渓流釣り遡行記2004 2004/4/3
徳島東部水系 海部川源流
439道中記
徳島東部水系 海部川源流
439道中記
前夜際が終わったのがAM3:00頃だったか?槇木屋谷との出合いの看板前で目覚めた、昨夜の谷割で会長と副会長が本流の源流部、私とKEIZOUさんが右支流に入渓することになっていた、右支流は右岸に林道工事が進んでおり、車で行ける所まで行って入渓することにした。
200mほどダートを走行すると山肌が大きく崩壊しており、新設林道を谷まで押し飛ばしていた、大型の重機が留めてあり復旧工事の最中なのであろう。
少し引き返して広場を車留めとした、まだ辺りは薄暗く谷底が確認できない、いずれにしろ魚止めを確認するのが1つの目的なので、切り飛ばした林道を上流へと歩いていった。
やがて新設林道は左小支流をコンクリートの立派な橋で跨ぎ中断していた、突然の中断のためか橋桁の向こうにある山道(旧林道)に取り付く設備が設置されてなく、その替わりかどうか判らないが手前の袂にロープが垂れ下がっていた、長さ12,3mといったところか、一応支流の底に着いているように見える。
他に下降の糸口が見えないので、ロープを使って下降にとりかかった、橋桁下のテラスで帰りの安全なルートを探したが、どうやら際どい事になりそうだ、落石に注意しながら降りていく、摩擦で手が焼けそうだ、KEIZOUさんに貸してもらった撤退用の皮手でどうにか下降終了。
入渓点から上流の渓相は抜群、V字形のゴルジェが続いている、照葉樹が主体の天然林に囲まれて暗い渓が流れていた、先週降った大雨の影響で水かさを増しているが透明度はかなり良い。
早速魚信があったが針掛りしなかった、小さなアタリのあとソレッキリといった感じで、なかなか釣果が上がらない。
一所を釣っては竿をたたんで高巻き、また釣っては高巻く、右に左に巻きながらのキツイ遡行が続く、そんな中で9寸をゲット、期待が高まる、しかしお助けロープが垂れ下がって入渓者(この谷の専門家)が居ることを知らされた、ありがたいようで残念な複雑な気持ちになってしまう。
右支流との出合に2段の滝がありそれぞれ渕を持っていた、左に高巻いて行く途中で下段の渕を見ていると、KEIZOUさんの竿が大きく曲がった、良く肥えた9寸をゲットするところだった。
左から巻き込み上段の渕に下降すると直径8mほどの丸い釜があった、水深4mはあろうか大きな落ち込みを受けて渦巻いている、大物仕掛けをセットしているとKEIZOUさんが下の渕から右高巻きをしているのが見えた、木の根をホールドにしての見事な高巻きである。
ゴム張りの錘を付けて深く沈めてみるが、水が湧き上がっているためなかなか沈み切らない、落ち込みの端を使って今度はうまく沈んだがアタリがこない、粘っているとKEIZOUさんが降りてきた「支流はどうやった?」、「おらんなー、普段は水が流れてないようやな」今度は二人で粘ってみたがやはりアタリがなかった。
ここまでの遡行高低差は100mにも満たない、なのにかなり体力を消耗している、地図で現在位置を確認するが、なぜかここが源流二股に思えて仕方ない、高度計は右支流出合いの標高を示しているが、それを疑ってしまうほどキツイ遡行である、釣りと言うより沢登りをしているって感じだ、「ここから緩くなるでしょう」と先に滝を直登していると落ち葉を踏んで滑ってしまった、咄嗟に振り向き「あーーーっ落ちるんやなーー、寒いでー、慶三さん助けてねー」と考える余裕があり、滝壷寸前で滑落は止まった。
今度は左の縁を慎重に登攀完了、左の脇腹と肩を強く打ったようだがこれからの遡行に影響はなさそうだ。
それからは適度に落ち込みや渕が連続し釣りやすくなったが魚信が遠ざかった、大きい魚影も走るのだが餌のミミズを見たとたん走り去ったりで釣りにならなくなってきた、それでも「約束の納竿PM2:00まで」と遡行を続けた。
それからは適度に落ち込みや渕が連続し釣りやすくなったが魚信が遠ざかった、大きい魚影も走るのだが餌のミミズを見たとたん走り去ったりで釣りにならなくなってきた、それでも「約束の納竿PM2:00まで」と遡行を続けた。
左に石積みが見えて旧林道が渓に迫ってきて谷を跨いで右に渡っている、「これで一応撤退ルートは確保したのでもう少し」と遡行を続けると大きな釜が出現した、直径8mはあるだろうか水深もあって底が見えない、KEIZOUさんが大仕掛けに変更している間に左の旧林道に上がり二股まで飛ばしていった、二股の渕に近づくと魚影が見えたがアタリはなかった。
二股の水量は左本流がやはり多く、まだまだあめごが生息していそうだったが本流組みとの約束の時間、タイムオーバーで納竿となった。
釣果は慶三さんが9寸を頭に27匹、私が9寸を頭に23匹、計50匹であった。
地形図を広げて二股奥の水線を辿ってみる、あと2時間ぐらいは釣らないと魚止めを確認できそうにないが・・・。
撤退ルートは見つけてあった右岸の旧林道を辿って最初は楽勝であった、しかし丁度右支流出合辺りから斜面が道を巻き込んだ形で崩壊しておりかなりの危険をともなった、あるところでは小さな足場だけで手掛りがない個所や、ざれ場が急斜面で足場を作りながら渡ったり、いずれも谷底まで30mは有にあり緊張の連続であった。
見通しどおりに1時間で新設林道の橋桁の下に到着した、「何とか上る手立てはあるだろう」と安易に考えていたが、橋桁のテラスを回り込んで対岸をトラバースするのは危険要素が多く際どい事になりそうで自信を持てなかった、垂直の橋桁は路面まで5m以上あってロープを投げてガードレールの間を通すことは無理、工事に使う4mm鉄線を見つけたので、3mほどの丸太を立てかけて梯子を組み立てようと試みたが、材料の手配やら横木の結束に2時間ぐらいかかりそうだし弱ったなー、「このまま待ってたら本流組が迎えに来て引き上げてくれるだろうけど」・・・。
KEIZOUさんはトラバースできると感じているようだが、ううーーん「自信がないんで、谷に一度下降し、あの尾根を登りたいんだけど・・・良いですか」、「OK」と相談がまとまり朝の入渓点へ尻制動で急降下、少し下るとロープが垂れ下がっていたが、なんとなく嫌な予感がしたのでパス、尾根芯に登攀した跡があったので腕力と木の根を頼りによじ登った、最後にKEIZOUさんが道から棒切れをささげてくれてなんとか道まで這い上がった。
それにしても今日はKEIZOUさんのお世話になりっぱなしだったなー、前夜祭の酒を忘れて焼酎をご馳走になったし、皮手を貸してもらったり、行動食を忘れて貴重なおにぎりとサンドイッチを分けてもらったし、あげくの果て手持ちの竿が無くなって貸して頂いたし、この借りはかならずお返ししますので今後ともよろしくお願いしますねm(__)m。
当日データ
釣果 9寸を頭に23匹
慶三さんが9寸を頭に27匹
釣果 9寸を頭に23匹
慶三さんが9寸を頭に27匹
渓流釣り遡行記2004
渓流釣り遡行記2004一覧 魚止めを求めて源流を彷徨う。滝を高巻き、杣道を辿り、遡行を続ける。流れがある限り魚は棲む・・・一体、何処が魚止めなのか?それなら源頭を目指してさらに遡行を続ける。たぶん、さっきの小滝が魚止めだったのか・・・・驕り...
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