戒心丸出しって感じがしてその後の幾つかの水たまりはウオッチするに留めた。
水が無くなった支流を歩けば汗が噴き出してくるだろうと思っていたが陽の傾いた樹林の中は快適に遡行することができた。

渇水気味の水量に『頭ハネ』が加わり厳しい釣りになってしまったが大樹だらけの森に薄い下草が生えた美しい場所に導かれたことがせめてもの救いだったと思う。
一雨欲しいところだ。

遡行データ
遡行距離:11.7km 標高差:400m 那賀川水系
釣果:26尾 最長寸:23.0cm

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渓流釣り遡行記2020
メチャエエ写真が出てきたので今年のTopはこの写真を使うことにした。 2014年の面河源流 御来光の滝 滝見だけでもなかなか辿り着けない場所、釣りをしながらだと尚更だ。 支流は諦め、小さな場所は飛ばし帰りの時間を気にしていると目の前に現れる...

コメント

  1.  ゴン太 より:

    コメント失礼します。

    以前、YouTubeの方でも
    コメントさせて頂いた者です。

    前回、初めての真夏の渓流の
    アブの多さにビックリして
    今年は止めておこうかと考えておりましたが、
    四国の渓流釣りさんの記事を
    拝見させて頂き、美しい景色やアマゴの写真を見ながら文章を読んでいると禁漁までに行きたくなりました。

    始めたばかりでわからない事だらけの脈釣りですが、
    いつかは鼻曲がりの尺アマゴを夢みております。

    一つだけご質問なのですが、
    仕掛けの長さや餌を流すポイント、
    渓流を遡行する方法?などは
    独学で学ばれましたか?

    仕事の関係で里山や急傾斜地などに
    平面図を見ながら入るのですが、
    渓流はまた独特で登山や沢登りに近いものがあり、
    調べても実際には中々わかり難い事ばかりです。

    これからも一ファンとして沢山の記事や動画を楽しみにしております!

    • tanisi tanisi より:

      ゴン太さん、コメントありがとうございます。
      長雨のせいなのか?今年はアブが少ないように思います。
      以前、車から降りて球状になったアブの大群数個に追い回された時は生きた心地がしなかったのを覚えています。それでも場所を変えて釣りはしました(笑)

      独学です。
      独りよがりの釣りなので参考になるかどうか解りませんが
      『源流釣り入門』にまとめています。要は地図の等高線の間隔と実際の体で感じる地形を一致させる作業を繰り返していれば地図上では見えないものが見えてきます。

      今後も四国の渓流釣りをよろしくお願いいたします。

      • ゴン太 より:

        お忙しい中、
        お返事ありがとうございます。

        源流釣り入門、熟読させて頂きます (^^)!

        やはり地形図と現場を見比べて
        頭に叩き込むしかないのですね。
        これからは、より地形を気にして歩きたいと思います。

        今年はアブ少ない方なのですね(^^;;
        来年が恐ろしいです(笑)。

        先日、現在通っている面河渓に釣りに行きましたが、結果はボウズでした。

        足首〜膝ほどの浅い水深や
        水深があり、流れの緩い淵など極端で、私には狙い所が掴めず、あまり釣りになりませんでした(・・;)

        帰り際に地元の方とお話ししたのですが、この時期は瀬ではなく、落ち込みの方が良いとのことでした。

        今年はあと数回しか行けませんが、
        無知、下手なりに楽しみたいと思います。

        これからも度々
        サイトにお邪魔させて頂きます。

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