青石谷のアマゴ

渓流釣り遡行記2017
渓流釣り遡行記2017
 吉野川水系  2017/4/17 晴れ

昔、年に1度は通った青石谷
敷き詰められた青石でエメダルドグリーンに輝く淵、そして、青石を保護色にした在来種と思われる美しいアマゴが棲んでいた。

源流に車道ができた。その工事でのり面に捨てられた土砂が崩れて源流の有望な淵は埋まってしまった。おまけに、大水から車道を守るためにエンテができた。 種沢だった最源流部と源流部は隔離されアマゴの供給は途絶された。それでも、在来種と思われるアマゴが密かに泳ぐ渓であれば良いと思っていたが今度は、卵放流。

なんで、アマゴがいる渓に卵放流しなくちゃいけないんだ、それも源流部に・・・・元々棲んでいたアマゴと卵放流のアマゴが交じったら元には戻らない。

『他の釣り人が知らない場所で、他の釣り人より沢山釣りたい。』

釣ることしか考えない釣り人の強欲が在来種の棲む渓を無くすことを招く。そんな渓をいくつも見てきた。なにも卵放流が悪いと云っているわけではない。アマゴを増やす方法としては最適だし個人レベルで手軽にできる。

俺も卵放流された渓で釣ることも多くお世話になっている。ただ、在来種がいる可能性がある渓に放流しないで欲しいだけです。

アマゴ9寸(28cm)
たぶん、卵放流の末裔だと思うが青石の渓に馴染んで背中とパーマークの色が保護色に変わっている。素晴らしいプロポーションで良いアマゴだ。昔のアマゴを知っているだけに思いは複雑になる。

いくつかの滝を越えて大岩が重なり合った場所までやって来た。
この先には連瀑帯が待っている。連爆は、いかにも険悪で遡行が難しそうに見えるが岩に凹凸があり靴底のフェルトがしっかりホールドする。ルート取りさえ間違わなければ安心して沢登りができる。
連爆を越えると、渓はしばらく緩くなる。エメラルドグリーンに輝く淵、渓相は抜群だ。
アマゴ9寸(28cm)
コイツも保護色の背中とパーマークを纏っている。取り込みシーンをスーパースローで撮影してみました。
大滝の前で8寸を追加
さぁ、ここから釣れはじめるぞと期待した大滝は何も起こらなかった。釣れれば7寸以上だが魚影は薄い。
再び傾斜がキツくなり壁の滝を越えると渓は緩くなる。いくつか支流の流れ込みがあるから水量が減ってしまった。大滝の前で8寸を釣ってからアタリがない・・・・ここで納竿した。昔薄かった杣道がさらに薄くなって踏み跡かどうか判断が付かない。
岩が露出してゴツゴツした斜面は歩き難い。最近は、たいして釣り人が入る渓ではなさそうだ。
釣果:12尾 最大28.0cm キープなし 遡行距離7.3km 標高差310m

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