ルート開拓⑪ 連爆越の最源流

源流釣りルート開拓
源流釣り入門
  源流釣りルート開拓

周辺の水系は厳しい渓が多いが、この渓の奥も例外に漏れない。等高線が混み合った先に緩くなった最源流、どんな地形なのか?どんなアマゴが棲んで居るのか?地図を見るだけで興味は尽きない。

大滝を2つ越えると渓は広くて緩くなる。沢山の落ち込みが存在しポイントが絞り安くなるが釣果は安定しない。この辺りまでなら明確な林道が付き、ある程度の釣り人が入渓してことは想像できる。

突然、長い区間水量がなくなる・・・・ピークまで1000m近くの標高差がある。

「こんなところで水がなくなる筈はない」

水のない滝を高巻いたり、水のないゴーロをよじ登ったり、一体どんな伏流をしているのか?遡行を続けると水量が復活しアマゴが釣れはじめる。やがて釣り人を拒むかのような核心部、ロープと高い遡行技術が求められる。

ロープがなければ滝淵に立てない。

ヤバそうな大滝、時間の都合でパスする。

核心部をやり過ごすと再び水量がなくなる。今度は支流の斜面が大崩れ大岩が流れ込み渓を埋め尽くしその下を水が流れている。再び水量が復活、源流らしい風景、危険な遡行を強いられることもなくやっとひと息入れられる。

楽に釣れる区間は長く続かず連瀑が立ちはだかる。見上げるような連爆、平らな場所は滝淵しかない・・・・あまりのキツさに左の急斜面に取り付いた。

左の尾根なら高巻きに失敗しても帰り道があるかも知れないと思ったからだ。際どい高巻きになったが漸く樹木がある渓尾根まで這い上がった。樹木に掴まりながらの大高巻き、滑落する心配はなくなったが樹木の根元に足を掛け腕力で身体を押し上げる遡行、腕力と体力の消耗は半端なかった。連爆を高巻くと3、40m下に最源流の流れが見えだした。

地形図から想像した通りの流れ・・・・タイムリミットが迫る中、渓に下るべきか引き返すべきか迷ったが、どんなアマゴが棲んで居るのか?その興味を抑えることはできず納竿の時間を決め急斜面を下りはじめた。

2回目の遡行は3年後、連爆の高巻きルートを左に取った。時間を掛け相棒と力を合わせれば全ての滝壺に竿を出すことができた。しかし、壁面に囲まれた最後の滝壺から最源流に抜けるルートは厄介だった。7mの滝、狭い窓から最源流の取り付きが見えているのに届かない。

右にルートを取り少し緩くなった尾根筋のピークから最源流に下る作戦、風雨でよく磨かれた垂直の壁面と密集した灌木の境界をカニ歩き、・・・・灌木の枝を握りしめていなければ奈落の底に吸い込まれそうでメチャクチャ怖い、上に登る糸口が見つからずカニ歩きを続けたが「もう、こんな怖い場所は嫌だ」と灌木の密集に分け入った。

滝の落ち込みには重なり合った大岩と深みがある。

連爆途中の釜

狭い窓から最源流が見えているのに届かない

『これぞ、最源流』 想像した通りの素晴らしい場所だった。連爆の続きはヨダレが出るような良淵が点在し、その後岩が重なり合った下に落ち込みが続く。下流から釣り上がると時間が足りなくなり魚止めを確認するには至らなかったが、上流の二又まではアマゴが棲んでいるものと思われる。

帰りは初めて来た時に下った急斜面を登り尾根筋に取り付いた。尾根は緩くなったところで二つに別れるので注意していないと核心部に舞い戻ってしまう。夕闇が迫る中、核心部に迷い込むのだけはゴメンだ。

最源流らしい良淵

 最源流

最源流には在来種を感じさせられるアマゴが棲んで居た。しかし、2回目の釣行はこの水系でみたこともないオレンジの朱点があるアマゴが殆どだった。漁協が稚魚放流できる場所ではない・・・・だとしたら個人的な卵放流の可能性が大きい。

そこにどんなアマゴが棲んで居るのか?ロクに調べもしないで卵放流に至る。どんな魚でも、沢山釣れればいいと云う釣り人のエゴなのか?連爆もオレンジの朱点があるアマゴが釣れた、今後下流に向かい広がりを見せるだろう。

また一つ四国から在来種の可能性を残す渓が消えてしまったことが残念でならなかった。

相棒が掛けた在来種を感じさせられるアマゴ

3年後、オレンジの朱点があるアマゴに変わった

 

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