ルート開拓⑫ 新規開拓2018

源流釣りルート開拓


源流釣りは人里離れた山奥深い渓間に釣り場を求める。
一度入った渓なら 大まかな遡行イメージを把握できているが、初めて入る渓は無事帰還を含めていろいろな不安が付きまとう・・・・ルートを探る悦びを感じたり、見たこともない風景に感動したり、その渓独自の特徴を持ったアマゴに出逢ったり・・・・新規開拓は面白い。

今シーズンは出来るだけ新規開拓を増やしたい目標を掲げたが5渓に終わった。長年四国の渓を辿り日帰りで行ける新しい渓が少なくなる中頑張ったじゃないかと思っている。


謎の渓 釣査隊(4月29日)

禁漁期間中の飲み会で439さんから「やり残した渓がある」と謎の渓に誘われた。その渓の存在は知っていたが、家から遠い・標高が低い理由で釣査するまでに至らなかった。改めて地図を確認してみると難解な渓、ワクワク感・ドキドキ感が止まらない。ネット情報は少なく、Google Earthを駆使して遡行計画をまとめた。

渓の入り口は、ごく普通の緩い流れだった。厄介なのは両岸が切り立ったゴルジェ、渓底が狭まり渓幅いっぱいの深淵が現れるのは必至、深淵は浅いルート探った。胸まで浸かる場面もあり流されないように岸の岩を掴みながらへつった。5月前と云えど陽射しの届かない渓は水に浸かると震え上がった。

渓通しが難しくなると、10数m上の森林鉄道跡の道まで高巻けばいいが直ぐに通行不能になる。その度にロープを出して渓に下るか、更に急斜面を高巻くかの選択を迫られた。釣れるアマゴは少ないけど、仲間と協力しながら手強い難所をクリアーするのは楽しい。

嫌らしいゴルジェが現れた。持参した浮き輪を使えば泳いで通過できそうに思えたが、狭く先が見えない神秘的なゴルジェに怖さを覚え高巻くことを選択した。岩場からチョット張りだし気味の小尾根に取り付いたが支尾根に出るまでの急斜面は楽ではなかった。

支尾根を下れば目的にしていた滝があることは想像できた。下って・釣って・登り返す・・・・残された時間が微妙だったので撤退を決めた。支尾根を標高差200m這い上がり稜線を下る・・・・稜線に山道があるのは想定内だった。

目的の滝に届かずの敗退だったが、撤退ルートが明確になり次回の遡行につながると思う。また、掲示板に提案いただいた渓通しで泳ぐことを前提にした装備を整える必要性もある。長い間渓流釣りをしているけど、これほど渓流遡行を楽しめる渓はなかった。

装備と体力を整え再チャレンジの準備は既にはじまっている。遡行に精一杯だったけど なんとか8寸


大滝越え 源流の二又 (5月27日) 

本流を辿り大滝を2つ越えると源流らしくなり、やがて渓は二又に分かれる。地図上の水線は右又に書かれているが左又の方が水量が多く、どうしても左又に足が向く、左又は魚影が濃く魚止めまで遡行すると右又を釣り上がる時間はなくなってしまうのが常、それを何回か繰り返していたが、今回は右又から釣りはじめることにした。

右又の渓相は左又より単調でアマゴの魚影が薄くサイズも一回り小さい。こんなことなら左又を釣り上がった方が良かったかも知れないと思いながら遡行を続けた。

渓が緩くなりチョロチョロとした流れにアマゴの姿を見ることもなくなった。岩の間から続く落ち込みにチョットした深みがある小淵で終わりにしようと決めた。仕掛けを入れると8寸が一発で喰らいついてきた。源流を詰め水がなくなる手前で掛けた価値ある1尾に満足しながら右又を下りはじめた。右又魚止めの8寸


峠越の入渓ルート (6月28日) 

渓沿いの車道は度重なる土砂崩れで何年も通行止めが続いていた。歩いて通行止めを越え源流部に入ろうと考えたが半端な距離じゃない。車道の通行止めは峠を越えた場所で解除されているのは知っていた。峠を下り行きなり源流に入る、渓を詰めたら帰り道の距離が短くなるという計画だ。

本筋の源流を釣り上がる予定にしていたが、思ったより渓幅が広く空けていたので折から降り出した雨と風を正面に受け釣りにならない。 渓の方向が90°変わる支流なら雨風を凌げるだろうと下流にある支流に逃げ込んだ。 初めて入る渓、過去に上流の大崩落を目にして「こんな状態じゃアマゴはいないだろう」と思っていたが渓の入り口は程よい滝と良淵、その後も崩落の影響は最小限で美渓が続き良型のアマゴに合うことも出来た。 まぁ、頭の中であれこれ想像していても実際に入渓して釣ってみないと分からないものだ。

帰りがシンドかった。
下りなら惰性で歩くことも出来るが登りは一歩一歩に踏ん張りが必要になる。渓一本詰めた後の登りは思っていた以上に標高差がのし掛かり苦しめられ脚力の衰えを感じた。5㎜に泣いた 泣き尺



前々から気になっていた渓 (8月30日)

渓の前を通る度に気になっていたが、水線が短いことを理由に奥の有望な渓へ足を向けていた。短い水線が途切れた後に等高線が混み合いった場所を越えれば広葉樹マークの源流は緩くなる。 ・・・・閉鎖渓流かも知れないと思った。

渓の入り口は嫌らしく釣り人を拒んでいるような滝を高巻いて入渓すると更に4つの滝が待ち受けていた。巻き道は薄く、道がどう続いているのかを意識していないと見失ってしまう。連爆を越えれば地図通りに緩くなる。気になるのは落ち込みの淵がガレに埋まって浅い・・・・何処かで崩落している場所があるのだと想像できた。崩落場所は等高線が混み合った連爆の右又だった。連爆を越えた左又は自然林に変わり源流らしい渓相になったが魚影は薄くなった。「閉鎖渓流でウハウハ」を読み違えてしまったように思えたが斜めに水が落ちるカッコイイ滝淵で下流のアマゴとは容姿が異なる美しい泣き尺に感動した。

渓の斜面が緩くなるエスケープポイントを前に木に巻き付けた古いテープが目に入った。その先には古い踏み跡・・・・緩尾根に続いているよう思えた。『現場判断の計画変更』ザレが入り歩き難かったが予定通り尾根に回り込むと尾根道が本流まで続いていた。魚止めと思われる滝淵で泣き尺・・・・感動した。


花崗岩の右又 釣査 (9月6日)

10年くらい前に遡行したことがある渓、その時、右又にも入ったが左又が本筋だと思っていたのでややこしい場所が現れ引き返した。左又の源流は大きな岩が渓を埋め竿を出せるポイントが限定されるようになり納竿した。
源流が荒れている渓は楽しくない・・・・右又も同じイメージを重ねていたので再びこの水系を訪れることはなかった。

FBを通じて情報をいただいた、懐かしさから地図を見直した。古い地図は左又だけに水線が書き込まれていたが、最新の地図には右又にも薄い水線、右又は多くの小支流が入り込んだ複雑な渓なので分からなかったが水線が書き込まれたら渓の長さや流域面積の広さを考慮するなら『どう見ても右又が本筋だ』と云う結論 もう一つ、左又が荒れたのは渓沿を通っている車道が作られたことに原因があるように思え、車道のない右又は荒れていないのではないか? 渓が荒れていないなら複雑な地形を下る水の流れはメチャ面白そうだから釣査する価値はありそうだと考えた。白い花崗岩を保護色にしたアマゴ9寸


 

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