今年1番のり

渓流釣り遡行記2017
吉野川水系  2017/3/18 晴れ
連瀑、程よい淵の連続、ミニゴルジェ、明るく開放的な源流部、美しい滝、変化に富んだ渓相が大好きで年に1度必ず通っているお気に入りの渓
標高が1000mを越えるので、釣行は若葉が芽吹きはじめた頃になる。その頃になると他の釣り人が入った後を追い、良いアマゴに出逢えるチャンスは少ない。なら、今年は早めに入渓してみることにした。 気掛かりは雪、標高が高い渓は雪が深いらしい。
車止めに着くと薄明るくなりはじめた西の空に月が残っていた。北斜面の山には雪、車道近くまで迫っている。渓は西斜面だから2又までは大丈夫だろうと思い浮かべたが二又から北斜面に方向を変える最源流部は無理っぽい・・・・最源流部まで辿り着けなとなれば前回見つけた撤退道は使えず渓通しの撤退は仕方ないだろう。危険な場所はないが巻きに難い場所が数カ所ある、この雪で難易度がレベルアップするかも知れない。
もうすぐ春分の日、解禁日当初に比べればとずいぶんと日の出が早くなり6時過ぎには歩きはじめることが出来るが、寒々とした山肌を見ていると動作が鈍くなり出発は7時前になった。

歩きはじめると北斜面の雪の上に残った足跡、重なるように小さな足跡・・・・猟師と猟犬が付けたものだと想像して安心したが猟師が釣りをしない保証は何処にもない、徳島解禁から3週目になる雪の中にも別の足跡があるかも知れないし、一番乗りと判断するには釣って見ないければ何とも言えない。
連爆から釣りはじめる。
最近どうも釣れない連瀑、アタリすらないこともあった。淵毎に8寸、9寸が釣れたのは遠い昔のことのように思える。 どうせ釣れないのだったら林道から高巻いてパスしてもいいなどと思う。しかし、釣るだけが源流釣りじゃない、地形の弱点を探り最適なルートを導き出した時の悦びは大物を釣ったときの悦びに等しく、遡行術を駆使しながら厳しい場所を歩くのも源流釣りの楽しみなのだ。 今日は珍しく、5寸と6寸2尾が相手してくれた。

連瀑をやり過ごし渓が緩くなりボツボツ7寸クラスが出はじめた。まだ、魚影が濃いと云う印象はない。

長渕で8寸(26cm)、良い面構えをした雄を掛けた。砂地の岸から長淵の真ん中に仕掛けを入れたら落ち込みから寄って来た。魚が見えないからと言ってバシャバシャと核心部に近づくのは得策ではない。水面に餌が落ちてくるのを待っている魚に気付かれて警戒されてしまう。
先ずは、岸から届く範囲に仕掛けを入れ魚が寄って来ないか確認する手順を踏むことが大事、核心部の落ち込みに近づくのはそれからでも遅くない。

3匹目の8寸
体高があり引きも強いから9寸はあると思っていたらコイツも26cmだった。


2又までやって来た。
だんだん、雪が深くなって歩きにくい。最源流部が方向を変えて北斜面の渓になる。渓沿いに雪は無いが高巻こうとして斜面に取り付くと膝上まで埋まってしまうので納竿した。

帰り道、固かった雪が柔らかくなった。雪の下に空洞があると体ごと雪の中に吸い込まれる。
それ程深い穴ではないので自力で脱出できるが脚を捻ったら大変なことになる。南斜面に古い赤テープ・・・・古い林道に続いていると思った。少し登ると急斜面のザレ場、谷底までスパッと切れている。
斜面に片手を付いて靴底のエッジを立て一歩たりとも気が抜けない状況、引き返そうとしたが方向転換して下る方がもっと怖い。結局、怖いザレ場を直線距離で200mくらい横に進んで植林から谷に降りた。こんなんだったら、雪の穴に落ちながらでも渓通しの方が数段良かったなぁ


最源流部を諦めたので、車止めまで早めの帰還となった。まだ帰るには時間が早い・・・・別の渓に入る。1淵目、2淵目、3淵目・・・・アタリなし
最後と決めたエンテの溜まりで竿が引き込まれた。「こんな場所に9寸が居たのか?」
アマゴ9寸(28cm)
パーマークの大きさ、朱点の付き方、在来種を感じさせてくれる雌だった。
釣果:21尾 最大28.0cm キープなし 遡行距離7.0km 標高差250m

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