黒岩山の八方ブナに逢いに行く

四国の山歩き
四国の山歩き     2023/10/24  晴れ   
黒岩山に立派なブナがあるとの情報を得た。
権田山と大座礼山の大ブナは過去の遺物ように変わり果てた姿になったことを思えば、『八方ブナ逢いに行くなら今しかない』 と云う気持ちが強くなった。
遡行データ
日時:2023/10/24/ 9:00~16:30
 標高差:500m
 遡行距離:7.5km 
Start
 登山口(839m) ⇒9:00
 野地峰(1279m) ⇒11:00
 黒岩山(1350m) ⇒12:40
 三角点(1431m) ⇒12:50
 八方ブナ1325m) ⇒13:00
 野地峰 ⇒15:30
 登山口 ⇒16:30
Goal
遡行地図
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野地峰登山口を示す指標です。
この指標、変だと思いませんか? 道の手前に指標があって示す方向も道とは違う向き、写真のコチラ側は広いグランド、この指標が示す意味は『登山口はもう少し先にあります』ってことだよね。
何の疑いもせずグランドの先にある電波塔まで行って続きの登山道を探した。登山道があるとしたら電波塔の裏だろうと思うのですが草ボウボウで踏み跡がありません・・・・
グランドから引き気味に俯瞰して、さっきの砂利道が進んでいる方向を見定めます。
幸いなことに砂利道には電柱が立っていて張り出した尾根を回り込んでいるように見え、「砂利道を進めば何れ登山道と合流するだろう」と砂利道まで引き返しました。
気持ち的には登山道を見つけられないだけ・・・・まだ、登山口の指標を信じていた。合流するであろう登山道を気にしながら歩きましたが見つからず、この砂利道が正解のようです。
なら、登山口の指標は砂利道の奥側に立てるべきだし、道の方向は合わして欲しい・・・・こんなところで迷って遭難はないと思いますが、指標を立てる重みを理解して頂きたい。
道間違いの元凶である、むやみやたらの赤テープも同じです。
植林と背の高い笹に囲まれた登山道はジグザグ急坂で標高を上げていく。
標高が上がってくれば植生が途切れた場所から早天山が見えるのが救いです。
単調な登りに疲れて下を向くことが多くなってきました。
土や枯れ葉で色あせたトーンの登山道に赤い葉っぱが落ちていた。上を見上げると植林の隙間を絡むように色づいた木が立っている。
「アレかぁ・・・・」
木漏れ日が当たる苔の上に着地した赤い葉っぱがいい感じです。殆ど撮る物がなかった登山道、角度を変え絞りを変え寝っ転がって激写タイムなった。
山頂が近くなると一気に視界が開けます。
朝谷川の谷筋は結構深くて長い、鉱山の谷だから鉱毒の影響があると聞いて釣りに入ったことはない。

黒岩山が見えてきた。

なだらかな稜線と割と近いことに安心した。奥のとんがりは登岐山、槍っポイ山容だ。
野地峰山頂1279m
標高表示が奥と手前で1m違うのはどうして?(木の看板の標高表示が間違っている)
三角点の基準点名は『野路』となっている。
白滝は嘗て白滝鉱山として栄え、精銅を人の背によって野地峰を越え愛媛に輸送した記録が残っているそうです。この急坂を登り愛媛までとなれば大変な労力だったのに違いない。
山頂の少し先にある反射板の広場で一息入れます。
緩やかで整備された登山道が続きます。
稜線道ですが背の高い笹に挟まれて眺望はありません。
笹の間から黒岩山が近付いてきた。山頂の疎らになった樹々の様子から良い山だとイメージした。

厚みが薄くなった笹の向こうにはブナの姿を見ることができます。

最後の登りかと思っていたが、激登りと激下りを何度か繰り返す。
帰りは激下りが激登りになることは必至の決定事項です。
ピークまで最後の登り
真横に黒岩山の山容が見え山名の由来であるかのような大岩が切り立っている。
そして、期待以上に山の彩りがキレイです。
左に目を移すと色付き具合にバラツキがるようですが黄金の大ブナが立っていた。赤テープがあるのでブナ林の入り口らしく、帰りはここに下って来ればいいはずです。
背が低くなった笹と大木の間を明るくなった山頂に向かう道の先には黄葉が待っている。
「これはもう、あなた・・・・」
最高の上にメッチャを付けてもいい素敵な道だった。
なだらかになった山頂付近は黄葉したブナの並木が続く。
そして、山頂表示は大きなブナの根元に置かれている演出も良いと思う。
黒岩山山頂(1350m)
三角点はブナの並木を進み、少し下った木立の中にある。
眺望がないので写真を撮って山頂に戻る。
山頂からの眺望
反射板がある野地山は直ぐ見つけられる。その奥は赤石山系の峨蔵の山々・・・・ギザギザやね。
 
大登岐山は尖ってカッコイイ山だ。見る限り自然林に囲まれているので大ブナ見物にはいいかも知れないけど手強そうです。
八方ブナを探してブナ林を下ります。
赤テープがある付近まで続いているなら結構広いブナ林なので見つけられるのかが心配です。
「うわぁーー」
名前の通り四方八方に幹を広げた姿は圧倒的な存在感があった。
広角ズームを持ってきたのですが広さが足りない。かと言って引いてしまえば迫力が欠けてしまう。
八方ブナはまだ青いままです。
葉の付きようから、元気がいいようでまだまだ大きくなるでしょう。
残念なことに1本の幹が折れていました。折れた幹だけでこの散らばりようなので、本体はどれほどデカいのかが想像できる。
赤いのやら黄色いのやら、いい色つきが山頂付近を染めていた。
黄葉したブナも沢山あった。
黒岩山は大・中・小のブナが自生していて、チャンと次世代が育っている。
太い幹にポッコリ開いた穴の中に木が生えていた。
これはブナの新芽じゃないよね。
ブナ林の広場を堪能しながら登りの坂道にあった赤テープ付近まで歩いてきた。
稜線の向こうから差し込んでくる光が黄葉したブナの葉っぱを通して黄金色に輝いていた。
最高やねぇ
 
野地峰・黒岩山はマイナーな山ですが素晴らしい山歩きを楽しむことができた。高知と愛媛の東県境にある山々には多くのブナが残っているので、ブナ好きを引き寄せる魅了がある。

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