源流釣りルート開拓
地形図を眺めていると水線無しの長い渓を見つけた。この川にはいくつかの支流があって、短い渓にも水線が書かれている。もし、見つけた渓に水線を入れるとしたら、一番長い支流になると思うのだがどうしてなのか?
何か、作為的な意図を感じずにはいられなかった。
別の渓で釣りをした帰りに偵察してみることにした。入り口には15mの滝、渓が狭まって岩壁に囲まれているので正面突破は無理のようだ。下手は等高線が混み合っているからパス、上手は張りだした尾根を回り込むと草に隠れた場所に石積みがされた道らしきものを見つけた。
道は渓の方向に向かい続いていた。空身で偵察、なんとか滝上に出られることは確認できた。しかし、渓筋に丸太をかけた橋は朽ちて最近使われた様子がなく撤退道として心許ない。
もし、アマゴがいるとしたら上流の二又くらいまでだろうか?二又上の植生は針葉樹なので植林なんだろう・・・・二又で分かれた尾根の植林に手入れするには、二又の尾根筋に作業道がある筈、作業道があるなら緩い主尾根を通るに違いないと予想を付けた。ない場合は、簡単ではないにしても渓通しでも撤退できるだろうとB案を用意した。
渓の傾斜はそれ程キツくない。地形図で想像していたイメージと変わりなかった。厄介なのは側面の傾斜だった。谷底が狭いV字、2、3mの滝が現れると高巻きに苦労した。
それよりも、怖い思いをしたのは鹿の存在だった。 斜面の上で「ピッー」泣いたかと思ったら小石が落ちてくる。小石ならまだいい、ソフトボール大の石がガラガラと落ちて来て水面に水柱が立った時は生きた心地がしなかった。
それ以来、鹿が泣いたら身構える癖が付いてしまったじゃないか。
大物はいなかったが在来ポイいい感じのアマゴに逢えた。
あまり釣り人入らないレアな渓に感謝。
上流の二又までやって来た。
予想通り、アマゴのアタリはなくなり二又の尾根に林業の作業道が続いていた。作業道は平行に主尾根を回り込んで尾根の突端に出て緩やかに下るだけで楽勝だった。
初めての渓に入る場合、いろんな不安がつきまとう。
- どう釣り上がるのか?
- どう帰ってくるのか?
- 遡行が困難な場所はあるのか?
- アマゴがいるのか?
地形図を見てイメージしておけば、随時対処ができる。そして、イメージと現実が合致していたら釣果以上の喜びがあるだろう。
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