源流釣りルート開拓
源流の二又に立つと殆ど水が流れていない。下流から釣り上がってきたなら「もう、水がないから納竿」ってことになる。いや、もっと手前の段階で納竿するかも知れない。
地図を持っていれば、二又から上流に水線が続いていることに気づくだろう。両支流とも電力の取水があって下流に殆ど水が流れていない。道は取水の点検道が先に左支流を通って右支流へと続いている。
地図を見て水線の長さを比べてみれば左支流の方が右支流の倍ほどの長さがあるから常識的に考えれば左支流を先に釣り上がることになるだろう。しかし、もう少し地図に記述されている情報を読み解けば、雨量を集める流域面積は変わらないように思える。(カシミールで測定してみると左:1.8㎢、右:1.5㎢)
更に等高線の間隔を読み取ると右支流は、斜面が切り立った急斜面でゴルジェの地形、源流部は直角に方向を変え、いくつか支流の流れ込みがあるので、変化に富んだ渓相、深みのある淵が点在していることを想像して、「面白そうな渓だなぁ」なんて思えれば大したものである。
実際に右支流を遡行してみると、最初は滝と深みのある大淵が連続する。少し緩くなり、更に進むとゴルジェの渓相となる。直角に方向を変えた最源流部は適度な淵が連続している。また、原生林のなかでアマゴと戯れることが嬉しい。
左支流は魚影が薄く、右支流は行程の1/3で交差する林道を越えると魚影が濃くなる。これは釣り人が先に左支流を釣り上がり、右支流に入ったとしてもこの林道から引き返すことになるのだろう。そして、左支流と右支流の1/3区間は魚影が薄いから、右支流の続きの区間を再挑戦する気にはならないのだと思われる。
初めての渓に行く場合、地図をどう読むかだ。
いろんな要素を多面的に読まないと裏目になってしまうことがある。裏目になったとしても、どうしてなのかを考えていれば次の釣行につながるだろう。
序盤は大滝の大淵の連続する。こんないい淵なのだが魚影が薄く釣れることは滅多にない。この辺りまでは釣り人が多く入渓するのだろう。
中盤はゴルジェの渓相、V字になっているのでアマゴが居るポイントは絞りやすい。
最源流部は開けた感じの渓相になり気持ちのいい中淵が連続する。そして、ナメ床が連続するようになり流れが細くなるがタマリがあればアマゴが居る。
漁協が管理できる場所ではないので釣りきってしまうような釣り人は来ないで欲しい。
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