15時過ぎ 帰りの時間が気になりだして竿を仕舞った。辿って来た渓を引き返すのか? 先の車道に出るのか?朝下った標高差100mの斜面を登り返すより源流を詰めた方が得策に思えた。まだアマゴは出ていたので魚止めを越えていない、最源流の魚止めを見たい気持ちが強かった。現在、考えてみれば引き返した方が遙かに楽だったと思っている。 15時15分 尾根に這い上がれそうな斜面を物色しながら竿を出さない遡行を足早に続けた。渓の傾斜が上がり小さいけど有望な淵が連続するようになり、仕舞った竿を取り出した。狙い通り、この日最長寸の9寸が掛けこの渓の奥深さを感じることが出来た。まだ、竿を出していたい気持ちはあったがそんな時間は残されていなかった。 15時30分 渓の両岸が狭まり、大した滝じゃないのに渓通しを続けるのが困難になった。小支流との小支流との間に張りだした小尾根に取り付いた。取り付きの傾斜は60°以上だったが木の根っ子や蔓を握れば登り切れると判断した。その先の傾斜もキツかったが、地図通りに傾斜が緩くなった場所から尾根道が車道に続いていた。 16時30分 車道に出ると驚いた。ガレが積み重なさなった道が数km続いていた。斜面の崩落や小谷からの大水で道がなくなっていたり轍ができていたりで歩き辛い。車道の下りだから、楽で歩くスピードが上がるだろうという目論見は崩れ去った。 山を縫うように作られた車道の山側の斜面は大雨が降れば崩れて当たり前だと思う。メンテナンスを怠れば、機能を果たさないし何のために道を作ったのかという意味がなくなる。それと谷を横切る場合土管を埋めて道を通しているが、どんなに大きな土管でも必ず詰まる。土管が詰まれば溢れた水が轍を作り谷じゃない場所に流れ、やがて斜面が崩れ渓が荒れる。 提案なんですが、コストと手間は掛かるけど幅広の橋を作るべき、大雨が降れば直ぐに通れなくなりメンテナンスにコストを掛けるよりよっぽど安いと思う。それができないなら水が下に流れないように凹みを作っておけば被害は最小限になり渓は荒れない。荒れた山道を見る度、設計段階の配慮が必要だと思うのですがどんなもんでしょう。山に無理矢理通して渓が荒れてしまうような車道はもう要らない。 通したからにはチャンとメンテナンスしろよと声を大にして云いたい。 18時30分 入渓地点 暗くなりはじめたのでヘッドランプをヘルメットに取り付けた。 20時 本来の車止め 入渓点から本来の車止めまでのペースが朝の登りと同じだったことに気づいた。それから車止めまでの5kmは更にペースが落ちた。ペースが上がらないのは膝裏の痛みだった。焦っても仕方ないし少しずつでも進んでいれば車止めに着くだろうと思うしかなかった。まぁ、動けなくなったとしても食料と水は残っているから行き倒れになることはない。 22時30分 車止め 車道に出てから6時間、こんなに時間が掛かるとは思っていなかった。ガレの道と崩落、大水で轍とガレを避けながらの歩きは足への負担は大きて膝裏の痛みになった。縦走でアップダウンに苦しめられる尾根道を歩く方がよっぽどマシかも知れなかった。 チョット、考えなしでやり過ぎたか? まだスマホの電波が届かない、大急ぎで着替えを済ませて車を走らせた。家に電話をかけると遭難したんじゃないかと心配していた。 「この時間に警察に連絡してもねぇ」ってことで明日の朝に電話が通じなかったら捜索願を出そうと思っていたらしい。 やばい!やばい!! 当然メチャ怒られたのは云うまでもない。当の本人は全然そんなつもりはないけど一連の流れを見れば『プチ遭難』だった。 翌日2時 家に到着 前日家を出たのが3時だったから、まぁ丸1日よく遊んだ。5日過ぎた現在でも膝裏が痛い(チョットマシになってきたような)禁漁までにどうにか治ればいいのだけどね まだまだ、やる気は十分残っているのに足がついていかない。 |
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