四国の渓流釣り
 2007年度 渓流遡行記
2/7 t東予水系
  06愛媛解禁

2/3・2/10 愛媛の谷
  06愛媛解禁T、U

2/11 東予水系
  06愛媛解禁V

2/24 愛媛の谷
  なかなか良い谷だった
3/1 徳島の谷
  祝四国全面解禁釣行
 
3/19 愛媛の谷
  携帯水槽と天然あまご
3/17 那賀川水系
  クネクネ谷
3/27-28 那賀川水系
  四季美谷温泉ツアー
4/8 東予水系
  釣り三昧釣行

4/14 那賀川水系
  ゴルジェの渓

4/28 吉野川水系 穴吹川支流
  リハビリ釣行

5/2 吉野川水系 祖谷川支流
  久しぶりの祖谷川

4/7 四万十川水系 梼原川
  四万十川で本流釣り
5/6 吉野川水系 祖谷川支流
  意外に水量の多い谷
4/28-29 四万十川水系
  岸躑躅の廊下
5/13 吉野川水系 祖谷川支流
  撮影用水槽のお試し
5/19 吉野川水系 祖谷川支流
  緑アマゴの渓

6/9 吉野川支流
  置き竿に尺

6/30 吉野川水系
  久しぶりの渓

5/27 吉野川水系
  渓・流星号発進

8/16 物部川水系
  まさかの赤アマゴ

9/9 吉野川水系
  熊の棲む谷


四国の渓流釣り 渓流釣り遡行記(2007)
    祝四国全面解禁釣行
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徳島の谷

2007/3/1  晴れ

 解禁日は地元嶺北のどこかの谷で祝うのが恒例だったけれど、今年は暖冬で標高の高いA級渓も釣りになりそうだ、徳島県を含めて釣行先を検討する。
 車止めが標高1,000mを越える谷の中で、ここ10年ぐらい前からずっと気になっていたF谷。源流二股手前にある大滝周辺の渓相は素晴らしいものがある、下見の時に確認した重なり合った車の轍から人気のある谷であることは承知していた。
 しかし、一度は入渓してそこそこのアメゴを手にして見たかった、いったいどんなアメゴが棲んでいるのだろうか。

F谷最大の滝

たしか、2年前の台風でF谷へのアクセス道が崩壊して全面通行止の規制がかかっていたはずだ、地元の知り合いに電話してF谷林道は通行できるか聞いてみると、去年の秋から車で通行できるようになっているとのこと・・・。
 もう迷いはない、行くしかない、まる一年手付かずの谷へ行かずにはおれない、天気予報によると朝方冷え込むが日中は気温がぐんぐん上がるらしい、このチャンスを逃す訳にはいかぬ、夜討ちぎみの朝駆けで現地入りとする。
 仮眠の後、まだ薄暗い道を取水堰堤に降りると水量はまずまず、先日の雨で2cmほど増水している、下流側は枯れて全く水が流れていない。

取水堰の下

堆積した川原を歩いて最初のポイントでアタリがなかった、次ぎの大渕で同行者T君が大物を糸切れでバラシたらしい、魚体を見たそうで尺前後あったような素振りだった、そうかやっぱり手付かずだったのだ。
 T君が大渕で粘っている左を高巻くとあの二段の滝が遠くに見えた、手前の浅瀬を釣ってみるがアタリはなかった。

大滝全景 上段の瀑布と釜は見えてない

左横から

右横から

滝に到着すると真中手前に大岩が横たわっている、滝は直漠ぎみで飛沫が少なく釣り易そうだ、水流は扇状に広がって流芯が大岩のエグレへ勢いよく巻き込んでいる、水深は4mといったところか?青く深い。
 
6.2m竿を取り出して5mの長仕掛けを現場作成する。ラインを08にするか迷ったが05の通しにして7.5のハリを7回で括り2Bと5Bを軽く噛んで錘を付けた。
 もう我慢できない、T君の到着を待たずにミミズを刺して大岩の上に立った、落ち込みまで8mぐらいの水平距離がある、一発目を落ち込みへ落とし込むと右へ流れて行った、思ったより流れが早い、今度は落ち込みの右奥へ打ち込んで泡の下へ誘導するとうまく底が取れた、「コンコン」と小さなアタリがあったが向う合わせのハリに乗らなかった・・・「おる・・・大物がおる、今のは小さなアタリだったが大物特有の手ごたえだ・・・小さいが重い
 
今度はミミズの頭から鉢巻へハリを刺してチモトを隠してから同じルートで底を這わす、エグレの手前でラインが止まった、ハリに乗るまで我慢すると向う合わでラインを引ったくって落ち込みへ走った、軽く竿を立ててテンションを徐々に賭けていくと軟い竿が曲がりに曲がったが、この竿は曲がってからが頼りになる。
 
しかし、落ち込みの圧力を受けて重過ぎる、竿を右に倒して抜き出すと今度は右の大岩のエグレへ入り込んでしまった。
 水流を受けているので魚を抜き出すには相当なテンションが必要だ、先ずは魚を弱らすしかない、曲がり切った竿の弾力を信じてジット耐えること10秒でエグレから出て魚が浮いた、一瞬魚体が見えたが再び足元のエグレへ引き込んで行った。
 取り込みは左回りで寄せると大岩の後ろに浅場がある、とにかく魚を浮かさなくては何回もラインを擦ったらこちらの負けである、一気に勝負に出ることにする。
 こういった場合に軟い竿は不利である、ラインが切れるかも知れないが思いっきり竿を立てると水流の圧力を受けながらも魚が浮いた、左向いて誘導すると完全に魚体が浮いて軽くなった。

大滝の尺 30.2cm

地肌の色が緑、パーマークが8個で大きく丸い、朱点は丸く小さい、この谷の在来種に近い魚体だと個人的に思う、これだけの美しいアメゴは珍しい。 

大滝上の渓相、開けた谷にヨダレが出そうな渕が見える

大渕に近付くとかなり大きな丸い渕だった、とうとうヨダレが出てしまった

二股がやけに遠く感じて何度も地図を確認してしまった、「なんぼなんでももうそろそろ二股がないとおかしい」と思いながら高巻きにかかって右支流を発見した、流れが深い溝に隠れていたのだ。

二股から右支流を撮影、正面突破は無理一度上の林道へ巻かないと奥の滝上へは出られそうにない、右側が下流側

二股の7寸源流のアメゴらしくところどころに傷がある

 水量が半分になり魚影も少なくなって普通の落ち込みへ到着、渕全体の底砂利が白く見えている、これは何匹かの元気よいアメゴが泳ぎ回った証拠、期待を込めて二つの落ち込みの間へ打ち込んだ、手前の泡の中で「ガツガツッ」としたアタリがあったので小さく鋭い合わせを入れるとうまくヒットした、浅いので難なく取り込みに成功した。

尺の出た落ち込み

30cm ♂

その後、大物は出ずに到着した大場所、本流竿でないと落ち込みまで届かない

粘って6匹のチビアメゴを釣ったが7寸が出なかった、下流の釣果から考えても大物が出ないのがおかしい。
 早い昼飯を食って左に高巻く途中に古い梯子が掛かっていた、上流は長いV字渓になっており抜けても途中で戻っても時間がかかりそうだ、T君は5時から仕事が入っているのでもうあまり時間がない、運良く右上には林道らしきブロック積みが見えている、「チョット早いけど納竿にしよう」。
 林道を快調に撤退していたが途中で右支流へ崩壊していた、T君が簡単に渡ったので続いて渡ろうとしたが下を見て足がすくんでビビリモード、こんな時はロープを渡すだけで落ち着く、「T君すまんけんどそっちの木へロープを括ってやー」、その後は問題なく撤退ができた。

F谷の奥に控える山


釣果:25匹 
max30.2cm  キープ尺2本 9寸2匹 8寸3匹