四国の渓流釣り 渓の雑学 四国の分水分類 |
四国の渓流釣り |
四国の水系を分類するには、一級大河川を念頭に置くとわかりやすくなります。 あくまでも個人的分類ですが 吉野川水系、仁淀川水系、四万十川水系、物部川水系、肱川水系、那賀川水系 プラス→東予水系、高知東部水系、徳島南部水系、その他アマゴが棲んで居そうな渓流 吉野川水系は瓶ヶ森−西黒森の南にある白猪谷を源とし高知県の四国山地南斜面、愛媛県の銅山川、徳島県の四国山地北斜面から流れだし各支流と合流して紀伊水道に注ぐ大河である。 また、四国山地南斜面分水として剣山を冠とし東に流れ紀伊水道に注ぐ那賀川水系、三嶺を冠とし南に下り太平洋に注ぐ物部川水系がある。 高知東部水系は剣山−三嶺から南に延びる稜線を冠とした多くの河川の集まりがが太平洋に向かって注ぐ、 徳島南部水系はその徳島県側の河川の集まりである。 東予水系は瀬戸内海から急激に標高差1500m以上立ち上がった赤石山系・石鎚山系から瀬戸内海に注ぐ急峻な河川の集まりである。 仁淀水系は石鎚山を冠とし四国山地を貫いて太平洋に注ぐ愛媛県側を面河川・高知県側を仁淀川と呼び名が変わる。 四万十川は天狗高原から南下し太平洋に近付くが西に進路を取り、天狗高原西から流れ出した梼原川と合流し太平洋に注ぐ複雑な流れを持った河川である。 肱川は宇和海近くの標高600mの山を冠としているが四国山地西側の縁を通り水を集めて伊予灘に注ぐ河川である。 上記水系に入らないアマゴが棲んで居る河川をその他水系として分類した。(高縄半島の河川、讃岐平野の河川、勝浦川、鏡川など) 水系の大きな支流について下表に概略の説明を書き加えた。 ※ 川名をクリックすると国土地理院電子国土webの地形図が表示されます。(概ね源流部) 地形図は新しいウインドウで開きます。 地理院地図の仕様変更でリンクが途切れていました。⇒修正しました(23/1/17) |
吉野川 水系 |
銅山川 | ちち山−冠山を冠として北は赤石山系、南は愛媛−高知県境の山から水量を集める。徳島県側から伊予川と名前を変えて阿波川口で吉野川に合流する吉野川最長支流です。支流の多いのが特徴、北側の支流は傾斜がキツいが南側の支流は比較的緩やかです。 最源流は、旧別子山村の平家谷である。 内水面漁協は銅山川と銅山川中流(旧新宮)に分かれる。銅山川中流漁協は2011年から内水面漁業権の設定を止めている。この釣りをはじめる切っ掛けになったのは中流域の落合谷です。渓が緩く車道(車は通行出来ません)が渓の横に付いているので、これから渓流釣りを始めるには最適な渓だと思います。ただし時期によって釣果のバラツキが多いのは銅山川の特徴だと思ってください。 |
貞光川 | 剣山の北側の嶺、赤帽子、丸笹山を冠として北に流れ込み吉野川本流と合流します。片川、明谷川、瀬開谷川の支流を持っています。 丸笹山を源とする黒松谷が最源流となります。 一宇まで行けば祖谷まで足を伸ばした方がマシと言うのが正直な感想です。殆どが植林の渓なので渓沿いに林道や車道があり楽に帰ることができます。 |
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穴吹川 | 剣山を冠として東側を流れ吉野川本流と合流する。 綱付山付近の南北から流れ込む比較的揺るやな支流があるがあまり釣ったことがない。釣り場としては木屋平から上流の支流になります。 剣山−一ノ森 北斜面を源とする経塚谷が最源流となります。 |
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祖谷川 | 剣山を冠として西側から吉野川本流に流れ込む。南は四国山地東部の北斜面、北は矢筈山-寒峰、途中谷道川、松尾川から水量を集め祖谷谷口で吉野川本流と合流する。ジロウギュウを源とする深谷が最源流と思っているが源流碑は剣山の登山道沿いにある。釣り人が多く釣り荒れ感も否めないが、底石が青く淵や流れの色がコバルトブルーやエメラルドグリーン輝き美しい渓が多く四国以外から来た釣り人は感動して帰られます。 | |
嶺北 | 高知県 嶺北地域 大豊町、土佐山田町、本山町、土佐町、大川村の吉野川流域になる 南小川、穴内川、立川、汗見川、地蔵寺川、大北川、瀬戸川など大支流があり嶺北漁協が管轄する流域は広い |
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本川 | 旧本川村(現伊野町)の吉野川源流域 寒風山を源とする桑瀬川、 筒上山を源とする大森川の支流がある。 瓶ヶ森を源とする長沢の白猪谷が吉野川の最源流になる。白猪谷は原生林の美しい渓であるが、数年前に最源流部で小谷の崩落があり荒れている。 渓によっては岩魚が棲む渓があるので事前に確認しておいた方がいい |
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仁淀川 水系 |
仁淀川 (高知) |
1本河川のイメージがあるが上八川川、土居川、長者川と多くの支流をもっている。 最源流域は愛媛県に入って面河川になります。 北側から仁淀川本流に流れ込む渓は、それ程傾斜がキツいわけではないが山側の傾斜が切り立っていて大場所に出くわすと高巻きが厳しい渓が多い。 |
面河川 (愛媛) 黒川 |
仁淀川の愛媛県側は面河川と川名が変わる。 石鎚山を冠とする面河本谷が最源流になります。 柳井川で大支流黒川と分かれる。 黒川には丸石山を源とする高野川、笠取山を源とする名荷川などの支流があります。黒川は総じて緩くて釣りやすい渓ですが、岩魚が増えて地元は困っているという話を聞いたことがあります。 |
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那賀川 水系 |
那賀川 高ノ瀬 南川 |
剣山を冠として南側を流れる坂州木頭川の奥槍戸が最源流である。 那賀川本流に南斜面から流れ込む支流は急峻な渓、南の南川、海川、丈ヶ谷川、古屋谷川は緩くて長い渓 いずれも好きな渓になります。放流量が多いことが知られていて、関西方面からの釣り人が多くてもアマゴが枯渇することはないでしょう。 |
物部川 水系 |
物部川 西熊渓谷 |
高ノ瀬山を冠として南側に流れる別府渓谷が物部川の最源流 三嶺を冠として南側に流れる西熊渓谷フスベ谷が上韮生川の最源流 西熊渓谷と言えば四国屈指の素晴らしい渓だったが源流部で大崩落があり雨が降ると直ぐに濁りが入るようになった。原生林の渓故に復活するに違いないと待ち望んでいる。 |
四万十川 水系 |
四万十川 檮原川 北川川 |
渡川の船戸が四万十川の最源流 大正で分かれる檮原川、江川崎で分かれる広見川、津野川で分かれる目黒川、口屋内で分かれる黒尊川、愛媛から流れ込む目黒川、広見川・・・・小さい支流を合わせたらキリがない。高知県西部、愛媛県南西部を毛細血管のように蛇行して流れる四万十川の全容を把握するのは難しい。 |
肱川水系 | 肱川 | 宇和久保から大洲長浜までぐるりと回って流れる源流域が300mと標高差が低いのが特徴。個人的には船戸川船戸が源流域だと思っている。 四国の西の端、家から遠い地なので詳しい情報を持ち合わせていません。 |
東予水系 | 関川 浦山川 国領川 加茂川 中山川 |
石鎚山から瓶ヶ森、笹ヶ峰、赤石山系まで連なる嶺から瀬戸内海に流れ込む渓々。海から1700m級の山頂まで一気に立ち上がっている地形のため急峻で遡行が厳しい渓が多い。厳しいが故に大滝や大淵が連続して見た目を楽しませてくれるし渓魚も残る。生半可な気持ちで入ると泣きを見るので事前の下調べやそれなりの装備が必要です。 |
高知東部 水系 |
安芸川 伊尾木川 安田川 奈半利川 室戸周辺 |
高知東部から太平洋に流れ込む河川、源流域は高いところでも1500m以下と低いが、何れも魅力的な渓が多い。 この地域は雨が多いので渇水の心配はいらない。上流部が渓魚の釣り場となるが、南北に長い細く曲がりくねった道を厭わなければ、お薦めの水系である。 |
徳島南部 水系 |
野根川 海部川 |
野根川、海部川は家から遠く、それぞれ1回しか行ったことはないが源流部は魅力的だった。緩く長いのが特徴 |
その他 水系 |
重信川 蒼社川 勝浦川 土器川 財田川 鏡川 鮎喰川 |
愛媛の一級河川 東三方ヶ森を源とする阿歌古渓谷が最源流 東三方ヶ森北斜面を源する。支流には木地川がある。 最源流部は雲早山から北に続く嶺を源とする。 香川の一級河川 真鈴川が最源流 個人的には龍王山を源とする明神川が最源流と思う 東山峠付近が最源流 渓相と釣果は期待しない方がいい 高知市に北から流れ込む河川 小さいな範囲に放流量が多い 吉野川の支流だが漁協は別 高城山を源とする いずれも渓にもあまごが棲んでいる。 |
※重信川、土器川は一級河川ですが今回の水系の分類から外しました。 一級河川の定義として河川の規模と流域の経済性が重要視されていますが、 今回、重要視したのはあまごの生育密度と魅力ある渓(個人的な)で定義しました。 |
渓の雑学 バックナンバー |
四国の渓流釣り用語集 | |||||
2011/04/09 四国の渓流釣りで使っている渓流釣り用語について説明しています。 |
遡行管理方法 | |||||
2004/10/16 遡行データは、要点をまとめてデータベースにするといいでしょう。日付・天候・水系名・川渓名・同行者・釣果・地形図名・・・・・・2、300貯まってくれば、並び替えをするだけでも楽しくなりますよ 私の遡行管理方法について紹介します。 |
四国の岩魚 | |||||
2004/3/22 四国にも岩魚が生息する。私が確認しているだけでも、本川村、加茂川の上流部、嶺北、穴吹川上流 、貞光川の一部、祖谷川源流部など・・・・・しかし、本来四国はアマゴ域、岩魚は生息していないはずである。では、何故か?・・・・ |
2001年度総括 | |||||
2001/12/02 最近、昔からの相棒に見放され、一人で入渓することが多かった私の渓流釣りだが、今年の初めに『四国渓師会』という渓流釣りクラブを開いたこともあり、多くの方々と入渓することに恵まれた。一人で自由気ままに渓を遡行し釣りをするのもいいが、同行者と共に渓を語り、釣果を喜び合い、助け合いながらきつい遡行をして、とにかく楽し釣りができました。 |
林道の見つけ方 | |||||
2001/10/20 源流域を辿って渓の源頭へ 混血など無関係なネイティブなアマゴに逢える。 原始の昔から続く手付かずの自然林の中で呼吸する事の素晴らしさ。日常とは、全く違う世界に酔いしれる。 しかし、無理をして高巻きした大滝は下りたくないし、川通しは滑って危険である。一体、どうやって帰ったらいいのか?急に心細くなる。そういったとき、頼りになるのが林道の存在です。 |
燻製の作り方 | |||||
2001/10/20 渓で釣った渓魚をおいしくいただくにはいろいろな方法があります。 ノーマルなところで塩焼き、味噌の蒸し焼き、刺身、から揚げ、燻製等など、その中で私が最も好きな燻製の作り方について紹介します。 |