名古瀬谷支流のモンスター

尺伝説(大物記録)
東予水系 1996/7/28

下流部の取水の上の淵で40cmはあろうかとてつもなく大きい魚の影が淵の底で動いたような感覚あったためエサを流したが反応がない。そいつはもう一度底に現れたが何事もなく夢、幻と終わってしまった。この辺はニジマスを放流した噂を聞いていたため「ニジマス?」と思ったが顔を見ていないので確信は持てないまま上流に向かった。この谷に足を踏み入れるのは初めてだが淳師匠から話を聞いていた通りで6.6の竿いっぱいに付けた仕掛けでも水流の落ち込みには届かない大場の連続でいつもの釣りと全く違っているのか、左支流から帰ってくるまでにキープしたのは8寸強の岩魚1匹だけだったが、大淵を超える度、又次の大渕が現れるこの渓に底知れない大物の可能性を感じた。

右支流は、渓相も落ち着き川幅も幾分細くなって釣りやすくなっている。何尾かキープサイズを追加して本流の大淵を数限りなくやり過ごしてきたために腕力と脚力が限界に・・・腰の痛みも加わって最後に淵ときめて淵尻から順番にチビアマゴを数匹片付けて本命筋へエサを投入、小さな当たりに思わず合わせて空振り、再度エサを同じ場所に投入、またもや小さな当たりがあったが仕掛けを送り込み数秒待って合わせるが仕掛けが動かない根掛りかと思った瞬間、水流の落ち込みへ走り出す、落ち込み部分で強引に竿を立てたが動かない。少しこちらに引き寄せたかと思えばヤツは再び落ち込みの中へ何度か綱引きを繰り返した後ヤツは下流へ走る。こちらもすかさず下流に走る。対岸に姿を見せたヤツの大きさにたじろんでいるとヤツは再び水流の落ち込みの中へ、こちらもそれに合わせて上流へ走る。またもや綱引きが始まる。しかし、ヤツの姿を見ているだけに強引にはできない。落ち込みから引き出したところで(大石の手前)ヤツがジャンプし再び落ち込みへ・・・・・どれ位の時間か経ったのだろうか10分?15分?再びヤツが下流へ走る手前に引き寄せて玉網に入れようとするが失敗 まだヤツには体力が残っている。淵尻までいかれて下の淵に逃げ込まれてはこちらに勝ち目は無い、強引に引き寄せて空気を吸わせて弱らせて浅瀬に飛び込んで玉網の中へ誘い込む。なんとか玉網の中へ入れてから岸にあがるとその場にへたり込む。水筒の中のコーヒーを飲むまで膝の震えが止まらなかった。それから煙草火をつけて一服至福の一時であった。自己記録を塗り変えるアマゴとなった。

検寸の結果 34.9cm


 

コメント

タイトルとURLをコピーしました