源流引退を考えてみた

渓流釣り遡行記2019
東予水系  2019/3/9 晴れ
穏やかな瀬戸内の海から南へ直線距離で10kmも離れていない場所に標高1500m以上の嶺々が連なった赤石山系-石鎚山系は急激に立ち上がった山容として多くの登山者に知られている。その嶺々の隙間を縫って流れ落ちる渓谷も急峻な地形が造形する大滝や深淵が連続した見事な渓相を見せてくれる。生半可な釣り人だと辿り着けない魚止めと水量によっては攻めきれない大場所があるのでいいアマゴが残っている可能性に満ちている。少し以前なら厳しい渓に入ることを好んでいたのに体力や脚力の衰え、危険な場所の遡行に怖さを感じるようになった精神面・・・・「歳を取ってしまった」だけで片付けるには乱暴すぎるし「源流を諦めきれない」思いも強い。

何れ源流を引退する時期がくるだろうと思うが歳相応の源流遡行を探る数年間になりそうだ。割と長くて厳しい部類の渓に分類されるホームグランドの遡行でいろいろ考えてみた。


ダラダラとした坂道を1時間弱、休憩を取らずに歩いた。
先週の急登は何度も立ち止まり息を整えたことに体力面の不安を感じていたがこれくらいの傾斜なら、まだ何とかやれると自信めいたものを感じた。
核心部のいつもの淵から始めた、ここは絶対に釣れる淵なのにアタリすらなかった。続いて2番目の淵、渕尻、中淵、対面の岩壁、落ち込みの順を丁寧に攻めたがアタリがない。最後、3.5mの仕掛けいっぱい伸ばし最深部に沈めると漸く8寸が出た。8寸は出たもののいつもと違う渋いアタリに違和感を感じる釣り始めだった。
大した落ち込みの高さではないが『一淵釣っては巻き、一淵釣っては巻き』の繰り返しで渓通しを楽に歩ける場所は少ない。真新しいロープが木に掛かっていた・・・・釣れない原因はこれかぁ~ 深淵に降りるのに使ったものと思われるが、ここはしゃがもこんで淵に伸びた木を握りクラックにつま先を掛け背伸びすれば足が着く・・・・ロープを掛けて振られるより安全なのだ。場数と経験は失われていない。
高巻きはできるだけ低く巻くのが基本
「高巻きは、巻けば巻くほど危険が増すばかり・・・・」の呪文を唱える。何処に足を掛ければいいのか?どの木を握ればいいのか?何処を探れば根っ子があるのか?分かっている。よっぽどヘマとヘマが重ならない限り滑落して怪我をする心配はない筈なんだがねぇ。

 
 
大高巻きの途中にある美しい滝、大して釣れた実績はないのにこの滝だけは外せない。滝壺から見上げた迫力と自然の造形美に圧倒され、こんな場所で竿を出せる幸せを感じる。30mくらいの競ったガレ場下り、また登り返すのがシンドイ足を置くだけで崩れ落ちそうなガレ・・・・ガレを滝壺に落としたんじゃ釣れなくなるのは必至だから慎重に下るけどドボーンと水柱が立ち「あぁ~あ」と嘆いた。

 
 厳しくて美しい渓相が続く、漸くアマゴが出るようになってきたが5、6寸が中心、 偶に7寸が釣れるとメチャ嬉しい。この型にしてこの尾鰭、絶対泳ぎは上手なんだろうと思う。

漸く大滝までやって来た。残り1/4くらいか? 時間的な目処がたったので渓飯にする。ついでにNDが来るまで封印している滝・モーションラプスを性懲りもなくやってみた。薄暗い滝だったので多少の勝算はあったが大失敗だった。釣りをしながら何をやっているのと釣友に言われるが、これも釣りと同じ源流遊びのひとつ
今日のラーメンはトンコツ、普段トンコツラーメンは食べない。昔、小倉へ出張した時にメーカーさんに連れて行ってもらったラーメン屋さん アーケード歩いてそのラーメン屋が近付くと独特な匂いして、中に入ったらもっとキツい匂い。どんなコッテリラーメンを食わされるのか不安で堪らなかったが、そのラーメンのアッサリ爽やかさに驚いた気になって仕方なかった匂いが消えてしまった・・・・そして『おかわり!!』
四国に帰って豚骨ラーメンを食べ歩いたが小倉の豚骨ラーメンと差がありすぎて止めた。 エースコックの「どトンコツ」あの味には全然届かない。
 
 
後半になって8寸が連続して出るようになってきたが、この渓はこんなもんじゃない。 ある程度の釣果も必要なのは確かなのだが去年と同じペースで遡行できたことが「源流引退」とか弱気を吐きそうになっている自分にとって一番嬉しかったのかも知れない。 結論は『まだ行けそう』なんだが源流引退時期がそう遠くないことを留意すべきだろう。

遡行データ
釣果:28尾、最大:25.0cm、キープなし、遡行距離:13.5km、標高差:520m

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