白猪谷の尺2本

尺伝説(大物記録)
吉野川水系  1992/8/17

吉野川の最源流を釣るために、たかさんと白猪谷へ何度も道を迷いながら白猪林道の終点へ、この頃白猪林道は源流橋の手前までしか伸びていなかった。その日の朝は、異様に暑かった。車をでて野グソをしているときの柔肌のケツを何かに噛まれた「アブ...」そのときはあまり気にしなかったが、別の場所で野グソをして帰ってきたたかさんの後を50cmほどの球状の物体が追ってきている。アブの集団である。たかさんもアブに気づいて車に逃げ帰ろうとするがこのままでは車の中がアブだらけになってしまうために少し走ってきてアブを散らしてから車に入るように指示、それでも十数匹にアブが車の中へ、車の中を飛び回るアブを退治してから、噂には聞いていたが二人とも信じられない光景に白猪谷源流への釣行を諦めることにした。

仕方なく車で本流分岐点に戻り、本流分岐点にも数匹のアブはいたがせっかく遠くまできたのだから本流の橋下から釣り上がることにした。白猪谷下流部は車道に面して、遊歩道が整備されているためにかなり釣り荒れている模様で当たりがない。

本流と養殖場との中間点の1~2m滝に中淵が連続する場所で、急に激しい当たりがあり一瞬竿が持っていかれそうになるのを耐えた。数分の間深みへ深みへ潜ろうとするアマゴの動きに合わせて耐えることしかできなかった。先行するたかさんを大声で呼ぶが声が瀬音で届かない。数分経って下流の異様な状況に気づいた、たかさんが私のもとへ、なんとか弱った魚体水の流れにのせて下流のたかさんの玉網の中へ 検寸すると31.5cm、幅広の厳つい顔をした夏のアマゴだった。川横に座り込んで祝福の一服「よかったよかった.....」

養殖場が見えてきたので「そろそろ納竿かな」と思い始めて養殖場下の大淵を釣っているときにクライマックスは、再び訪れた。投入した餌をめがけて大きな影が走る、竿先に当たりがあり慎重に合わせる。流れがゆるいせいか先ほどのヤツほどの引きはないそれでも5分くらい引きを楽しんだだろうかゆっくりと手元に引き寄せて玉網の中へ、検寸の結果30cmジャスト少し細面のメス立派な尺であった。

アブに導かれて白猪谷下流へ、一日で2本の尺を手にすることができた。最近、アブの季節には釣りに行かないようにしているが完全装備で入渓してもいいかもしれない などと思っている。大きいのが釣れなくなった今日この頃


 

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