赤テープに騙される

渓の雑学

エスケープルートは広い尾根に出た。
踏み跡は明確ではないが薄らとした道が続いていた。広いバカ尾根はどんな風に尾根が別れるのか分かりづらい・・・・エスケープルートに入る前に地図を確認した。同じ大きさの尾根が左右に分かれるところがあるのは確認済み。本来のルートは左、右は途中でいくつもの尾根に別れてなくなるから「右尾根に足を踏み入れてはいけない」と頭に叩き込んだ。やがて尾根の別れ又付近・・・・左に赤テープが目に入った。その先にも赤テープが一定の間隔で続いている。「ここが別れ又か 左ルートだから間違えないだろう」疑うこともなく赤テープに導かれた。しばらく進むと尾根は細く急斜面になった。地図のイメージとズレを感じながらも赤テープを信じた。それから少し進むと断崖絶壁・・・・赤テープもなくなり、このルートが間違えであることにやっと気が付いた。夕暮れが迫る中、行きに15分、戻りに20分のロスだった。

赤テープの主は、次に来た時に迷わないようとの思いだろうが間違ったことに気づいたら回収しないと俺のように同じルートを通る人が惑わされて道に迷うことになります。地図を持たない人や地図を読めない人だとパニックになるかも知れません。回収する気がないのなら、初めから紛らわしい赤テープなど付けないようにしてください。(別れ又付近の赤テープは回収しておきました。)

赤テープを信じ込むと酷い目に遭うことがあります。日頃から迷う前に地図と周りの地形を確認して、正しいルートファインディングをとれる遡行技術を磨きたいと思います。そうすれば怪しい赤テープに惑わされることはありません。

むやみやたらの赤テープは登山でも問題になっているらしい。
去年、天狗塚に向かい天狗峠を辿っているときに濃い霧に包まれて10m先が見えない状態だった。ルートから外れていないか?不安で仕方なかったが少し進むと目に入る赤テープが見えると安心して前進することができた。西山下山ルート分岐付近の穴が開いた切り株の中に沢山の赤テープが捨てられていた。その時は、「遭難でもしたらどうしてくれるんだ・・・・」と赤テープを撤去した人に対して強い怒りを感じていましたが、少し気になったんでネットを調べてみると捨てられていたのは怪しい赤テープで、目立つところに捨てたのは『警告』の意味があることが分かりました。
もし、あの時の赤テープが紛らわしいものだとしたら「ゾッ」とします。軽い気持ちで赤テープを付けるのは止めるようにお願いします。


赤テープがいけないというわけではありません。正しいルートの赤テープに助けられたことが何度もあります。間違えに気づいたら回収して欲しい・・・・それだけです。
遡行ルートの軌跡をトレースするにはスマホGPSって方法もあります。


 

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