早期の谷選びについて

渓の雑学
渓の雑学  
また、寒波が来ている。
朝起きると家の前は5cm以上の積雪があって前寒波のときより雪の量は多かった。
湿った雪だったので陽が当たれば融けると思っていたが、山は白いままだ。
前回の釣行のこともあって釣りに行くのを自嘲していたが、釣りに行けるのはもう少し長くなりそうだ。
2月、3月の渓流は雪のため釣行先を決めるのが難しい。
早期の谷選びをどうすればいいのか?経験と思い付くことを地形と天気で整理してみた。
地形
北斜面の谷より南斜面の谷
この時期、太陽の位置は北に傾いているので北斜面の方が陽当たりがよさそうなのだが、寒気は北から入ってくるので気温が上がらず、弱い陽射しでは雪を融かすには至らない。南斜面は寒気を北斜面で防ぎ気温の低下や雪の量が北斜面より少ないのだろうと思う。
東斜面の谷より西斜面の谷
太陽は東から昇り西に沈む、東斜面は日中の気温が上がらないうちに影になる。逆に西斜面は日中の気温が上がってから日が当たり出すので雪が溶けやすい。
渓幅が狭い谷より広い谷
陽当たりが関係する。谷筋に樹木が被さっている谷は春先でも雪が消えないことがある。
針葉樹の谷より広葉樹の谷
広葉樹は落葉しているので陽当たりが良い。しかし、広葉樹林は植林の針葉樹林より標高が高い場所にあることが多いので標高を考慮する必要がある。
標高の高い谷より標高の低い谷
気温は100mで0.6℃下がると云われている。
 
こうやって書いてきたが谷は一つの方向に伸びているのではなく、蛇行したり急に方向を変えたり渓幅は逐次変化し標高はだんだん高くなるので、個々に谷の傾向を見定めて谷選びしなければならない。

天気
 
天気図の基本知識
  • 同じ気圧を線でつなげた等圧線の間隔は4hpaごと
  • 『高』高気圧は周囲より気圧が高い場所、『低』低気圧は周囲より気圧が低い場所
  • 高気圧は下降気流で風が時計回りに集め吹き出す
  • 低気圧は上昇気流で風を反時計回りに集め吹き上る。
  • 高気圧に覆われると天気が良い。
  • 低気圧は地表付近の空気を集め上昇気流を起こすため、空気中の水分が冷え上空で雲を作り雨を降らせるので天気が悪くなる。
  • 風は高気圧から低気圧に向かって吹く
  • 等圧線が狭くなれば風が強くなる
  • 前線は暖かい空気と冷たい空気の境

天気図のパターン

西高東低

日本列島の西側に高気圧、東側に低気圧があるパターンの気圧配置

主に、冬に見られるため「冬型の気圧配置」ということもあり、日本付近には冷たい北風が吹き寒くなる。日本列島にかかる等圧線の数が増えると北風が強く寒気団が降りてくる。

南高北低

日本列島の南側に高気圧、北側に低気圧があるパターンの気圧配置、主に夏に見られることが多く、夏になると日本の南側に太平洋高気圧が張り出します。この太平洋高気圧は暖かく湿った空気を持っており、日本付近を覆うと気温が上昇し、蒸し暑くなる。

南岸低気圧

日本列島の南岸(太平洋側)を発達しながら東へ進む低気圧のこと、上の天気図は前線を伴う低気圧が南岸低気圧になる。主に、冬に見られるパターンで、南岸低気圧が通過すると、西・東日本中心に雨や雪が降り、低気圧の進むコースによっては太平洋側でも大雪となる可能性がある。

日本海低気圧

東シナ海や黄海で発生した低気圧が、日本海を進むことをいい、主に春に見られるパターンで、日本海低気圧が通過すると、日本付近は南よりの風が吹き暖かい空気が流れ込む、特に日本海側ではフェーン現象が発生することがあり、気温が急上昇し、湿度が下がる場合がある。また、立春から春分の間で日本海低気圧が通過するときに、初めて観測される強い南風を春一番と呼ぶ。

梅雨

6月から7月に見られやすい気圧配置で、オホーツク海付近にオホーツク海高気圧、日本の南には太平洋高気圧があって、日本付近には前線が停滞している状態、この停滞している前線を「梅雨前線」と呼ばれ、この前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むと、大雨となるおそれがある。


天気図では、西高東低で等高線が込んでいるから「寒そうだなぁ」と大まかな傾向は分かっても、個別の天気は分からない。

個々の天気は、週間天気と3時間毎の2日間天気でイメージするのが一般的だが、平成の大合併で山間部の行政区が統合され行政区中心の平地の天気しか公表されなくなり、山や谷の近くにある山間部の天気が解りづらくなった。

例えば、銅山川は四国中央市や新居浜市の天気では役に立たないので山を隔てた高知県大川村の天気の方が近い、祖谷川も同じで三好市の天気より神山町の天気を見た方がいい。市町村区分の天気だけじゃなく、もっと地域を細分化した天気図があればいいと思う。


天気を判断するのに併用するアプリ

てんきとくらす 

行楽地の天気⇒高原・山で近くの山の天気を見ることが多い。

得られる情報的は、 高度2000mと高度1500m付近の3時間毎の気温と風速・風向きを得られる。指標は、A登山に適している・Bやや登山に適していない・C登山に適していないの3つだけなので、上記の情報を元に自身で考えるしかないようだ。それと山と谷の地形を考慮する必要もある。

Windy

視覚的に天気を見るにはWindyに勝るものはない、。

世界最高水準のECMWF(欧州中期予報センター)を気象データベースに使っているので精度が高い。またGFS(米国立気象局)・ICON(ドイツ気象局・MSM(気象庁)など他の気象データベースにも切り替えることもできる。

雨雲レーダー、雨、雷、風、気温、積算雨量、気圧等の天気指標をグラフィカルに時間経過で表し、ズームアップが自由自在なので視覚的に分かりやすい。

特筆すべきは、地図上に気象情報の知りたい場所を指定してフラッグを立てるとピンポイントで気象情報を得られ、時間経過の推移にも対応している。フラッグをクリックすることで、その地点の3時間毎の週間気象情報(天気・気温・雨量・風速・風向き)を下段に表示される。また、メテオグラムで雲の状態、エアグラムで上空の空気温度が表示できるようになっている。

スマホアプリもあるのでダウンロードして現場で活用できる。

登山アプリ

天気アプリは、どうしても客観的な情報になるので登山アプリの写真を見て雪の状況を確認する。お薦めの登山アプリはヤマレコだが登録者数が多いYamapの方が情報量が多い。

Yamapの写真は地形図に紐付けられ標高がわかるので釣行先の標高と前述した地形を重ね合わせれば大体の雪の状況が分かる。有名な山ならリアルタイムで活動日記が更新されている。

検索方法は「Yamap・○△山」⇒○△山を含む活動日記一覧くクリック

早く暖かくなれば良いね。


渓の雑学
渓の雑学渓流釣りを20年以上やっていると、いろいろなことを経験してきました。釣り方、遡行術、渓での楽しみ方、アウトドア・・・・・・・・私には二人の師匠がいますが、知識を手取り足取り教えてもらった訳じゃありません。私にとってそれらの知識は全て...

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