巨岩の渓に苦労する

渓流釣り遡行記2018
那賀川水系  2018/4/4 晴れ
20年以上前に入った渓、どんな渓相だったのか覚えていない。
釣果記録には7寸までが数尾、大した釣果ではなかったようだ。久しぶりの遡行なのでこの辺りの水系に詳しい釣友から情報収集
何となく、当時の断片的な状況を思い出してきた。

山道を1時間強歩いた、最初の尾根は急斜面だったが後は緩やかな杣道が続いていた。渓に向かい張りだし緩くなった尾根を下った。そこだけ植林が植えられているのは不思議、水線切れからすれば、かなり上流の場所から入ったつもりだったが渓幅が広く大場所が多い。
まぁ、それは良いにしても巨岩が渓を埋め遡行を阻む
「こんな渓だったっけ」
所々渓が狭まった短いゴルジェが現れ嫌な感じ、通過できる場所を探って、右に行ったり左に行ったり巨岩の間を潜ったり・・・・身体全体で突っ張りながら、クラックに足を掛け岩を両手で抱え込んでよじ登る腕力勝負
それでもダメなら斜面を遠巻きに這い上がる。その度に竿を畳んでまた伸ばして時間が掛かるったらありゃしない。
どうも巨岩のゴーロ帯は苦手である。


丸みがある大岩を水が滑り落ちる滝、立体的に飛び散り広がる水の様が面白い。垂直に落下する直瀑も見応えがあってカッコイイが、壁面に沿って落ちる斜滝は優しくて美しい。

釣れるアマゴのサイズは7寸クラスが多い。
渓の規模からすれば、もう少し大きいのを期待してしまうが飽きない適度に針掛かりするので釣りとしては楽しい。 


この滝の高巻きがリスキーだった。
初め左斜面のザレ場に取り付いた。あともう少しで手が木に届く所まで登ったがザレが崩れ下地の壁面が現れ足掛かりがなくなった。木に飛びつくって荒技を考えてみたが下の高さを見るとその勇気は消え失せた。
右斜面は下流まで戻っての大迂回・・・・ふと、滝壁の端を見ると木の根っ子が幾つも剥き出しになっていた。滝壁を斜めに取り付いて木の根っ子を握れば登り切れるイメージができた。
思ったよりハング気味で身体を押し上げるには腕力が必要
「大丈夫か?この根っ子」
しかし、足元が見えず後には引き返せない状況・・・・下は見たくない!!なんとか登り切って滝を見ると左の滝壁をすり抜けると簡単に高巻けるじゃないの
喉カラカラの怖い思いをして損しちまった。


支流に入る。
大滝を越えるとゆったりとした流れ、巨岩を越える遡行から解放された。天然林の斜面、深緑の頃になれば岩の苔とマッチしたいい雰囲気の渓なんだろう。
 

アマゴ8寸(26cm)
いいアマゴが出た、このサイズになると雄は凜々しくてカッコ良くなる。写真の撮り方としては斜め構図で顔をアップにするのが最近のお気に入り、逆に尾鰭をアップにしてみるのも新鮮な感じで面白い写真になる。
折角、いいアマゴに出逢えたのだからいい写真に残してやりたいと常々思っている。


浅い流れにアマゴが浮いていた。
少し先に餌を入れるとゆっくり近付いてパクリと咥えた。餌が消えた瞬間にアワセを入れたらいいから、見釣りは確実で面白い。
アマゴ9寸(28cm)
これもカッコいいアマゴ、パーマーク8つは魚体配置のバランスがいい。本流は水量があって深みがある大場所で大物の可能性が十分あったのに7寸止まり、 水量の少ない支流で8寸と9寸・・・・これだから支流釣査は止められませんわ。


ソロソロ帰りの時間が気になってきた。
エスケープ道は本流に近付くので本流に戻っていると二人のフライマンに逢った。こんな源流の奥地で人に逢うのは滅多にあることじゃない。
ちょっと立ち話
俺の後を釣り上がってきたのか?
それは、ちょっと申し訳ないな。

本流は相変わらず積み重なった巨岩が立ちはだかる。

本流で漸く8寸(24cm)
この渓のアマゴは尾鰭が長くて大きいのが特徴、泳ぎが得意そうだ・・・・当たり前か?


時間が足りなくなって二又の少し上で納竿
魚止めはまだまだ先、中途半端な遡行になってしまった。巨岩を越えるのに手間取り時間を喰われ苦労したのが原因だった。身体中の筋肉がパンパンや

帰りの林道は、もう何年かしたらなくなるんじゃないかと思うぐらい荒れていた。渓底までザレた場所にはロープが掛けられていたが細くて頼りない。
「こんな恐ろしい場所を渡るのか?」
高巻きしようにもザレ初めは遙か上、ロープはあくまでも補助、足切りをしながら慎重な足運びが求められた。


遡行データ
釣果:41
尾 最大28cm キープ0 遡行距離10.4km 標高差360m

 
 
 

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