花崗岩の右又 釣査

渓流釣り遡行記2018
東予水系  2018/9/6 晴れ

10年くらい前に遡行したことがある渓
上流二又の左又に水線が書かれているので本流だと思っていた。右又も偵察に行ったが乗り越えるのがややこしい場所が現れたので引き返し左又に戻った。ある筋から情報を頂き、再度地図を確認したら「どう見ても右又が本筋だ」と云う結論に至った。
複雑に入り組んだ流れと到底攻めきれない支流の多さに魅力を感じるようになった。そして、来年あたりに遡行しようかと考えていた。

大型台風21号は四国各地に強烈な風と共に大雨を降らせた。この雨量では源流に入ったとしても釣りができる場所は限定される。しばらく待てばいいと思ったが、その後も秋雨前線が大雨を降らせるらしい・・・・もう9月、禁漁時期が迫っている中での長い停滞は本意ではない。
台風の影響が比較的少ない渓を探していると前記の渓が候補に上がった。

度重なる災害の影響で車止めまで長い距離を残して通行止めになっていた。車止めから釣りはじめたんじゃ魚止めに届かない、二又の出合を目指し更に歩き続けた。9km・標高差450m・3時間オーバーの歩きはメチャキツかった。

やはり、二又の水量は右又が多かった。地図を読む力の無さと現場での判断不足を痛感した。
白い花崗岩の渓
砕けた砂を淵に敷き詰め深みがあれば淡いエメラルドグリーンに輝いて美しい渓だ。

花崗岩の白い砂の保護色を纏った体色の白いアマゴが固有化している。朱点は小さく少なめで尾鰭を縁取る朱色の鮮やかさが美しい。また、幅広で泳ぎが上手いのか7寸クラスでも竿を絞り中々水面に浮き上がらない力強さがある。


前回の釣行で引き返したややこしい場所までやって来た。
淵に少し沈んだ岩場に足を掛け両手で身体を押し上げると簡単にクリアー出来た。その先には細いロープが垂れ下がっていたがこれは必要なかった。


アマゴ8寸(25cm)
漸く、深い滝壺の中から8寸が出てくれた。
この滝は右の岩場に取り付いた。
滝を巻いて50cm下の足場に足を置こうと手で掴んだクラックの岩が抜けてビビった。一度ビビリが入ると足が竦んでしまうのが最近の俺・・・・小心もんになっちゃた。対岸から登り返そうと思ったが時間の無駄になってしまう。上にあった木の根っ子にロープを掛け何とかクリアーした。

アマゴ8寸(25cm)
二又の出合で8寸が出た。長い右支流も途中まで釣査する予定にしていたが時間が足りそうもないので次回に回す。右又の全容解明には、まだまだ時間が掛かりそうだ。


幾つかの流れ込みを経て水量はだんだん減っていく、渓は緩くなってきたが渇水時でもアマゴが暮らしていけそうな落ち込みが点在している。

水の流れが弱くなりソロソロ終わるのか? まだまだアマゴが出るので終われない。小さな場所は飛ばし、深みがあって広い場所に絞り竿を出した。アマゴの型が小さくなってきたところで帰りの時間が気になりだし納竿した。
辿って来た渓を引き返すのか?
先の車道に出るのか?
朝下った標高差100mの斜面を登り返すより源流を詰めた方が得策のように思えた。


尾根に這い上がれそうな斜面を物色しながら竿を出さない遡行を続けた。渓に傾斜が現れ源流らしい風景になってきた。ゲリラ豪雨の影響で荒れている源流が多い中、素晴らしい淵が連続する最源流は珍しい。納竿したはずだったが竿を再び取り出し探りを入れてみた。
チョットした深みでモゾモゾっとアタリがあって竿を絞った。メジャーを当ててみるとギリ9寸の27cm・・・・まだこんなのが居るのか!!源流を詰めての9寸、このアマゴの価値は大きい。まだ竿を出したいところだが、もうそんな時間は残っていない。


 両岸が狭まったV字谷、大した滝じゃないのに遡行を続けるのが困難になった。小支流との間に張りだした小尾根に取り付いた。取り付きの傾斜は60°以上だったが木の根っ子や蔓を握れば登り切れると判断した。その先の傾斜もキツかったが、地図通りに傾斜が緩くなった場所から尾根道が車道に続いていた。
車道に出ると驚いた。ガレが積み重なり歩き難い道が数km続いていた。途中、崩落現場の高巻きや深い轍越えがあって全然スピードが上がらない。下りだから4時間もあれば車止めに着くと見積もっていたのに・・・・結局5時間半、ヘッドランプの世話になりながら疲労困憊で車止めに辿り着いた。総遡行距離25km。チョットやり過ぎてしまった!!
足がボロボロになったけど素晴らしい渓と出合ったことに大満足


遡行データ
釣果:
29尾 最大27.0cm キープなし 遡行距離25.2km 標高差840m

 
 
 

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