渓の雑学
大滝を前にして「越えるか」「撤退するか」を考えることがある。
頭の中は『滝を越えれば桃源郷になるかも知れない!!』が支配する。実際に、滝を越えるとバカ釣れになったり大物が釣れることを何度も経験している。いや、いい思いをしたときの記憶は何時までも残るので、思ったほど回数は少ないのかも知れない。
一度でも越えたことがある滝なら大凡の見当が付くが、はじめて出合う滝なら思考は長くなる。
取り敢えず地図を見る。
- 滝上に釣れそうな場所はあるのか?・・・・ズーッと連爆なら止めた方がいい
- 帰り道は大丈夫か?・・・・登山道や植林マーク、緩い尾根に這い上がれそうな場所を探す
- 巻き方をイメージする・・・・右岸/左岸、それともいくらか戻るのか
現場を確認する。
- ・踏み跡や赤テープ、鉈跡がないか確認する。
- ・滝上の状況を分かる範囲で確認する・・・・滝上の側面が切り立った崖になっていないか?
- ・巻き方をイメージする。
早い時間帯なら行け行けドンドン・・・・渓変わりすることも視野に入れないと、納竿時間が迫っているなら諦める。いや、最後のワンチャンスってこともある。
もう一度、煙草を吹かす時間だけ考えてみる。考えがまとまらなかったり、怖さを覚えたら撤退する方がいいだろう。
直登
滝の直登は気持ち良くて達成感があるが滑落の危険が付きまとう。
ヌメリや三点支持できない場所が出てきて立ち往生したらビビリが入り動けなくなる。
滝を登るより下る方が遙かに難しく、いっそ滝壺に飛び込んだ方がマシかもって思うことがある。
現在は余程の斜滝でない限り直登はしない。
急がば回れ
上の滝 滝壺近くでアタリがあり粘っているとしびれを切らした相棒は滝を巻きはじめた。相棒に早く追いつこうと滝横の狭く急なザレ場に取り付いた。
ザレ場の上は大岩が居座ってた。大岩と壁の隙間をヘツって身体を押し上げれば滝上に出られると踏んだ。蟻地獄のようなザレ場を踏ん張って登り、大岩に手を掛けると大岩が動いたような気がして嫌な感じ、滑り落ちるようにザレ場を下り大岩が転げてきても大丈夫な場所まで逃げた。
結局、相棒と同じルートから高巻く・・・・
「えらい遅かったじゃない、何してたの?」
「いや、チョットね」
『急がば回れ』なのだ。
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