渓の道具箱
源流釣りは明るいうちに車止めまで帰って来るように心がけている。
まぁ、そうなんだけど
納竿前に入れ掛かりになったり、もう少しで魚止めに届きそうだったりしたら
「あと30分納竿を伸ばそうか・・・・」 「もう15分だけ・・・・」 なんてことになるのは釣り人の性だ。
また、予定通り納竿したとしても荒れた帰り道に思っていたより時間を喰うことがある。
西に傾いていく夕陽が山に隠れると空の面積が少ない山中は暗くなるのが早い。
「真っ暗になったらどうしよう・・・・」と不安になるシーンでヘッドランプを持っていれば心強い
しかし、ヘットランプの光はスポット的で見通せる先はせいぜい10m位で昼間とは全く違う、それに足元の確認が疎かになりがちになるので谷沿いのガレ場の道や進路がハッキリしない道なら夜露をしのげる場所を見つけて朝が明けるのを待った方が賢明な判断である。
俺の場合ヘッドランプのお世話になるのは、暗くなる前に車道やしっかりした登山道、何度も通ったことのある慣れた道まで辿り着ける自信があるときだけだと弁えている。

電池セット
滅多に使う機会がないので防水ケースに収納してザックの奥に入れっぱなしの状態・・・・定期的に点灯確認をしておかないといざという時に使えないのではシャレにならない。
ヘッドランプ
電池式のヘッドランプを使っている。
電池はアルカリ電池一択、ニッケル水素は自然放電が早く、いざと云うときに使い物にならない。
オーム電機 LC-H3LED-K
単4電池3本 20ルーメン 連続使用時間40h 防水(IPX4) 3点式ヘッドバンド
明るさの切り替えはないけどトグルスイッチで回路を遮断するシンプル イズ ベストのヘッドランプだと思う。
予備ライト
以前、ヘッドランプが暗くなって電池を交換しようと電源を切ったら真っ暗で電池の+・ー方向が分からず、ライターの火を翳しながら苦労して交換したので予備ライトを持つことにした。
長年、小型懐中電灯を使ってたけど今年バージョンアップした。
SoomloomキャンプランタンLumina5000
有名メーカのパクり中華製品だと思うが安くてチャンと使えるなら問題なしだ。(世間の評判は悪くない)
点灯モード多数、無段階調光と多機能 極めつけは5000mAのモバイルバッテリー機能までついている。
また、渓泊まりやキャンプ釣行のテント内ランタンとして使える。

槍戸川 にくぶち谷
2本目の右支流を過ぎた辺りから雨が降りはじめた。
ますます、魚の活性が上がり入れ掛かり状態になったので気にせず釣り上がっていったが、しばらくすると渓が暗くなり雷鳴が近づいてくる感じ・・・・そのうち、バケツをひっくり返したような激しい土砂降りになり水位が上がり濁りが混じってきた。
これは『やばい』と思い直ぐ納竿、 直ぐ横に林道が通っていることはわかっていたので30m程斜面を登ると林道にぶつかり帰り道を確保した。
しかし、朝本流を渡った時、股下まで浸かったことを思い出した。
林道を辿って本流まで戻っても本流が増水で渡れなくて『停滞』なんてことになるのは避けたい 。
林道を登りスーパー林道から帰ることにした。
車止めまで16、7kmくらいだろうか?概ね下りだから1時間に4km歩けるとして休憩も必要、5時間もあれば帰れるだろうと皮算用したが、標高差100mの登りが2回あったのとGPSが記録した距離が20kmに近かったのは計算外だった。結局、車止めに着いたのが9時前。。。。。。
暗くなるまでに舗装しているところまで出れば何とかなると思っていたが、車道は新月で真っ暗、霧が立ちこむ中、時折遠くで稲光が光る・・・・心細く泣きそうになりながらヘッドランプを頼りに7時間歩き続けた。
渓流釣り遡行記2012の記事
⇒『遠巻きのエスケープ』
この頃のヘッドランプは豆球式だったように思う。
ライトは暗いし点灯時間も短かった、それに電球が切れることがあるので予備電池の他に予備電球も必要だった。
ヘッドランプが電球からLEDへの置き換わりは、源流釣りを含むアウトドアシーンに於いて行動範囲を大きく広げるイノベーションだったと思う。

オフトレ山歩き 峨蔵山塊縦走
オフトレ山歩きのシーズンは10月・11月なので日照時間が短い。
オフトレ山歩きのシーズンは10月・11月なので日照時間が短い。
縦走を好んで山に行く時期があった。
写真を撮りながらなので歩くペースは速くない、20kmを越えるようなロング縦走になればヘッドランプが必需品のようになっていた。
二ツ岳-エビラ山-権現山の峨蔵山塊縦走
権現山山頂が16時、時間を気にするのであれば、途中の電力鉄塔点検道を下るのが最善だと思っていたが、縦走に拘り権現越まで下ってきた。
たぶん、権現越はここだと思うのだが「東赤石-権現山」の指標はあっても「床鍋」の指標がない。ガスで見えづらい中、枯れた草原に細い道を確信が持てないまま歩きはじめた。
濡れた地面に足跡、逆に縦走していた若者は権現越から歩いてきたと云っていた。たぶん、彼のものだ・・・・『この道で間違いない』と確信に変わる。
ガレが重なった細い川みたいな登山道・・・・何度も釣り帰りに通った床鍋登山道とはイメージが全く違う。
やがて、谷を渡る。渡った先に赤テープ・・・・合っている。
だんだん暗くなってきたのでヘッドランプを取り出した。
100mほど歩くと岩場に突き当たり先に進めない・・・・下に回り込んで岩場を渡っているような気がするがヘッドランプではその先が見えない。
悪循環に入り込むような真似だけはしたくなかったので岩場を渡るのは自重した。
最後に赤テープを見た谷を渡りきった場所と道が途切れた岩場の間を何度もウロウロするだけで時間だけが過ぎて行き真っ暗になった。岩場を前に座り込み煙草に火を付けて状況を整理しみる。
- なんで赤テープがないのか?横道を見逃した場所は何処なのか?
- ビーバーク 非常食も残っているし水場もあるが雨が心配だ。
- 電力の鉄塔点検道まで戻る 登り返しが250mくらいかなぁ?
1時間のロスになってしまうが、まだ歩ける元気は残っている。
GPSの軌跡を確認してみると登山道のライン上を刻んでいる。
チョット前から気になっていた宙に浮いた黒い物体は何なんだ・・・・「朽ちた橋だぁ! 道は合っている」
岩場を下に回り込んみ滑り易い岩場をやり過ごした先は、幾分歩き安い道に変わった。
もう暗くなってしまっているので焦る必要はない。
もう暗くなってしまっているので焦る必要はない。
滑落と転倒に気を付けて、ゆっくり確実に歩けばいいだけだ。
反省だらけの縦走だったが、このサバイバル縦走は自信の遡行技量が試されているようでムチャクチャ楽しかった。
四国の山歩きの記事
⇒『二ッ岳-権現山 縦走』

ナイトハイク
近頃、山頂の朝焼けや夕焼けの写真が撮りたくてナイトハイクでヘッドランプのお世話になっている。
石鎚山や剣山のようにハッキリした登山道なら全く問題ないのだが、三嶺の幅広尾根についた登山道は何度もルートを外すことがあった。
登山道は概ね尾根に付いているのでルートを外しても直ぐに復帰できるから大事に至らなかったが、昼間でも道迷いで遭難する登山者がいることを考えればヘッドランプを使っての山歩きは慎重なルート取りと正確な判断を出し続ける必要がある。
四国の山歩きの記事
⇒『三嶺の夕焼け撮影』
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