四国の渓流釣り 渓流釣り遡行記(2006年度)
    
祝 愛媛解禁  (記:R439さん

四国の渓流釣り
四国の渓流釣り
 2006年度 渓流遡行記
2/1 W谷上流部
  06愛媛解禁

2/1 W谷
  06愛媛解禁

2/11 T川
  遍路の谷

2/18 M谷
  新規開拓
2/18 面河川支流
  滑床の渓流
2/25 K谷
  新規開拓2

3/1 吉野川支流
  06高知解禁

3/4-5 四万十川支流S谷
  四万十川温泉ツアー
3/18 四万十川支流
  X谷の尺上
3/11 吉野川上流部
  支流2本
3/21 吉野川上流部
  水線無の小谷
3/21 高知の谷
  くねくね谷
3/25 高知南部水系支流
  ゆるゆるのおとろし渓

3/31 吉野川支流
  谷変わり渓

4/4 吉野川支流K谷
  アメゴの谷
4/8 吉野川支流B川
  発破の谷へ
4/15 吉野川支流
  大滝の上
4/16 吉野川支流
  隠し谷
4/22-23 W谷上流部
  四国渓師会 春の釣り大会
4/29-30 魚梁瀬
  GW 魚梁瀬ツアー
5/14 吉野川源流
  勿体無い渓
5/6 高知東部水系支流
  母衣打ち谷
6/11 四国の谷
  キョウツカ谷の尺岩魚 
6/29 吉野川支流
  源流2本
7/30 吉野川支流
  カシミールで見つけた渓
8/26 吉野川支流高知の谷
  大物狙い
9/9-10 高知の谷
  雷とアメゴ
5/27 高知の谷
  堤防釣り
9/30 高知の谷
  赤マムシ谷

愛媛解禁前夜祭

2006/1/31夜半

半径5km以上人気の無い寂しい車止で会長と二人っきりの道端焚き火宴会だった、モッチャンは風邪が完治していないので車中泊計画はパス、”もう一人募集”の書き込みにも参加者は現れないし、濃霧もあって少し寂しい宴が始まった。
 しかし、焚き火が始まれば心地よい暖かさ、火が落ち着いて酔いも廻った「やっぱりこれですな、これをやるための集まりなんや」、「そうですね、ささやかな焚き火と酒があればすべてOKってとこですか」、ツマミ兼晩飯は会長の山神様が仕込んでくれたおでん、大根に味がしみわたってしみじみと優しい味わい「おかわり!」、メザシを炙って焼酎をグビグビッ・・・焚き火、おでん、メザシ、ビール、焼酎、酒、釣友、ランタン、たばこ、それでもって明日は渓三昧・・・まったくもっていうことなし。

道端焚き火宴会の状況写真

渓師会には色んな宴会スタイルがあって面白い。道端焚き火宴会に始まり、車中宴会、囲炉裏宴会、座敷宴会、川原乞食宴会、温泉付き宴会、自宅宴会、スナック宴会、それでえんかい等、とにかく酒を呑めたらどこでもOKということ。
 こう書くと渓師会は大酒呑みの集団か?と思われ勝ちだが、じつは呑まない呑めない人や嗜む程度って人が多くをしめているのだ、大酒呑みと言われる人はほんの一握りなので、そこのところをハッキリとしておいたほうがよろしいかと(^^。

 会長の焚火語りによると、過去5回の遡行でW谷の全容を解明したそうである、左支流を越えて渓相は変化に富み特に美しい、下から四段の滝、直角の滝、三段の滝、尺滝、と自分で命名するほどこの渓に愛着を持って接している、話の節々にもその奥深さが滲み出ているのだ。

 最初の難関四段の滝に出くわしこれを突破するためのルート探し、大高巻きでクリアーしてすぐに現れる直角の滝、巻きにくい三段の滝、そして行く手を拒む尺滝、源流二又まで遡行しないと抜け出ることのできない源流部、最悪のエスケープルート、好きでやっていることとは言え、この渓を完結した努力に頭の下がる思いがする。

毎年解禁谷はW谷と決め、日付が変わると渓へお神酒を厳かに注ぐ会長、会員の無事帰還と大漁を祈願している。
 わたぐじも御神酒の金綾をささやかに注いだ(あくまで渓にですよ・・・渓に)

W谷上流部

2006/2/1雨

氷雨の降る中、W谷上流部を任された高知支部2名は入渓点の直角の滝下を目指して最終の大きな尾根を回り込んだ。大きな滝音が前方右下から聞こえてきた「四段の滝音に違いない」、確か四段の滝と直角の滝の間隔は50mも無かったような記憶がある、この両滝の間へ何とか下降できる斜面があるのだが果たして上手く辿り着けるのだろうか。

 上りやすい手前の沢で少しアルバイト気味に高度を稼ぎ、傾斜がキツイ植林の中をトラバースしてきたがこれと言った山道はなかった、植林からやがて雑木の急斜面に変わり木立の隙間から谷筋が見えてきた、谷の曲がり具合から直角の滝の位置がハッキリとした、今は高度で50m程度上に位置している、少し下流から四段の滝音が聞えてくるので間違いない。

 断崖の隙間を縫って生えている栂(ツガ)や石楠花の木をホールドにして下降にかかった、最後はロープを使って谷に降り立った、バッチシ目的の入渓点だった、「ふーーーッ、やったねードンピシャで入ったデー」、「病み上がりには少しきつかったです、ハイ」、2時間のアプローチだった、「とにかく直角滝の渕を釣ってみたら」。

直角の滝で

記念の06解禁初のアメゴはモッチャンの手に。右は落ち込みからわたぐじがゲット。

滝を右から巻いて落口の小渕で6寸2匹、モッチャンもすぐ上の小渕でヒットしたようだ、「こんなポイントで釣れるってことは凄いことになるかもしれんでー」。

 渓相は超A級、斜度がありヨダレの出そうな渕が連続して現れる、雨の雫が水面を叩き僅かに増水している、餌は仙人に貰ったB虫(今年は8匹入っていた)、絶好のコンディションの中でアタリの連続となった。

 アタリはこの時期独特で竿先で確かめないとヒットしたかどうかが分らない、何匹かバラシたが徐々に勘が戻ってくるのを感じた。モッチャンもアワセのタイミングに戸惑っているようだが、仁淀川で育ったとあってかなり筋が良い、アメゴを釣り上げてはニンマリの遡行が続いた。

三段の滝を越え、やがて会長が尺を釣ったことのある尺滝に到着、下流から四段の滝、直角の滝、三段の滝そしてこの尺滝はW谷の中でも変化に富んで特に美しい場所である。
 尺渕を釣る前に昼飯を食っておくことにした、朝飯が味噌汁一杯とドリンク1本だったのでシャリバテしてどうにも力が入らなくなっている、この滝を高巻くにはエネルギーの充填が必要だ。

湯を沸かしカップ麺に注ぐと湯気が立ち昇る
 冬場の渓飯はこれに限る・・う ま いッ。
 雨で岩が濡れて座れないのでこのスタイル

 

いよいよ尺渕に竿を出すことになった、モッチャンが左からわたぐじが右から餌を入れる、正面からの漠風をまともに受け留めると飛沫でビショヌレ状態になったが、尺アメゴの顔を拝みたい一心で頑張った、一投毎にアタリがあり連続して10匹釣れたが全て放流、尺上は居ないのか?いやいやきっとおるはずやおるにきまっとるやんか・・・手が凍えて餌を刺しにくい。するとモッチャンの竿が大きく曲がった、「おっ やったんか?」しかし魚体を見る前に痛恨のバラシ、広げた両手の間隔は尺を越えていた、ぐやじいやろなーーー気持ちわかるでー。

尺滝とモッチャン

左から高巻くと渓相が穏やかになった、前回会長に案内してもらった時は雪だらけだったが、残雪が点在しているだけで遡行には全く影響がない、浅い渕で数匹の魚影が見える、魚影がすこぶる濃い、会長が言った通りの展開になってきた。

 ここで餌が尽きてしまったのでモッチャンにヘルプ、「ミミズ分けてちょ」、「いいっすよどうぞ」、「すまんのう、半分に千切って使うわ」。

 浅い渕で9寸が泳ぎ廻っている。
 先ほど3匹釣った後なのだがその刺激を受けて活性が高まったのだろう。

検寸すると26cmのオスアメゴ

26cmが出た渕

ここから入れ食い状態に突入、ここぞとおもうポイントでは確実に8寸がヒット、「凄い谷やなー、渓相も魚影も超特上蔵出しやなー」、「いやーほんとすごいっすねー、朝の2時間の苦労なんかなんでもなくなりますねー」。
 
納竿予定の源流二又下の渕では8寸が3匹、二又の渕で8寸1匹と終わりまで飽きることなく渓を楽しむことができた。

午後3:00、もう少し上流へと欲が出てきたが、この時期日暮れが早いし天候も不順で空が暗い
深追いせずに計画通りの納竿とした。

撤退道は会長に教えてもらったとおり二又の右にチャンとあった、聞いてなければ見落とすほどの荒れた小道だった。
 今日は高知支部の若手新人モッチャンと同行だったが、気前良く上流部を2人に譲ってくれた会長に感謝です、楽しい釣りができました。
 この美しいW谷が、健全で整列な流れを永遠に落とし、天然アマゴを未来に残していってくれること。そして渓師会が発展しそれらを引き継いで大切に守っていってくれることを祈願し、W谷源流二又を後にした。

 撤退道は一箇所崩れがあったが順調に目標の尾根へと続いていた、3:30尾根に到着、後40分の下りが残っているが道がしっかりしているのでもう安心だ。
 尾根からは一本道のくらーい登山道をトボトボと下って行った。「おまたせー、今迎えに来てくれたの?」、「いんや・・・4時には降りてくると計算しとったんやけどなー・・5時に降りてこんかったら皆に電話しようかとも思うてたんや」、「今4:10分ですよ、ピッタシカンカンじゃないですか、とにかく迎えありがとう御座います、感謝でーす」。
 着替えを済ませ、お互いの釣果と遡行経路を確認し、また何処かの渓で合う約束を交わしてW谷車止めを撤収したのだった。 おつかれさん!

 

【腹がへっての帰り道】

うどん店の看板がやけに多くて目障りでしかたない、”讃岐うどん”とか”さぬきうどん”とか愛媛なのになんで讃岐なのか?うどん=讃岐なのか?ならば”うどんうどん”でも良いじゃないか、伊予うどんの方が男らしくて良いのにな、このすきっ腹にアツアツの汁とうどんをジルズルと流し込んだらさぞかし幸せやろなー(涎)。

 しかーし、家に帰ってのビールの方がもっと魅力的やしなー、やっぱりビールは喉カラカラのすきっ腹にどかーんとぶち込んで胃痙攣ピクピクてのが一番なのだが、じつはここで風呂の問題点が大きく立ちはだかって大変迷うのだ、あなたはどの派閥ですかな?それとも紙面の無駄?。

 「もうーだめなの限界なのよ、風呂より先にビールじゃー風呂に入らんでも死にゃせん」と人生の喜びを早くむかえたいという(先取派)?、「いやいや風呂に入って身を清めてからが一段とウマイに決まっとる」という(熟成派)?、「いんやビールが先」「なにゆうとんや風呂が先」、「まぁー待て風呂の中でビールってのはどうやろ」という(欲張派)?、「わしゃ朝から飲んどるでー、渓やったら何時何処で飲んでも最高やー誰か運転してやー」と風呂の後先を考えない(R派)?、「ビールは朝飲むのが一番美味い」という(早朝派)?などと考えていると頭の中が混乱してきて危うくインター入り口を通り過ぎるところだった。 

W谷上流部釣果: R439max26.5cmを頭に40匹
        モッチャン、
max24.5cmを頭に19匹
        キープ 二人で
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