四国の渓流釣り
 2011年度 渓流遡行記

2/20 吉野川水系
  愛媛解禁2011

2/26 東予水系
  ホームグランド
3/6 吉野川水系
  四国前面解禁(2011)
3/22 物部川水系
  P釣行
4/3 吉野川水系
  マニアック渓
4/10 東予水系
  最源流の魚止め

4/17 東予水系
  源流へ行ってきます。

4/30 東予水系
  河原の源流
5/5 吉野川水系
  源流見物

5/14 吉野川水系
  魚止めの滝上

7/2 吉野川水系
  梅雨の晴れ間

8/21 吉野川水系
  源流テンカラ師
9/10 吉野川水系
  台風明けの源流釣り
9/30 吉野川水系
  最終日 納竿

四国の渓流釣り 渓流釣り遡行記(2011年度) 
    
源流見物
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吉野川水系(祖谷川)

2011//5 晴れ

 原生林の渓に行きたいという思いがまだ残っていた。
 だいぶ前のことだ、二叉から釣りだした。まだ、3月のはじめだったので降り始めた雪を気にしての釣りだった。連瀑帯まで釣り上がると積雪は膝の高さまでになり納竿した。渓通しで帰るのは雪で滑るため面倒だと判断して植林の中に逃げ込むことにした。小沢を50mも登ると植林の中に入り林道はすぐに見つかった。植林の中の林道は平行に延びていて自転車でも走れる幅があり順調そのものだったが植林が途切れて低木と草原帯となった途端、林道が雪の中に消えてしまった。必死で地図と周りの山容を見比べて何とか帰還することができた。家に戻り、迷った帰り道をトレースすると隣渓の林道から回り込めることがわかった。以来、その林道を利用して連瀑帯を越え原生林の源流部に難なく辿り着けるようになった。この原生林の渓は源流独特の雰囲気を持っている癒しの空間だった。

本日最大6寸20cm
取水から釣り始めた。少し釣り上がると、何となく、新しい足跡が現れた。昨日か?今日か?・・・・今日にしては途切れ途切れだし、石の上は濡れた後がない。長靴???不思議なことに足跡の周りには、小さな動物の足跡・・・・こっちは新しい・・・・犬連れ???? まぁ適当に釣れるから釣り上がることにした。

 昔は、山わさびがそこら中に群生する渓だった。足の踏み場がなくて山わさびを踏みつけると、心地よいわさびの香りに包まれながら釣りができる渓だった。とんでもない大水が出たのだろう。山わさびの群生はなくなってしまった。所々に山わさびが残っていた。自然の回復力に期待したい。

 予想通り、犬連れの釣り人が下ってきた。魚籠一杯の釣果を見せてくれた。そして、俺の足下から岩の間に沈めてあったスーパーの袋を取り出した。魚籠2杯ということか・・・・・昔、この渓に放流したことがあってその魚を釣りに来たと言っていた。論法的には「俺が放流した魚なんだから、釣れた分だけ 持って帰って何が悪いんだ。・・・・」
 しかし、源流域でこんな釣り方をしたんじゃ、当分の間釣れない渓になってしまうなぁ。『釣り人のエゴ』を見てしまったようで嫌な気分になった。

 犬連れの釣り人に会ってから釣りをする気は失せて竿をしまった。引き返すにしても車止めまで3時間近くかかってしまう。何となく肩を落としての寂しい撤退になってしまいそうだ。かつての魚止めの源流を見物して北側の広尾根ルートがどんなものか確認することに目的を切り替えた。

かつての魚止めの滝
滝の上下で支流が交差していることからミニ十字峡と呼んでいた場所。

源頭の風景

 稜線が交わる場所まで登って来た。水の流れはなく源頭は過ぎてしまったようだ。尾根は低い笹に覆われていて歩きにくい、何かと目があった感覚の先には、大きなカモシカが振り返りこちらをじっと見ている。自然の中で異変を感じ取る能力は彼らの方がずっと上なんだろうと思う。歩きにくい笹の中をいくつか笹が倒された筋が稜線に向かっている。そして稜線には、」その筋がはっきりとしている。彼らが作った林道のお世話になり笹尾根を無事通過することができた。 「獣道やなぁ」なんてルートを見失うことがあるが、我々と大体同じようなルートを辿ることが多い。目的地や脚力の違いでルートが無くなってしまうのだ。
 広尾根のバカ尾根だ。期待していた尾根林道はないようだ。地図と遠くの風景を見比べながら進まないと違うルートに迷い込んでしまいそうだ。境界を示すピンクのテープが現れた。人間くささに安堵感を感じた。
 朝、車止めから正面に車道が見えていた。尾根の突端は行き過ぎ・・・・一つ手前の傾斜の緩い支尾根を200m下ると予想通り車道があった。車道ののり面がきつくてアタフタした。車道は思っていたより上流で渓を渡って引き返していたので車止めまでムチャクチャ長かった。

 

車道にはカモシカが待っていた


釣果:14匹 最大20cm キープなし