四国の渓流釣り 源流釣り入門
雪の解禁日 |
![]() 四国の渓流釣り |
写真で語る源流釣り | ![]() |
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温暖な四国にも雪は降る。 時期は愛媛の解禁日間近になることが多く釣行先を決めるのが悩ましい。 「行く」「行かない」の判断は谷正面の車止めに辿り着けるかどうか? 谷に多少の雪があっても遡行できる経験値を持ち合わせているが、解禁日の雰囲気を楽しみ撤退することも吝かではない。 |
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渓に立てば冷たく張り詰めた空気感と水が流れ落ちる音が心地いい。 解禁日は『安全祈願』の儀式からはじまる。 大した信仰心は持ち合わせてないので神頼みは通じない。 解禁日で高ぶった感情が安全意識に向けばいいと思っている。 二礼・二拍・一礼 自然相手の危険が多い源流釣りは自然への畏怖と感謝を忘れてはならない。 |
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解禁日の1尾目 アタリは鈍く喰い込みも渋かったが、アタリがあるならねばって針掛かりさせた。 4寸くらいのチビ助だったが手元に伝わってくる懐かしい魚信は心地よく 今年の渓流シーズンがはじまったことを教えてくれた。 |
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谷の風景は雪の有る無しで変わってくる。 水の飛沫が岩に貼り付いた滝を切り撮った。 寒々しい風景は水の力強さと美しさが共存している。 |
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連瀑を釣り上がる。 もう少し雪が多ければ雪を踏み固めながら最短ルートを通過できるのだが、雪の量が中途半端で大高巻きを強いられた。高巻いた先は傾斜がある一枚岩の下りが嫌らしくロープの出番となった。 雪があるときに入る谷じゃないと思うのだが、難解ルートを解き明かしながらの遡行は面白い。 |
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最後の難関 谷筋を登り水が染み出す岩場を横切って滝を高巻く 靴底に付いた雪を蹴り飛ばし、足を置いた岩場とのグリップを確かめる。 雪がなければ何でもない場所だが、滑り落ちればただ事では済まないので慎重にならざるを得ない。 |
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禁漁期に甘やかされた身体は終盤に近づくにつれ疲れが増してくる。 雪が降り出し、これで最後と決めた深渕の底に仕掛けを沈めた。 小さなアタリが穂先を曲げたタイミングでアワセを入れる。 竿は大きく弧を描き、アマゴの重みとクネクネした躍動感が伝わってきた。 30.1cm・・・・解禁日に出来過ぎた一尾で、渓流シーズンの良いスタートを切ることができた。 |
写真で語る源流釣り バックナンバー |
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青石谷の青アマゴ | ||||
青石は学術名を緑泥変岩といい、四国を東西に横断する中央構造線の南側は三波川変成帯に分類され堆積した汚や砂が地中で低温高圧に変成された岩石が隆起して地表に露出しています。中央構造線の南に位置する剣山系や石鎚山系を流れ落ちる谷には多くの青石谷が存在しています。 |
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大滝上の美渓 | ||||
急斜面がザレ緊張を強いられた大滝を巻けば優しい流れの美渓が待っている。しばらくは美しい渓相を楽しみながらゆったりと竿を振ることができる。 |
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深山幽谷の源流 | ||||
本流との出合に足を踏み入れれば原生林の渓になります。 人工物は消え深い緑と透明な水の流れが支配的な空間です。 |
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春はアケボノツツジ | ||||
東尾根ルートを考えてみた。 ・車道の回り込みで標高差が100m短い ・遡行距離が短くなる。 ・下道からアプローチし上道からエスケープすれば源流を詰めることができる。 ・尾根には登山ルートが通っている。 |
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最源流の撤退ルート | ||||
尾根の突端を下り連瀑を越え長い渓を最源流まで詰めてきた。 渓通しで撤退するには距離が長いし、最後の登り返しが急斜面でメチャシンドイことになる。渓から標高差が短くなった尾根に乗り最短距離を下り帰還できるルートを開拓した。原生林の揺尾根は自然の奥深さを感じることのできる贅沢な空間です。 |
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巨木の森を流れる渓 | ||||
林道から渓筋に足を踏み入れると周囲の景色は一変する。V字の斜面には巨木が立ち並び渓に被さり深山幽谷の雰囲気が漂っている。 水は大岩が重なり合った間を流れ落ちている。背丈の倍ほどの岩の重なりは正面突破が難しいけど脇に回れば簡単に巻くことができる |
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真夏の源流釣り | ||||
過うだるような下界の暑さを遠ざけるには標高が1000m以上の渓が良い。 更に原生林の渓なら谷筋を覆い被さる巨木が真夏の強い陽射しを遮ってくれるので快適だ。 車止めの温度は15℃前後、少し肌寒ささえ感じられる。周囲が明るくなったのを見計らい、まだ薄暗い林道を歩きはじめた。 |
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新緑の頃 | ||||
先週まで殺風景だった源流の風気が若葉色の明るい色彩に変わった。 南向きの渓を選んだこともあるが一気に春めいてきた感じがする。 |
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魚止めの釣査 | ||||
過去に知る限りの魚止めは既に越えていた。 渓の流れは細くなったけど少しでも深みがあればアマゴが反応してくれる。源流アマゴ求め源流を彷徨う渓師にとって至福の時間はいつまで続くのか?上へ上へと導かれることに何の抵抗も感じなくなった。 |
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原生林の源流を辿る | ||||
新緑が芽吹きが終わり深緑に移り変わろうとする時期の源流が好きだ。 渓へのアプローチを下りはじめると人工物がなくなる。広葉樹と針葉樹が混じり合った多様性のある原生林に辺りを見渡し歩みを止めた。疎らな低木の茂みが原生林の奥深さを物語っている。彼らは巨木が倒れいい光が差し込まない限りこれ以上大きくなれない自然界のルールに従っている。 |
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最源流の終わる場所 | ||||
黄金週間の釣れない釣り 水線を越えた辺りで見切りを付け渓変わりしようと思っていたが9寸を掛けた。「もう少し行ってみるか・・・・」相変わらず釣れないまま源流の二又に差し掛かる。右谷は崩落したガレに埋まり水が流れていない。本筋はガレの積み重なりが消え渓本来の美しさを取り戻しよさげな落ち込みと淵が続いていた。 |