那賀川水系 2020/8/5 晴れ
6時前に車止めに着いた。
座り込んで入渓の準備をしていると奴がタイヤの周りを飛行しだした。
ソロソロ奴の季節、仲間の加勢を待っているのかと思っていたが集まりが悪い・・・・長距離遡行で暖まったタイヤにしか興味を示さずその後纏わりつかれることはなかった。
愛媛の渓では7月の初めから出始めた噂を聞いていたので身構えて釣行に臨んで来たのに少々拍子抜けの感はあるがピークはお盆前後なのでまだ油断は出来ない。
なんとなく入りにくい渓
いきなり高巻くと谷幅が狭まった両岸を岩壁に囲まれた暗い渓に先行きが不安になる。次にこの谷最大の大滝が待っている。
右は垂直の壁、左は急なザレ場・・・・大滝横に取り付けばスルスルっと登れるが微妙にハングしている壁につま先が置けるだけの足場としっかりとしたホールド、下を見ればビビりそうな高さと角度なので今更下るのは怖い。
意を決して体を持ち上げれば意外と簡単に高巻ける。
次は狭い谷を塞ぐ様に設置された高エンテ、高巻きルートはザレた斜面を崩しながら20m登るとエンテ工事の時に付けられたと思われる細い踏み跡から不安定な急斜面のザレ場をパスできる。
現在はルートを知っていればこそ無難に突破できるが最初来たときは帰りのことを考えて何度も引き返そうと思ったのを覚えている。
最初の大滝まではソコソコ釣り人が入るようなのでチビアマゴしか釣れないが今日はチビの反応もイマイチなので難しい釣りになりそうな予感が漂っていた。
大滝手前の淵で9寸
渕尻で6寸を掛けた後、落ち込みのタルミに仕掛けを入れ白泡が切れた所まで流れた所でアタリ・・・・イメージ通りの理想的なアマゴの出方だった。
ここに9寸が居るなら上流部に釣り人が入っていない可能性が高くなった。
時々、見事な滝が現れるが巻きは明確で楽なルートがある。
足回りはウェットのスパッツ、涼感たっぷりの遡行だが谷筋を離れる高巻きは短くても汗が噴き出してくる。
渓に戻れば水の中に入りクールダウン・・・・水の中に入るのが気持ちいい真夏の源流釣行
写真の滝は7寸が2尾、もっと大物が居ても不思議ではないのだが・・・・
谷の真ん中に大岩が鎮座している風景を何度も見かけ、さっき通った場所をまた通っているんじゃないかという錯覚にとらわれる。
何処から転がってきたのか?谷床と大岩の間には広いスペースがありアマゴが居着くのに理想的な場所を作っている。
落ち込みからの流れを大岩に沿わせてやると8寸が飛び出してきた。
水量が少ない支流の魚止めにやっぱり居た。
右のエグレに仕掛けが引き込まれ強い引き、ワンタッチオープンの玉網が開かず手間取っている間に狭い淵を縦横無尽に走られた。
もしかしたら尺あるかと目測したものだから少々焦ったが尺には5㎜足りない泣く尺だった。
二又を過ぎると1枚岩の谷床に代わり渓相が良くなった。
久しぶりの釣りなので仕掛けを枝に絡ませたり合わせ損なったりモタモタしている割には結構釣れる。
源流釣りは腕の善し悪しに関係なくアマゴの機嫌次第だというのがよく分かる。
尺伝説(大物記録)へ
この谷は天然林だ。
地形図に広葉樹マークが記入されているので間違いはないと思うのだが巨木が少ないのはどうしてなのか? かと云って雑林ではなく樹の間隔が広いので原生林の要素は満たしている。
オフトレで歩いた稜線には見事なブナが下に向かい続いていたのを覚えている。
渓の中には朽ちたパイロットワイヤーが残っていたので主要な樹だけ切って放置したのかも知れない。
だとしたら植林を植えなかったのは何故なのか?疑問は残る。
餌箱のベルトを止めているフックが外れてしまった。
以前から嵌合がバカになっていたのを接着剤で貼り付けて使っていたのだが接着剤が剥がれ片側がブラーンとなった状態でモチベーションが下がりぱなし『尺も釣ったし帰ろうか・・・・』なんだけど9寸クラスが連続で掛かるものだから止めるわけにはいかない。
餌箱を閉めるときに蓋でベルトを挟んで保持できるようにして釣りを続けた。
源流部ではパーマークのラインが滲んだアマゴが何尾か釣れた。
婚姻色が出始めているのか?種類の違うアマゴなのか?理由はハッキリしない。
真夏の日差しが届いたり届かなかったり、渓の気温は20℃は越えていると思うのだが真夏日の下界とは別世界の快適さ、なにより奴が居ない真夏の源流は最高だった。
帰り道、薄い踏み跡が目に入った。
今後のこともあるので渓から離れるとナイスなタイミングで雨が降ってきてクールダウン。雨に濡れるのも気持ちいいと思っていると雷混じりで本格的に降り出した。
合羽を出そうと立ち止まったら雨が弱くなったのでそのまま帰り道を急いだ。
コメント