ゴーロ谷を詰める

渓流釣り遡行記2020
渓流釣り遡行記   2020/6/5  晴れ
6月、陽が長くなり5時から渓に入れるようになった。
本流を渡り支流の入り口に向かうが流石に1000m越の水温は冷たく泣きが入った。車道から近く釣り荒れしているのは必至なのでしばらくの区間を歩きパスしようと思っていた。
原生林とゴーロの組み合わせ、新緑の隙間を光が漏れ明るい緑の下に岩間を水の流れがこぼれ落ち程良い淵が広がり竿をださずにはいられなかった。
「どうせ、短い谷だから・・・・」と入り口から竿を出した。
まだ6時前、渓が狭まれば切り立った両岸のせいで周囲が暗くなる。ここ1年で視力が落ち暗い場所では鳥目気味・・・・目印は見えているけど微妙な動きを感じるのは難しくなってきた。まぁ、手元にアタリを感じたら合わせをいれればいい・・・・年を取ると不便になってくるねぇ。
水量が少ないように思えるが源流域まで殆ど変わらなかったので普段の平水よりちょっと多いぐらいなのかも知れない。
激戦区なのにボチボチと釣れる。
サイズは計ったように6寸しか釣れない。水中では何尾かが餌の奪い合いをしているのに1尾釣れたり掛け損じたりするとアタリが全くなくなるのは激戦区ゆえの習性なのか?
これが2回目のつ抜けを過ぎても変わらなかった。

四国は梅雨入りしたらしいけど梅雨前線は高知の南海上沖をウロウロして晴れた日が続いている。原生林の隙間から空を見上げたときの緑と青のコントラストが美しい。もっと空は青い筈なんだけど葉っぱの新緑感をだそうとしたら写真はこうなる。
 
盛期の源流は緑一色となる。
魚のことばかり考えるのを止めて周囲を見渡せば小さな花を見つけることができる。
 
初めての滝
ゴーロの渓、岩と岩が重なり合った所から落ちてくる滝は幾つか見かけたけどちゃんと岩壁から落ちる滝は初めてだった。

水線の長さからすれば2/3を遡行してきたのに6寸を越えるサイズに出合えない。極偶に渕尻から飛び出し落ち込みに消える黒い影を目にする。
「8寸が居た・・・・」 チビ助しか釣っていないので大きく見えるだけで7寸ソコソコかも知れないと思い直した。
結構な引き、メチャ楽しい9寸だった。
さて、これを釣り残しと見るのか?初まりとみるのか?
入り口から何時まで経ってもゴーロ谷は終わらない。
普通は岩場や砂地の地形が混じる筈なんだけど谷の流れは重なり合った岩の隙間を通り落ち込みの後に水圧で広げた淵があるだけ・・・・それにしてもこの岩はどこから落ちてきたのか?Google Earthを見ても崩落箇所は無いし、実際に遡行すれば大崩れの場所も無かった。両岸の斜面が急なので徐々に転がってきた岩が谷筋に集まった結果がこの地形なのだろうか?一つ一つの岩は巨岩と云うわけではないので1歩1歩のストロークが丁度良い岩の階段と考えれば竿を仕舞わずに進むことができるので案外楽なのかも知れないが腕力と脚力の消費は大きい。
高巻きする箇所はなかった。
地形図で等高線が狭また場所、岩と岩の重なりの急さに嫌な感じがしてきた。9寸が釣れたことだし帰りはゴーロの谷通しになるのは必至だから『帰りたい』気分なんだけど釣れたからには『行かないでどうする』の方が勝っていた。

大木が次々に現れる原生林は素晴らしい。
渓谷の美しさに癒やされることも多いが大木は長年生きている力強さがあり手を差し出せばそのパワーを分けてもらえるような感じがする。
倒れた大木が渓の流れを塞ぎ滝となる。
原生林の渓ならではの風景、力尽きて倒れたとしても谷の流れを変えてしまうほどの存在感は神が宿るに相応しい場所だ。

渓の傾斜が緩くなって8寸が混じりはじめ源流釣りらしい展開になってきた。
ゴーロの急坂をやり過ごすことに大きな意味があった。

そして、本日の最長寸
大した釣果がなくてもやり切ることに意義があるのが源流釣りです。
それなら下流を飛ばしてきなり源流に乗り込めばいいと云う話になるかも知れないが途中の無駄に思えるプロセスがないのはつまらない釣りだと思う。
遡行データ
遡行距離:5.8km 標高差:300m 吉野川水系
釣果:35尾 最長寸:28.0cm

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