源流域が岩魚渓に変わった

渓流釣り遡行記2017
東予水系  2017/9/14 晴れ

車の前を白い影が走って消えた。
長く太い特徴的なシッポ・・・・犬ではないたぶんキツネだ、1週間前にもこの辺りで見た。 猪、アライグマ、狸、そしてキツネ、昔居なかった動物が人里近くに現れるのはどうしたことか? 気候や自然環境が変わってきていると理解すべきだ。

この水系に入るのは10年近く前、目的の渓はもっと以前になる。
歩きはじめて道を間違えた。
だんだん踏み跡が薄くなって気づいたが同じ方向に向かっていればいずれ本来の道にぶつかるだろうと思っていたら深い小谷に当たってこれ以上進めなくなった。谷縁を50m程下ると林道と合流し小谷を渡ると見覚えがある場所に出くわしたので一安心した。
本流を渡って葛籠折れの登り、踏み跡に誘われるままに横移動すると、またまた踏み跡が薄くなってしまった。目の前には橋ゲタの残骸、以前見たことがあるようなないような・・・・ここに道があったのは確かだし、そのまま突き進むとスパッと切れた谷筋・・・・谷縁の尾根を登ると細い林道と合流したが記憶にある道とは違っていた。細い林道を引き返すと葛折りの道と合流、葛籠折れ俺の道はさらに上まで続いていた。

どこでどう間違ったのかキツネに化かされたかも知れない・・・・なんてね。スマホのGPS地図を持つようになって、この辺りの五感が鈍くなってきた。地図と地形を必至で読んでいたのと画面を見れば何となくわかるの違いだろうね。それをキツネさんのせいにするのは申し訳ない。釣れないのは狸さんのせいにするのも然りだ。
切り立った1枚岩の美渓
渓は緩く、渇水気味だが適度な落ち込みと適度な広がりを持つ淵、序盤は歩き安くて優しい渓だ。


アマゴ8寸(25cm)
釣り始めはオレンジの朱点が多い卵放流と思われるアマゴばかりだった。幅広でパーマークが薄く長いのがこの渓のアマゴの特徴、大物になれば背張りでパーマークが滲んで他渓のアマゴとは全く違う容姿となる。少し多めの朱点があるものの、昔ながらのDNAを感じさせてくれる嬉しい1尾だった。



岩魚9寸(28cm)
岩魚が釣れるようになってきた。確か前回は魚止めまでアマゴしか居なかったはず・・・・20年近く前のことだけどね。



緩く優しかった渓が傾斜を増しゴツゴツした岩肌と共に大滝が連続するようになってきた。渓の両岸が切り立っているのでヘツリや壁登りを強いられ遡行の難易度が上がる。
通行不能と思われるような場所でも踏み跡を辿ればなんとかクリアーできる。過去に魚止めまで遡行していることが安心材料につながっている。

美しい滝と出合う。
水量が多ければ幅広に広がり、もっと凄いのだろうと濡れた滝壁から想像できる。滝を越えると広葉樹が枝を広げて渓と空の隙間を埋めていた。希に植林を目にすることもあるが自然林と苔の付いた岩と水の流れがマッチしたいい渓だ。こうした美しい風景の中で竿をが触れる悦びを感じずにはいられない。




源流域に入ると岩魚しか釣れなくなった。
隣は岩魚の渓だから本流に下った岩魚が遡上することも考えられるが、数多くの滝に閉ざされた源流域まではムリだろうから人の手が大きく関わっている。何故アマゴが棲む渓に岩魚を放流するのか?岩魚が釣りたいのなら隣の渓で釣ればいいだろうに・・・・理由がわかんないわ。

極偶にアマゴが釣れるとホッとする。
岩魚なんかに負けずに頑張ってこの渓に棲み続けてほしいものだ。


帰り道は倒木が重なり合って障害物競走のような林道が続いている。その林道も切り立った渓筋で途切れてしまう。林道の続きがあるだろうと無理矢理越えたら、その先も切り立った渓筋だった。
引き返して渓まで下るまで長い時間を要することに・・・・前も同じことをやったような記憶、このオンボロ林道を利用するにしても、何処から渓通しに切り換えるのかが難しい。
取り敢えず忘議録です。



釣果:44尾 最大28.0cm(岩魚) キープ0 遡行距離11.1km 標高差350m

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