軟弱な源流釣行

渓流釣り遡行記2020
渓流釣り遡行記2020
 東予水系 2020/2/23 晴れ 

源流釣りにのめり込んでいった頃は、普通の釣り人が行かないような渓を探し在来アマゴを追い求めて源流を彷徨っていた。その頃、寝る前の日課だった地形図の徘徊で見つけた水線無しの渓へ行こうと思った。

等高線が混み合った50mの連瀑は地図で見るより厳しくて命の危険を感じながらクリアーし最源流に突入したのが思い出される。

もう、あの連瀑を通過するのは無理だろう・・・・歳を取るのにつれ『怖さ』を感じる度合いが強くなってきた。

残りの人生は長くないし生きている価値も下がっている筈だからといって釣りのためなら捨ててもいい命にはならない不思議、若い頃の方が自らの命を粗雑に扱っていたような気がする。

まぁ、連瀑前まででお茶を濁し時間が余ったら帰り道に横切る支流で竿を出せばいいと云う軟弱計画だ。

アプローチの道は渓からずいぶん高いところに付いている。

急斜面に付き高度感を感じるが立木が生えているので渓に滑落する心配はないだろう。

昔は渓沿いに道があって下から轟音が聞こえている大滝を釣ることができたが50m位の高さの崩落現場を高巻くのがキツかった。

たぶん、この崩落現場を避けるために付けられたのがこの道だろう。

上では道と書いているが幅1m未満の木を切っただけの踏み跡です。

釣りはじめはいつものように渓が緩くなる前の大滝から、5寸と6寸が1尾ずつ、青々とした深みがあり如何にも大物が潜んでいそうな大滝なのに釣れるアマゴは小さいのは変わらなかった。


まずは7寸

次に8寸

このサイズが釣れればやる気が出てくる。下

流のアマゴは主点が赤くスッキリとした顔つきでカッコよく見える。

釣れたのは白泡から離れ流れが緩くなった深み、この時期は流心の速い流れより流れが緩くなったポイントで群れになっていることが多い。

出るべき場所で出るべきアマゴが釣れたイメージ、ここで釣れなかったらこの先の希望は薄くなるところだった。

木に絡まった仕掛けを回収しようとして沈み石に足を乗せたら石に付いたコケで思いっきり滑って転び腰まで水に浸かった。

幸いなことにウェーダーの中への浸水はなかったけど右肘を痛打してメチャ痛かった。

この後上流でツルツルの石に足を掛けたら空かされて右肘で支えたら痛めた箇所に当たり悶絶のあまりしばらく蹲っていた。

この渓は突然水がなくなる。

水の無い渓を歩くのは締まりがないので浮き石や崩れそうな岩があって難儀する。

水のない滝を高巻こうと右にエスケープしたらコケの生えた古い石積みが目に入った。

何だろうと近寄り確かめてみたら炭焼き時代のものだと思われる古い道が通っていた。

おかげで長い水無し区間を楽にパスすることができた。

長い間誰も歩いていないような道だったが渓沿いを上に向かい続いていた。

こうした変てこな道を見つけることは数少ない俺の特技なのだ。


漸く水が復活してきた。

そして今年初めての9寸、顔はデカイが胴体は痩せている。

暖かくなり餌を喰うようになれば直ぐに尺を越える素質を持っているアマゴだ。

先週9寸釣れていたらサイクルヒットだったのに・・・・いや待てよ、この9寸で今日もサイクルヒットリーチになったんじゃない。で

もなぁ『リーチ尺待ち』はチト荷が重い。

次の淵で尺が釣れてスンナリ、サイクルヒット達成♩。。。


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次の大滝はロープを掛けないと下りられないのでパスしようと思っていたら、高巻き途中で下に見える斜面を「ああやって、こうやって、あの木に掴まれば・・・・」滝横のテラスに立つことができそうだ。

ヤバそうな斜面を下った大滝は釣り堀状態だった。

場所が狭いので滝淵に仕掛けを垂らしながら長竿を伸ばしていたら8寸が掛かっていた。

7尾釣ったところでサイズダウンしたので止めたけど粘れば1時間くらい釣れ続けると思う。

次の大滝は頭から水をかぶりながらアプローチしたのに当たりすらなかった。

エスケープを岩壁に取り付き途中まで上ったたが湿った斜めの岩が滑りそうで引き返してきた。

一人の時は絶対無理をしてはいけないのが長生きのコツ


連瀑前の渓が緩くなった場所までやってきた。

ここは渓の方向が北斜面に変わるのでアマゴの反応が悪くアベレージ6寸のサビが残るアマゴしか相手にしてくれなかった。

なかなか釣り人が入れるような場所じゃないので大物は岩陰に潜んで暖かくなるのを待っているのだと思う。

まだ、サビが取れない6寸、この区間はオレンジの朱点が多いアマゴのテリトリーになっている。

滝の落口が岩壁に被さった暗闇の滝、ここから連瀑が始まる。

まだ、連瀑を大高巻きして最源流を釣る時間は残っているが帰りのことを考えれば無理をしたくない。尺も釣ったしここまででエエやろ。


何年か前に開拓した帰還ルート

尾根を平行に大回り、隣の渓へ標高差150m急降下して隣の渓のエスケープルートから帰る。

下った先には赤テープがあったので正式な道なのかも知れないがあの150mは登りたくない。


隣の渓は水量が多くいい感じだった。

横切るだけでは勿体ないので何淵か竿を出してみた。7寸の男前を頭に3尾追加した。

2週連続の尺にサイクルヒット、釣果も30尾を越えたし上々の現流行き釣りだった。

3週連続の尺に挑戦してみようか。

遡行データ
 東予水系 2020/2/23 晴れ
 遡行距離:7.6km 標高差:300m
 釣果:33尾 最長寸:31.5cm

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