四国の渓流釣り 源流釣り入門

  渓泊まりを考える


四国の渓流釣り

 



 
 長年念願だった渓泊まりに行ってきた。

  初めての渓泊まり (2017/5/20)

 遡行記にも書いたが四国はコンパクトで急峻な渓が多い。
 俺の釣りは魚止めを目指した源流釣り
 車止めから山道を歩き、釣り始めは源流域、渓魚が居なくなる場所まで釣り上がる。
 何度も大滝を高巻いたり、岩場をヘツったり、急斜面を這い上がったり、帰り道だって長くなる。 
 源流遡行は荷物が軽い方がヘバらず長い距離を歩けるし、危険な箇所も安全に通過できる。
 源流釣りは1日で完結させることに重点を置き、車止めをベースにした渓泊まりが基本だった。
 どちらかと言えば『釣り』が最優先され『渓泊まり』は附帯的なものだったかも知れない。

 
  計画段階で、テン場を何処に? 真っ先に思い浮かんだのがホームグランドの大滝上だった。
 初めての渓泊まりがホームグランド・・・・いいじゃない。
 しかし、この渓は急峻な渓、長いアプローチの先は岩場の核心部、さらに連爆をやり過ごす
 未体験の荷物を担いで釣り上がるには不向きかもと弱気になる・・・・・
 いつもなら1日の行程を2日掛けるのだからなんとかなるんじゃと自分に言い聞かせた。
 釣りながらテン場を目指す
 アマゴが居そうな全てのポイントに仕掛けを入れるスタイルはいつもと同じ
 ザックを下ろしてまた背負うのが面倒くさいので背負ったまま竿を出す
 「これじゃ体力が持たないわ・・・・」
 中盤に差し掛かり、やっと気が付いた。
 釣るポイントを絞り、ザックを下ろしから竿を出した方が楽だってね。
 釣り道具は最小限に抑え、できるだけコンパクトにパッキングしたつもりだったが
 想像以上にザックが肩に食い込み、遡行ペースは鈍い。
 いくつかある難所をどう乗り切るか?
 最短距離を頭から外せば余裕が生まれ安全なルートが他にあることを知る。

 
 テン場に着いた。
 一人だと、夜を迎える前にやることは沢山ある。
 テントを張って、薪を集めて、夕食の準備、ビールも冷やしておかないと・・・・
 大方の準備を整え、焚き火に火を入れると漆黒に向かおうとしていた薄闇が明るくなった。
 パチパチと焚き火が燃える音と渓の水が流れる音以外何も聞こえない。
 得体の知れない野生動物の鳴き声がしたとしても、それに掻き消されるだろう。
 一晩じゃ燃やしきれないほど大量の薪、もう怖いものなど何もない。
 安心感のある明るさと暖かさ・・・・焚き火には不思議な力があると思う。
 刺し身と焼き枯らし2尾、渓泊まり感が漂うメニュー
 改めてアマゴは旨い魚だと思う。
 山の恵みに感謝を込め『いただく』と云う気持ちが大事だ。
 あとは、ちょっとした鍋とコンビニの惣菜、少々の酒ががあれば一人宴会が成立する。

 怖さは感じないが一人の寂しさはどうしようもない。
 次は誰かを誘おうと思う。
 焚き火の炎を見ながら、沢音を聞き、少しずつ酔っ払って行けば寂しさも紛れてくる。
 酔っ払ってしまえばテントに潜り込み眠るだけ・・・・
 源流の深みに溶け込んで行く感じが堪らなくいい。
 こんな楽しいこと、なんで早くやらなかったのかと反省した。

 
 朝も焚き火の世話になる。
 まだ湿気が残る足まわりを乾かす、どうせ直ぐ水に浸かるのだからどうでもいいことなのだが
 濡れたものが乾いた肌に伝わる感覚は気持ちいいものではない。
 腹ごしらえをしたり、珈琲を啜ったり、テン場を撤収したりゆっくり時間が流れる。

 釣りをするための渓泊まりなのか?
 渓泊まりをするための釣りなのか? 
 もっと源流を楽しもうとしたら後者の方なんだろうね。
 答えを出すのは、もう少し渓泊まりの回数を重ねてからだ。

渓泊まりの装備

・ザック
  渓で1泊するなら50L以上は必要だと云われている。
  俺のザックは45L ギリギリなんとかって感じ

・テント
  まず、シェルターか2気室かに迷う
  重量と収納性から云えば断然シェルターが有利なのは揺るがない
  しかし、渓沿いは湿気が多く、結露や雨が降ることを考えれば2気室が妥当だろう
  また、キャンプ場と違いグランドコンデションが悪いのでグランドシートを用意した方が無難
  人数が多くなればタープやブルーシートの下で寝る選択肢もありだと思う
  
・寝具
  重量と収納性・暖かさを兼ね備えるのがダウンシュラフ
  濡れると乾きが遅いため使い物にならないので、遡行中の防水対策が必要 
  寝具の下は地面から冷気の伝導を防ぐために銀マットかエアーマットを用意する

・調理器具
  コンロは軽さと点火の速さにおいてガスバーナーに限る
  専用のボンベだと常に新しいものを用意しないと不安になる
  結果、使い差しのボンベが無駄に増えていく・・・・それに値段も高い
  カセットコンロのボンベを持っていく、残れば家で使えるから合理的
  鍋は1つあれば十分、余裕があれば小さいフライパン用意すると料理のバリエーションが広がる
  焚き火の着火剤にガムテープが少量持っておけば着火で悩まない

・調味料
  醤油・塩・胡椒があれば十分、100均なら少量でコンパクトなものがそろう
  コーヒーやお茶などと一緒にタッパーに収納すれば一々探す手間が省ける

・照明器具
  ヘッドランプで事足りる。小さなLEDの懐中電灯があれば便利
  予備電池は必ず持っていくべし

・釣り道具
  できるだけコンパクトにまとめる

・その他
  サンダル⇒テン場では足を開放してやれば遡行の疲れが和らぐ
  靴下⇒虫避けに厚めの靴下があるといい、また寝るときの寒さは足先から来る
  折りたたみ傘⇒雨の日は重宝する
  酒類⇒飲みたい量と重量のバランスを取る

四国の渓流釣り 初めての渓泊まり
アップロード:2017/5/26
 関連記事:初めての渓泊まり


源流釣り入門 源流アマゴの魅力 源流アマゴの魅力
四国の渓流はアマゴ域、最源流の魚止めには岩魚ではなく源流アマゴが棲む 源流アマゴは厳しい源流の環境によって容姿を変える多様性のある魚自然界で逞しい生命感に溢れる姿を見せてくれる。
 
源流アマゴの魅力に取り憑かれて長い歳月が流れた。魚体の姿・形・色使い、鰭の赤みを帯びた縁取り、特徴であるパーマーク、朱点の色と配置・・・・

源流釣り入門 源流釣りと焚き火 源流釣りと焚き火
焚き火があるだけで心強い。

漆黒の闇に向かう山奥深い源流で奇妙な動物の鳴き声・・・・ 風が吹き揺れる樹々のざわつきや何かが動いたような気配があっても怖くない。物の怪の存在なんて信じていないが、焚き火の傍にいる限り襲ってこないだろうと高をくくる。

源流釣り入門 滝がある風景 滝がある風景
源流を釣り上がっていると多くの滝に出合う。

滝の魅力に取り憑かれた。
直瀑は迫力に圧倒され、斜滝は美しさに目を奪われる。そして滑滝は優しさに気分が落ち着く 滝壺には大物が棲み、苦労して高巻けば桃源郷が待っているかも知れない。 そして、渓師は滝と対峙する。

源流釣り入門 源流の風景 源流の風景
 早期の源流は広葉樹の落葉で明るく空けている。
 標高の高い場所でも陽が当たる向きによっては雪が少ない渓がある。殺風景な世界だが少しずつ春に向かう源流の様子が覗える。
 竿を思いっきり振ることができる快さがいい・・・・

源流釣り入門 渓泊まりを考える 渓泊まりを考える
 長年念願だった渓泊まりに行ってきた。
  初めての渓泊まり
 遡行記にも書いたが四国はコンパクトで急峻な渓が多い。
 俺の釣りは魚止めを目指した源流釣り、車止めから山道を歩き、釣り始めは源流域、渓魚が居なくなる場所まで釣り上がる。
 何度も大滝を高巻いたり、岩場をヘツったり、急斜面を這い上がったり、帰り道だって長くなる・・・・

源流釣り入門 新規開拓は楽しい 新規開拓は楽しい
 釣りのことだけを考えるなら通い慣れた渓の方がいい。時期や天候の多少の差があったとしてもルートを知っていれば迷うことはない。帰り道がハッキリしているなら長く時間釣れるし、ポイントは把握しているから釣果も上がる。

 しかし、通い慣れた渓は物足りなさを感じることがある・・・・

源流釣り入門 稜線から見た源流 稜線から見た源流
ここ数年、渓流釣りのオフシーズンはオフトレと称して四国の山歩きをしている。 頂上からの眺望や長い道のりをピークまで辿り着いた達成感もさることなながら 源流通いの脚力維持と稜線から源流を見ることを主たる目的にしている

源流釣り入門 源流の魅力 源流の魅力
車止めから1時間なんてのはザラ、中には3時間以上歩いてから釣りはじめることもある。
苦行のような遠く厳しい道のりを辿る。
漸く釣りはじめても滝や大淵、ザレ場や大岩が障害物となって行く手を阻む、 そのたびに高巻きやヘツリ・・・・
源流釣りと云いながら釣りをしている時間は大したことはない
なぜ、そんなにしてまで源流を目指すのか?
源流の魅力について考えてみた。

源流釣り入門 源流の魚止めについて 源流釣りの魚止めについて
源流の魚止めというロマンに満ちた場所

では、どんな場所で魚止めになるのか?
考えてみました。

源流釣り入門 源流釣り総括(2014) 原生林の源流釣り総括(2014)
2014年に遡行した原生林の源流釣りを総括しました。

四国を代表する原生林の源流
仁淀川源流・那賀川源流・吉野川源流・物部川源流
太古から続く大自然の営みの中で源流釣りが出来る喜びを感じながらの遡行でした。

源流釣り入門 源流へのアプローチ 源流釣りへのアプローチ
源流は、携帯の電波が届かないと思っていいでしょう。
勿論コンビニはありません。人に逢うことはまれです。
自力で源流を辿り、自力で帰ってくるのが基本になります。

源流は怖く、源流釣りは厳しいものと思われがちですが
しっかり計画を立て、手順を踏めば憧れの源流に立つことが出来るようになります。

源流釣り入門 源流という場所 源流という場所
源流とはどんな場所なのか? 考えてみました。

 落ち葉の堆積や張り廻らされた根で柔らかくフカフカの地面、見たこともない直瀑や限りなく透明な大淵、春真っ盛りの頃なら芽吹きはじめた新芽の眩しさと彩りを添える花々、数百年も前からそこに立っている巨木の力強さ、水の流れに竿を出せば・・・・