四国の渓流釣り 源流釣り入門

  一枚岩の美渓を辿る


四国の渓流釣り

 

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車道から尾根道を標高差200m下降して降り立った谷は一枚岩の美渓だった。
カーブを曲がると形の良い二段の滝が現れる。
逆S字に方向を変えた水の流れが滑らかに落ちる滝の美しさもさと岩壁に付いた苔の鮮やかさが調和し、完成された自然の風景を見ているようだ。
変化に富んだ渓相
谷幅いっぱいの平らな滝の側面を登れば、次はどんな景色を見せてくれるのか?
滝とは対照的に開けた渓相、ただ開けているのではなく一枚岩の凹凸が複雑な水の流れを作り出していた。
小さな落ち込みの白波と苔の緑の散らばった感じがいい。


落ち込みと中淵が連続するポイント
釣る前にポイントを写真に撮れば釣れるジンクス・・・・効果はなかった。
厄介なモツゴは居なくなったがアマゴの魚影も薄い
渓の風景が好みなので渓歩きを楽しむことにしよう。
 
若葉が芽生えだした木の下を流れる谷筋
普段は滝の写真を取ることが多いけど何気ない谷の流れも絵になる。
副題として苔は渓流写真の良い素材になる。
谷の側にミツマタの群生があった。
光が当たっていれば背景の花を玉ボケにしても良いが光が足りない。
背景をどれくらいボカスかよりどれくらい花の形を残すかの観点で絞り値を決めた。

目的にしていた大滝までやって来た。
深くて濃い青をした滝淵に斜滝の白い水が滑り落ち同化する様に心精が惹きつけられた。
迫力のある直瀑もいいが優雅な斜滝の美しさも格別なものがある。
立ち去りたくない思いは相棒も同じらしく、大滝を前に長い時間を過ごした。
滝淵の深みから9寸前のアマゴを引き出した・・・・尾鰭の赤い縁取りが印象的なアマゴ
写真の撮れ高が多い釣れない釣りだったが、漸く報われた感じがした。


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厳冬期を耐えた源流アマゴ
雪が多い2月だった。
3月になり暖かい日が続き、雪の状況を見て陽当たりがいい源流なら行けるんじゃない・・・・と思った。流石に標高1000mを越えると雪が残っている場所が現れたした。写真は東に面した急斜面の雪が渕際まで押し寄せ1m以上の雪塊になっていた

雪の解禁日
温暖な四国にも雪は降る。
時期は愛媛の解禁日間近になることが多く釣行先を決めるのが悩ましい。 
「行く」「行かない」の判断は谷正面の車止めに辿り着けるかどうか?
谷に多少の雪があっても遡行できる経験値を持ち合わせているが、解禁日の雰囲気を楽しみ撤退することも吝かではない。

滝の写真8選 2023年
渓は入渓前から濃い霧に包まれていた。
核心部と連瀑をやり過ごし、一旦渓は落ち着き三段淵手前までやって来た。まだ、三段淵は霧に霞んでいたが空が明るくなり三段目まで釣り上がると滝淵に光芒が降りて来た。滝淵を囲む岩壁の明と暗、岩に貼り付いた苔の緑が鮮やかです。
段々薄れて行く霧を通した光芒の広がる様が幻想的でした。

源流の森を語る
青源流釣りは渓を辿りながらになるから視界に入るものは水の流れる風景が圧倒的に多い。しかし、オフトレでピークに立ち源流域を俯瞰すれば山の斜面に挟まれた一筋の窪みにしか過ぎない。大部分は渓を形造る山とそれを包み込む森が支配的だ。
源流釣りを語るには山や森の存在を忘れてはならない。

青石谷の青アマゴ
青石は学術名を緑泥変岩といい、四国を東西に横断する中央構造線の南側は三波川変成帯に分類され堆積した汚や砂が地中で低温高圧に変成された岩石が隆起して地表に露出しています。中央構造線の南に位置する剣山系や石鎚山系を流れ落ちる谷には多くの青石谷が存在しています。

大滝上の美渓
急斜面がザレ緊張を強いられた大滝を巻けば優しい流れの美渓が待っている。しばらくは美しい渓相を楽しみながらゆったりと竿を振ることができる。

深山幽谷の源流
本流との出合に足を踏み入れれば原生林の渓になります。
人工物は消え深い緑と透明な水の流れが支配的な空間です。

春はアケボノツツジ
東尾根ルートを考えてみた。
 ・車道の回り込みで標高差が100m短い
 ・遡行距離が短くなる。
 ・下道からアプローチし上道からエスケープすれば源流を詰めることができる。
 ・尾根には登山ルートが通っている。

最源流の撤退ルート
尾根の突端を下り連瀑を越え長い渓を最源流まで詰めてきた。
渓通しで撤退するには距離が長いし、最後の登り返しが急斜面でメチャシンドイことになる。渓から標高差が短くなった尾根に乗り最短距離を下り帰還できるルートを開拓した。原生林の揺尾根は自然の奥深さを感じることのできる贅沢な空間です

巨木の森を流れる渓
林道から渓筋に足を踏み入れると周囲の景色は一変する。V字の斜面には巨木が立ち並び渓に被さり深山幽谷の雰囲気が漂っている。
水は大岩が重なり合った間を流れ落ちている。背丈の倍ほどの岩の重なりは正面突破が難しいけど脇に回れば簡単に巻くことができる

真夏の源流釣り
過うだるような下界の暑さを遠ざけるには標高が1000m以上の渓が良い。
更に原生林の渓なら谷筋を覆い被さる巨木が真夏の強い陽射しを遮ってくれるので快適だ。
車止めの温度は15℃前後、少し肌寒ささえ感じられる。周囲が明るくなったのを見計らい、まだ薄暗い林道を歩きはじめた。

新緑の頃
先週まで殺風景だった源流の風気が若葉色の明るい色彩に変わった。
南向きの渓を選んだこともあるが一気に春めいてきた感じがする。

魚止めの釣査
過去に知る限りの魚止めは既に越えていた。
渓の流れは細くなったけど少しでも深みがあればアマゴが反応してくれる。源流アマゴ求め源流を彷徨う渓師にとって至福の時間はいつまで続くのか?上へ上へと導かれることに何の抵抗も感じなくなった。

原生林の源流を辿る
新緑が芽吹きが終わり深緑に移り変わろうとする時期の源流が好きだ。
渓へのアプローチを下りはじめると人工物がなくなる。広葉樹と針葉樹が混じり合った多様性のある原生林に辺りを見渡し歩みを止めた。疎らな低木の茂みが原生林の奥深さを物語っている。彼らは巨木が倒れいい光が差し込まない限りこれ以上大きくなれない自然界のルールに従っている。

最源流の終わる場所
黄金週間の釣れない釣り
水線を越えた辺りで見切りを付け渓変わりしようと思っていたが9寸を掛けた。「もう少し行ってみるか・・・・」相変わらず釣れないまま源流の二又に差し掛かる。右谷は崩落したガレに埋まり水が流れていない。本筋はガレの積み重なりが消え渓本来の美しさを取り戻しよさげな落ち込みと淵が続いていた。