標高1000m越もいいだろう

渓流釣り遡行記2019
吉野川支流  2019/3/18 晴れ
3月も半ばソロソロ標高1000m越の源流へ入れるだろうと思っていた。この辺りの水系は標高900m前後に電力の取水があり発電用の水を取っているので下流に水がなくそれより上流が源流の釣り場となる。水力発電は四国の総電力5%に満たない。僅か5%の電力を得るために支流の取水下や取水で集められたダムの本流下へ水を流さないで自然破壊を続けている公共性に疑問を感じる。せめて支流の取水だけでも開放すれば水性世界は豊になるのでは・・・・雑感

湿った路面に続くタイヤ跡が気になっていた。本道を外れ山道に入ってもその痕は続いていた。最終集落に人は住んでいない・・・・山仕事か?まだ6時やぞ・・・・登山?・・・・、釣り?その確率が最も高い・・・・その車は目的の車止めより手前に止まっていた。
「釣りですか?」 俺より少し年配の方は支流の取水まで釣り上がると云っていた。 渇水気味なので取水下は厳しいかも知れない 等と情報交換した。平日だからこの時間でも大丈夫だろうと高をくくっていたが油断してはいけない。

3日前の雨、阿讃の高いところには雪が積もった。雪の状況はどうなのか?少し心配していたが車止めに雪はなく魚止めまで届きそうだ。(雪があっても行くけどね


車止めから少し歩いて取水を越える。
この渓は変化に富んだ渓相が素晴らしい。最初は連爆、次に良淵の連続、ゴルジェをやり過ごし浅淵で竿休め、最源流に突入すると再び深淵が現れ、最後は1枚岩の歩き安いナメに点在する淵が魚止めになっている。
連爆に続く深々とした淵は如何にも釣れそうなんだがアタリすらない年が続き、去年チビ助が2尾釣れてアマゴが戻って来たのかと喜んでいた。最初の淵で6寸、次の淵で7寸、そして大淵で8寸・・・・この連爆で8寸が出たのは何年ぶりだろうか? その後も淵毎にアマゴが釣れた。
車止めの気温は-3℃だった。いつもならスルスル-っと通過できる岩場に氷が張り付いて難儀するし、高巻く時に竿に氷が付着して上から3節くらいまでは指の体温で暖めてやらないと畳めないので余計な時間が掛かった。 漸く連爆を越えた。南斜面には陽射しが掛かっているけど狭く切り込んだ渓底には届いてくれずメチャ寒いのは当分続きそうだ。

 
連爆を越えると渓は緩くなり良淵が続くようになる。
いつもはこの辺りからアマゴが釣れはじめる、連爆にアマゴが戻ったのならこの先凄いことになって魚止めに届かないかも知れないなどと心配していた・・・・なんてことはないポツリポツリとアマゴが出る程度だった。(世の中そんなもんやね)
チビアマゴが掛かった、
コイツはどうやって太ミミズと8.5号の大針を咥えるのか不思議やね。チビアマゴが元気に泳いでいるってことは渓の水性循環が上手くいっているに違いない。
ゴルジェを越える。
去年、大水が出たのか大量の倒木が渓を塞いでいた。大木は水分を含んで箇所は凍って滑るので足を置けない。パズルを解くように難解な足と手の置き場を思案しながら倒木のダムを乗り越えた。

 
アマゴ9寸(28cm)
白泡に仕掛けを入れて右の壁際でアタリがあった。流れにのせてもなかなか浮いてこないのでスレかと思っていたら9寸だった。最近オレンジの朱点が多いアマゴが幅を効かしている。
この辺りは渓幅が広くなり浅い淵が連続するようになる。型は小さいけど魚影が濃くアマゴの泳ぐ姿を見ながら大きいのが居たら竿を出す程度にしておかないと魚止めに届かなくなってしまう。

 
今日から冷やしうどん、ガスと鍋のランチセットを置いてきた分荷物が軽くなった。ファミマの『ぶっかけうどん』 チョット出汁が薄いぞ!! 何処を探しても箸がない・・・コンビニの兄ちゃんが入れ忘れたのか? 車に転がったのか?右の写真は保険屋さんにもらった携帯用の箸、上下をつなぎ合わせれば箸になる優れもの。非常用タッパーに入れっぱなしになっていたが初めて使った。

 
最源流部に入ると傾斜が上がり再び深淵が姿を現した。
アマゴ8寸(26cm)
この水系の雄アマゴは鼻先が長くスッキリ系のカッコイイ顔つきをしているがこの渓の雄アマゴは鼻先が短い、今日は釣れなかったが鼻先がペシャンと潰れたヤツも居る。源流アマゴの姿形は棲む渓によって特徴が異なる、アマゴはアマゴと思い込まずよく観察してみるのも面白い。
 
渓はナメ床に変わりソロソロ魚止めが近づいて来た。ナメが水流で抉れた小さな浅い淵からでもアマゴが出てくれるのだからメチャ楽しい渓だ。いつまでもこの源流にアマゴが暮らしていける環境であって欲しいと願う。
影の谷間には雪が残っていた。
帰り道は渓の上をほぼ平行にショットカットし一気に急降下する理想的なルートであるが最後の滑落しそうなザレ場に難儀する。まぁ、それが最源流のアマゴを守っている要因だとすればハラハラドキドキしながら通過するのも致し方ない。

遡行データ
釣果:37尾、最大:28.0cm、キープなし、遡行距離:12.9km、標高差:350m

 

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