ルート開拓3③ 河原の源流

源流釣りルート開拓


アザラシ君と河原の源流に行くことになった。地形図には等高線と水線があるだけで想像力を膨らませるしか手がない状態だった。この渓を遡行したことがある師匠に帰り道のルートを聞いたが、かなり前のことなのでハッキリとしたことは分からないと言う前置きがあって、標高1000m付近に支流があり薄らとした林道が現れる。この林道を少し進むと渓を跨いで対岸の林道と交差して帰ってきたような気がする・・・・。兎に角標高1000m付近にある支流を目標にすればなんとかなるだろうと思った。

車止めで植林の伐採がはじまっていた。重機が入った幅広い道があり導かれるように伐採現場に入っていったが失敗だった。切り倒された木がそのまま放置されたままで難儀して大木や枝を乗り越えなければならず30分以上ロスして正規の林道に復帰した。帰りに気付いたが対岸にしっかりとした林道が続いていた。渓は大滝と大淵の連続二人で協力して乗り越えないと前には進めない・・・・師匠が言った「一緒に行った相棒と仲良くなるよ」と言う意味が分かったような気がする。漸く目標の支流まで辿り着いた。師匠が言っていた通り林道が現れ渓を跨いで対岸の林道と交差していた。
「これが帰り道か?」 ただ、林道は荒れていた。途切れた場所が数カ所あった。迷いもせず帰ってこれたのは1週間くらい前の足跡のおかげだった。

何度か魚止めを目指したが渓の厳しさ故、途中でタイムアウトになってしまい、いつもの林道から帰るパターンが続いた。



横林道と縦林道の交差


2年後、Lさんと河原の源流に行くことになった。渓沿いにある林道から厳しい下流部分を飛ばして途中から入渓することに成功した。いつもより上流から入渓することができたので念願だった河原の源流に漸く立つことができたのは良かったが、魚止めはまだ先で辿り着くことができなかった。帰りのルートはタイムアウトが迫る中、赤テープの林道が渓を横切っていた。標高から察するにきつ谷遡行で見つけた横林道の続きに違いないと思った。確証はなかったが横林道を1時間弱歩くと見覚えがある林道の交差、予想通り縦林道に出逢い暗くなる前に車止めまで戻ってくることができた。


さらに次の年、源流テンカラ師が加わって河原の源流の魚止めを確認する計画が持ち上がった。
これまでの遡行で渓と林道の関係は、ほぼ繋がってきた。道に迷う心配はなくなったし、だいたいのコースタイムも計算できるようになった。後は体力と脚力が保つかどうかだ。車止めから一気に横林道まで標高差750mを登り河原の源流に出る。そこから魚止めを目指す。魚止めは、長らく想像していた場所より更に上流だった。魚止めの主がアマゴではなく岩魚だったのは少々落胆した。

 アプローチ6時間、釣り4時間、撤退3時間、標高差950mの最源流は太古から続く原生林の流れに渓魚が遊ぶ素晴らしい場所でした。
 何年も掛けルート開拓した魚止めは、釣果云々よりも成し遂げた達成感が大きかった。
河原の源流 魚止めの滝


 

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