ルート開拓⑦ 尾根越えの渓

源流釣りルート開拓

3.5mの仕掛けで底が取れないような滝壺で魚体が薄らと青いアマゴが釣れた。源流釣りをはじめた頃、この水系は青味かかったアマゴが釣れること多く懐かしい感じがした。
更に上流を目指したが20mの滝に行く手を阻まれる。右は垂直の壁・・・・手掛かりは皆無、左から滝を囲むように張りだした岩壁に取り付いた。
植生との境から際どく登ったが残り5mのピークに手が届かない。細い岩壁の縁に跨がって少しづつ進む方法を頭に浮かべた。しかし、いざ岩壁に載って下を見ると、もの凄い高度感に足が竦み遡行を諦めざるを得なかった。

滝上に、青アマゴが棲んでいるのか?大きな宿題を残してしまった。


A谷は、この水系のなかでも大好きな渓の一つだ。渓は細いが初めから源流域の渓相、大小の滝、深く青い淵、1枚岩が剥き出しになった最源流部、そして獣の匂いがプンプン、大自然の営みが色濃く残っている渓だ。
先述した渓はA谷と尾根一つはさんで向き合っている。小さなコルまで標高差100mを登り、標高差50m下る尾根越えルートを画策した。  A谷 中流域 A谷 魚止めの滝、健脚の釣友によれば、この滝上にもアマゴが棲んでいるようだが密かな種沢になればいいと思う。


A谷の魚止めまで詰めたあと、コル直下まで下ってきた。植林の中に薄い踏み跡を見つけた。ジグザクに登っているようだが折り返している場所がハッキリしない。しばらく、踏み跡を探しながらの登りを続けたが直ぐに見失ってしまう。
上を見上げるとコルの凹みがハッキリ見えるようになったので直登した方が早いようだ。地形図を見て思い描いて想像していたより実際のルートは簡単ではなかった。


A谷と同じくらいの水量を想像していたが7分目ってところだろうか?チビアマゴが数尾掛かるが青アマゴじゃない。しばらく釣り上がると流れがなくなってしまった。まだ、水線上なので水は崩れて重なった岩の地中を伏流しているようだ。伏流しているなら青アマゴが陸封されている可能性はあると思った。
50mほど水がない乾いた遡行を続けると水流は復活した。そして魚心、掛かったアマゴは何故か赤アマゴ、側線から頭にかけて朱点が帯状に連なっていた。アマゴには違いないがその美しさとかけ離れて、なんだか可哀想な容姿である。
たぶん、個人的な卵放流。
釣りたい、釣れればいいと欲に満ちた自己中心の釣り人が招いた結果がこれだ。今後、下流に向かって進行するであろう交配の責任を取ることができるのか教えてほしい。
斯くして青アマゴの釣査はここで終わった。

 下降地点の水量 赤アマゴ


下の滝が魚止め、赤アマゴは1尾だけだった。 これから先、赤アマゴの交配が進まないことを願うばかりだ。 滝を越え沢歩きに徹する。水量が減りアマゴが棲めるような深みがなくなり納竿
 
急斜面に取り付いて尾根を目指す。尾根筋が近づくと深い笹に覆われるようになった。斜面の笹は厄介だ。笹を束にして掴み腕力で前進しようとするが倒した茎を踏むと滑って腹ばいになる。辿った渓筋をトレースして戻った方が良かったかも知れない。

魚止めの滝水量が少なくなる地図上の水線切間・・・・納竿場所


 

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