四国には8本の一級河川がある。
吉野川・那賀川
物部川・四万十川
仁淀川・肱川
重信川・土器川
源流釣りの釣り場所を考える時、一級河川の源流は選択肢として間違っていない。
- 規模の大きい源流域は、大淵や魅力的な滝が数多く存在する。
- また、支流も多く、釣り場の選択肢が増える。
- 源流碑があれば林道や登山道が整備され入渓や帰り道が楽になる。
- 一級河川が流れ出しているような源流域は深い原生林が残り渓谷美が素晴らしい。
ひとつ難点があるとしたら人気がある場所故、入渓する釣り人が多いので人里離れた奥地に入り込んだ場所なのに渓魚がスレて針掛かりするのが難しいことがある。
なお、吉野川源流については、『吉野川源流の旅』で解説しています。
四国 一級河川データ | |||||
水系名 | 本川延長 | 流域面積 | 流域人口 | 支流数 | 年平均流量 |
吉野川 | 194km | 3,750㎢ | 64,1000人 | 356 | 107.67㎥/s |
那賀川 | 125km | 874㎢ | 59,000人 | 75 | 62.88㎥/s |
土器川 | 33km | 140㎢ | 35,000人 | 11 | 1.83㎥/s |
重信川 | 36km | 445㎢ | 233,000人 | 75 | 2.24㎥/s |
肱川 | 103km | 1,210㎢ | 112,000人 | 475 | 37.61㎥/s |
物部川 | 71km | 508㎢ | 40,000人 | 35 | 30.78㎥/s |
仁淀川 | 124km | 1,560㎢ | 105,000人 | 166 | 100.07㎥/s |
四万十川 | 196km | 2,270㎢ | 100,000人 | 319 | 121.02㎥ |
那賀川
那賀川源流は旧木頭村 高の瀬峡の最上流、次郎笈から最初の一滴が流れ出す。源流碑が剣山トンネル西出口付近の広場にある。
源流釣り的には長安口貯水池に北から流れ込む坂州木頭川の存在を忘れてはいけない。最上流の槍戸川は四国2位の標高を持つ剣山を冠とし、東は一ノ森、西は次郎笈の水を集めている。剣山国定公園に守られた原生林は素晴らしい。
また、木頭西宇の南から流れ込む西又山を冠とする南川源流は那賀川本谷・坂州木頭川の急峻な渓とは異なりゆったりとした流れに竿を出すことができる。
那賀川の最源流
物部川
物部川は別府渓谷の最上流、高ノ瀬から西に延びる稜線が二つに分かれ白髪山と中東山に挟まれたジルサワ谷が最源流となる。渓沿いに車道が付いているが鎖が掛かり通行止めとなっている。また、最近のゲリラ豪雨の影響なのか支流の土石が流入し本谷も荒れているが最源流の原生林は素晴らしい。
永瀬ダムに北から流れ込む上韮生川は三嶺を冠とし白髪山・綱附森に挟まれた西熊渓谷のジル沢が最源流になる。三嶺西稜線の大崩落により雨が降ればしばらく濁りが取れない悲惨な状態だったが徐々に落ち着きを取り戻しているものの昔の素晴らしい西熊渓谷を知っているだけに回復傾向は道半ばだろうか?
ジルサワ谷の最源流
四万十川
四万十川は不入山を冠とした津野町 船戸の上流が最源流となる。不入山登山道の途中に源流碑が立っているけど植林の中から水が湧き出しているのが気に入らない。それなら梼原川から分かれた北川の最源流とした方が・・・・登山道を北に回り込んだ原生林の下で水が流れるいい音がしていた。不入山より標高の高い天狗高原を冠とした梼原川源流が源流らしい気がする。
四万十川の一級河川源流釣査は不入山の西斜面を流れ落ちる不入渓谷を釣り上がった。渓は緩くほぼ高巻きがない楽な渓である。岩魚とアマゴが混生し魚止め近くは岩魚の勢力が濃くなった。
不入渓谷の最源流
仁淀川
仁淀川の最源流は石鎚山を冠とした面河本谷になる。御来光の滝上にも水線が続いているがアマゴは棲んでいるのだろうか?ライフワークとして確認しておきたいと思っているが番匠谷の出合から御来光の滝まで釣り上がり戻ってくるのが精一杯なのは否めない。
柳井川で分かれる黒川や日高村で分かれる上八川川は大きな支流なので雰囲気のいい源流が存在している。
面河本谷 御来光の滝
肱川
肱川の最源流は宇和町久保の標高400m付近になる。源流と河口の直線距離は18kmしかないが大きく反時計回りに迂回し103kmかけて伊予灘に流れ込んでいる。標高差が少ないのと支流数が多いので大雨が降れば水が捌けず大きな水害が発生する原因になっている。
源流釣り的には最源流の標高が400mと云うのは魅力に欠ける。天狗高原西端に位置し標高1000m以上の大野ヶ原辺りの山塊から流れ込む船戸川源流が源流釣りのできる渓と思っていいだろう。
肱川の一級河川源流釣査は船戸川源流を釣り上がった。渓の印象として比較的緩やかな渓ですが水線切れ付近は原生林の渓隣雰囲気が良くなる。
船戸川の最源流
重信川
重信川の最源流は高縄山系 東三方ヶ森東斜面の標高1000mの二又になる。この山塊は花崗岩でできているため雨の浸食で谷筋が切れ込み複雑な地形になっている。
重信川の一級河川源流釣査は最源流西隣の阿歌古渓谷を釣り上がることにした。阿歌古渓・・・・雅な感じがする地名だ、『雅さ』は源流釣りに必要ではないけど妙に惹きつけられる渓名は存在する。地名の後に『渓谷』って付いていれば何となく釣れそうなイメージを抱くのは俺だけだろうか?
地形図では結構奥まで車道が付いているがヘヤピンが連続する辺りで落石で車道が荒れ通行止めになる。釣り初めは砂利と崩落によって流れて来た岩で埋まり渓谷とはほど遠い、標高が高くなると等高線の間隔が広い割に滝が多くなり渓相は良くなる。両岸の等高線が狭まり岩盤地質なので高巻きに苦労するようになる。
アマゴは渓相が良くなると魚影が薄くなり水線切れ手前で納竿した。渓の状態から云ってアマゴはまだ居ると思われるがエスケープルートが乏しいため攻略が難しい、稜線まで詰めて登山道を利用し帰ってくる覚悟が必要だろう。
阿歌古渓谷の納竿点
土器川
土器川の最源流は、まんのう町明神で南に分かれた真鈴川源流で徳島との県境近くに源流碑がある。何故この場所が土器川の源流なのか?明神の東から流れ込む明神川の方が延長が長く香川の最高峰である竜王山を源としている。政治的な決着があったとしても納得できるものではない。
内面漁協はないが公団体によるアマゴ放流が長い期間行われていたのでアマゴが棲んでいる。しかし、源流指向の釣りをするには物足らないので家から近いにも関わらず20年以上足を運んでいない。
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