桜吹雪舞う渓を釣る

渓流釣り遡行記2018
那賀川水系  2018/4/22 晴れ
対岸から見た渓は山桜と若葉が淡い色彩が山肌を埋めている。濃い緑の植林が全くないところを見ると自然林の渓であることが分かる。自然林の渓なのに砂防エンテが幾つか存在するのは何故なのか?崩れた場所は少ない・・・・渓を辿ると大木がないことに気付く、過去に大伐採があったのか?
伐採後、土砂の流入を恐れて砂防エンテを作る・・・・自作自演じゃないか。せめてもの救いは植林を植えなかったこと、数百年の歳月をかけ原生林に戻っているだろう。その頃は山林を破壊するような時代じゃないことを願います。
狭い谷を垂直に立ち上がった無機質なコンクリートの壁を越えるのは厄介で邪魔くさい。工事用に作られた道を見ることもあるが、所詮仮設の道 年月の風化によって消えてしまう。斜面の緩そうな場所まで引き返し際どい高巻きを強いられるが滝を高巻くような満足感はない。
砂防エンテの向こうに淵があったなんて話は聞かない。1年もしないうちに土砂に埋まってしまうのだろう、
高い予算をかけ大規模な工事をしても1年経てば役立たずの代物なのにズーッと残り続ける。治山事業って、この国はこんな愚策を何時まで続けていくのだろうか。邪魔で自然破壊の象徴、見た目も悪い砂防エンテ、それでも竿を出してしまう自分の釣りって何なんだろう・・・・
砂防エンテと砂防エンテの間には上の写真のような雰囲気のある滝が残っている。砂防エンテができる前は素晴らしい渓相が続いていたことが覗える。どうせ釣るなら、こんな場所がいいに決まっている。


山桜が多い山だ。
下界の桜のように集合した豪華さはないがそこら中にピンクの花を付けてた山桜が点在する。もうピークを過ぎたのか、少し風が吹いただけでも花びらが宙に舞う。
桜吹雪の中を竿を出してあまごを追う。こんな俺でも絵になるような風景、なんとも贅沢な釣りで得した気分だ。


二又から、先に水線の書かれた支流を釣り上がる。
水量は少ないがチョットした溜まりがあればアマゴがいるかも知れない。例えば上の写真のような場所、小さな落ち込みと右のエグレ、外敵から身を守りながら捕食できる。深みがあるから渇水になっても水が涸れる心配はないだろう。

アマゴ8寸(25cm)
やっぱりアマゴが居た。背中の傷は厳しい環境に棲む源流アマゴを物語っている。

ドンドン釣り上がる、滝・滝・滝を越える・・・・水は急坂を滑り落ちるだけで壺を持たない滝、アマゴが居付く場所が見当たらない。ソロソロ魚止めの釣査を諦めようと思い地図を確認した。
 等高線が狭い地形を越えれば緩い地形になり淵が現れるかも知れない。もしかしたらアマゴが居るかも知れない・・・桃源郷かも それに、帰り道に使おうと思っていた尾根筋が近くなる。辿って来た渓筋はヌルっとした藻で滑り滑落の危険があるので引き返したくない。

渓は緩くなり淵も現れた。しかしアマゴの棲める水量じゃなくなった。入り口で釣れた8寸と水線の長さでここまで来てしまったが、チョット深入りし過ぎた。まだ、地図上の水線は先に延びている、どう考えても過大表現の水線だ。この程度の支流なら出合から太線1つ分の水線で十分やわ・・・・・無くてもいい
尾根筋まで標高差50m位なのに、とても登り切れる傾斜じゃない。斜め上に進路を取りながら、次第に尾根筋が低くなるのを待つ作戦をとった。しばらくすると尾根道と出合い、スンナリ二又の付け根に続いていた。


ゴルジェの連爆を覗き込んだ。
最初の淵は水の浸食で深く抉られいた、水流が激しいのかアマゴの気配はなかった。この上に10mクラスの滝が3つ・・・・とても竿を出せるような場所じゃなかった。


アマゴ9寸(27.5cm)
久々の9寸、まぁ走り回ってメチャクチャ楽しかった。この辺りは渓が緩くなり幾分釣り安くなる。山桜や山ツツジ、若葉が芽吹いて最源流にも春らしい風景が広がっていた。


渓を跨いだ大木が渓を塞ぎ小さな滝となる。岩から落ちる水の流れとは違った柔らかい美しさを印象付ける。源流の奥深さと自然の造形が進行している様子が覗える大好きな風景だ。
アマゴ9寸(29.0cm)
水面に浮かび上がった姿は尺かと思ったが1cm足りない泣き尺、前回は完全な尺越えを目の前で落としたし・・・・トホホである。尺に見放されているような感じがする最近の釣行、たかが30cm・・・・この境界の差は大きい。でも、このサイズが釣れれば、概ね満足なんだけどね。


奥に入るほどサイズが良くなってきた。
支流の釣査に時間を取られてタイムアウト、いつものゴーロで納竿になってしまった。本流は、まだまだ水量があるからアマゴは居ると思っている。いつか、本流もチャンと魚止め釣査しなければけない・・・・


遡行データ
釣果:
46尾 最大29cm キープ1 遡行距離7.7km 標高差300m 

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