雨の源流風景

渓流釣り遡行記2023
吉野川水系  2023/8/22 雨 
台風7号の通過から5日目、ソロソロ渓の水が落ち着いてくる頃だろう。
 
車止めに着く前から霧のような雨が降りはじめた。
「晴れの予報なんだけど・・・・」
空は明るいし薄い雲の隙間には青空が覗いているので陽が昇れば天気は回復するだろうと谷筋に続く尾根を下りはじめた。急な尾根、『行きはヨイヨイ帰りは何とかの坂道』 最近は渓を下る途中で広尾根を回り込んで本流に下り緩尾根を登るルートを見つけたので、帰りにこの急斜面を登り返す必要はなくなった。
谷との出合まで下ってきた。
思ってた以上に水量は多く普段の倍以上はある感じで足元に伝わってくる水圧が強い。水は薄らと濁りが入り如何にも良い釣りができそうな雰囲気がありますがチビアマゴしか相手にしてくれません。まだ、大水が出て水が引く途中なので良型は巣穴に潜んでいるのか?巣穴から引き出す落ち込み下の白泡は流れは速いため攻め手に欠きます。源流まで行けば水量が落ち着いて何とかなると思っていたのですが雨は段々強くなりで源流も水量が増え状況が悪くなるばかりで、本日はチビアマゴ釣りに終始しました。

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水の流れが速く白波が続きます。
渓幅が狭い源流域では有望なポイントは白波の中に掻き消されます。ある程度の広さがあって白波が消える場所じゃないと釣りになりません。
大木が斜めに立ち、その下をS字に流れる谷筋、釣りには厄介な白波ですがいい感じでコントラストの効いた軌跡を描いていました。

雨が影響しているのか?テジロは殆ど居ません。(ピークを過ぎたのか?)
代わりにブト・(ブユ)が顔の周りを飛び回り、何度追い払っても纏わり付いてきて鬱陶しい。テジロのように攻撃的ではないが放置しているとまぶたを噛まれると酷いことになります。。一説には涙に反応しているとか・・・・別名『メマトイ』とはこの厄介な虫の特徴を捉えています。
ブト・(ブユ)にはハッカ油スプレーが有効です。首に巻いたタオルに染みこませると防虫効果が長続きします。テジロもこの匂いが嫌なようで完璧ではありませんが少なからずの効果があります。

原生林の良い森です。
大トチの奥に大ブナ、その横にツガの幼木が並び多様性ある森の構成になっています。

歩き疲れて座った岩横に聳える大樹を下から仰ぎ撮りました。

苔が纏わり付いて何の木だか分からない・・・・葉っぱの形をみればトチの木だと思うのですが確信は持てません。木や花の名前が分かるようになれば源流遡行はもっと面白くなると思います。
原生林の森は多くの倒木を目にします。
写真は倒木と残った幹を並べました。幹は岩に絡みつく太い根と天を突き刺すように尖った形に生命が途絶えた訳ではないのだと思わせる力強さを感じました。
こちらは谷幅一杯に横たわった倒木です。
木としての生命は終わっていますが、若々しい緑の苔が纏わり付いたことで生命が宿っているように見えるから不思議です。
苔生す風景
湿気が多い源流の斜面は苔に覆われ、角張った岩が丸みを帯びたモコモコに変わります。雨に濡れた苔は彩度が増して緑が鮮やかになります。
源流は色数が少なく割と地味な色彩が大半です。水際の岩の上に落ちた紅葉した葉っぱが目を引き付けられます。

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総じて緩い渓ですがこの辺りは渓の傾斜が増してゴツゴツした大岩が露出するようになり、両岸に張り出してきた小尾根が狭まったところに横から放物線を描いて落ちる滝があります。
雨は降り続き、時折雨脚が強くくなります。
そして、今まで見たことのない水の勢いにポイントが消え、奥に仕掛けを入れても直ぐに渕尻まで流されてしまいます。ソロソロ大物がでる場所なのに残念です。
上の滝を越えれば渓が緩くなり水の流れが一旦落ち着きます。
岩の間から広がりながら落ちる水の流れと背景の緑とのバランスがよく源流らしい風景です。
二又手前の滝を釣っていたら土砂降りの雨に降られ周囲に霞が立ち込めて薄暗く心細くなりました。
もはやこれまでと納竿
帰りの準備を整えて下りはじめると雨は止み晴れ間が見えだした。
チビアマゴ釣りに終始している釣り人の考えることは、「もう、ワンチャンスあるかも知れない」 なんてね。
二又を越えた浅い淵でチビアマゴが釣れた。
「まだ、居る」
二又を詰め上がりますがアマゴが居着くような深みがありません。
普段の水量を考えれば魚止めを越えているように思えますが、納竿するのに納得できる場所を求めて更に詰め上がります。チョットした2段の滝が見えてきました。滝に近づくと滝淵がありません。
これにて本日2回目の納竿になりました。
遡行データ
  2023/8/22 雨 吉野川水系
  遡行距離:4.7km 標高差:260m 
  釣果:20尾 最長寸:16.0cm

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