中津山 ブナ探索

四国の山歩き
四国の山歩き  2018/11/8 晴れ
Google Earthによる遡行図
Start
  
登山口(9:00)-将軍神社(9:10)-田ノ内(9:30)-
 
稜線(10:50)-中津山(12:00)-中津神社(12:50)-
 
中津山(13:15)-大ブナ(13:50)-田之内(15:20)-
 
登山口(15:45)
 
End
祖谷川と松尾川に挟まれて切り立った中津山は、東の祖谷山系から見ると端正な三角形をしていて中津富士とも呼ばれている。
山頂には中津山大権現と倶利伽藍不動明王が祀られた歴史ある山、また祖谷川を挟んで西側に位置する四国百名山の国見山より標高が高い・・・・『山の品格』『山の歴史』『山の個性』が百名山の選定理由なら四国百名山に選ばれても不思議ではないが何故か外れてしまった不遇の山となっている。
 
祖谷トンネルを抜け谷間の向こうに見えてくるのが中津山、前衛の尾根が重なり三角形に見えないが確か国見山の山頂から見た中津山は三角形だったような気がする。山頂付近の稜線には落葉樹林が広がっているようなのでブナ探索に期待が持てそうだ。
祖谷川を渡る、いつもなら右に曲がり祖谷の奥に釣り場を求めるが左に曲がり若宮谷川沿いを進み道幅が狭いヘヤピンを幾度の折り返した西祖谷山村田ノ内集落の行き止まりが中津山登山口になっている。ただしこの行き止まりは車の旋回場なので少し手前の広場に駐車場の案内がある。

広い山道を少し歩くと左に中津山登山口の指標があるがこの先の将軍神社を経由すればショートカットになるらしいので直進した。

直ぐに将軍神社の傾斜がキツイ階段と出逢う・・・・
狛犬にガードされた鳥居を潜ると更に傾斜がキツく長い階段が神社まで続いていた。
石を積み重ねた石段は落ち葉が積もり滑って転びそうなので慎重な足運びが求められる。
何度も立ち止まりハァ-ハァー云わされながら登り切ると歴史を感じる神社があった。
『将軍神社』って凄い名前やなぁ
神社の横に謂われが書いてあった。
後醍醐天皇の一宮 尊良親王は元弘の乱(1331年)の戦に負け、都から土佐の幡多へと流された。
 
中宮加羅宇多姫は尊良親王に逢うため、当時懐妊中であったが元弘二年(1333年)九月、土佐の幡多へ乳母と侍女数名を連れ向かった。淡路の海岸から鳴門海峡を渡って四国の地に上陸し、吉野川を遡上して池田町松尾を経て1447mもある中津山を登り、ここ祖谷田ノ内の将軍神社に降りてきたと伝えられている。
 
この近くには、長旅の休息を取るため腰を掛けた腰掛け石や、若宮様をご出産された場所で産敷きなるものがある。  
若宮谷川の若宮ってそこから来ているのか?
歴史を知ればいろいろ分かることが多いですね。
神社の左奥からショートカット道が続き10分程で登山道と合流した。
登山道は植林の中の窪みを進む
変化に乏しい植林の登山道を歩いていると周囲の杉とは幹の太さが全く違う大杉が現れた。
枯れた枝を荒々しく広げた様は、杉本来が持っている力強さのようなものを感じた。
登山道は地図院の地図に書かれた破線に対して南西50m程下の斜面にズレている。
杉木立の斜面を見上げると空の青が見え隠れするので直ぐにでも稜線に乗れると思っていたが中々交わってくれない。東側の斜面がキツくなると東斜面は自然林に変わった。標高1000mを越えた場所の紅葉はピークを越えいるような感じはするが赤や黄色の色彩を楽しむことが出来た。
標高1200mを越えた辺りで登山道は稜線と交わった。
明るい落葉樹の自然林、若いブナも混じりムチャクチャ気分が良いじゃないか。
薄くなっているが奥手の紅葉も楽しめる。
ブナを右に配した石積みの分岐?左に進路を取れば大きなブナが待っているが山頂目指して直進
ここからの標高差100mは傾斜が急になる。
背丈の短い笹が現れたブナの稜線
登山道の傾斜が緩くなり笹とブナ並木・青空がマッチした最高の風景を歩く
お目当ての大ブナはアレかな?
お楽しみは帰り・・・・取り敢えず山頂を踏むことにした。

中津山山頂(1446m)
山頂は広く中津山大権現本殿や不道明王の祠・黄金池などがある。
黄金池は山頂にありながら涸れたことがない不思議な池だと云われている。
何故か弘法大師像 その後ろに一等三角点 中津山の山頂表示がある。
眼下には水汲みでお世話になっている竜ヶ岳の紅葉
水汲みの水は中津山のブナから浸みだした水だったんだ、通りで旨い筈や
左から腕山、風呂塔、烏帽子山、矢筈山、頭を覗かせているのは方向的に剣山か?
登り返しを気にしながら中津神社を散策してみる。
中津神社の入り口まで舗装されて車で来ることができる 。
以前、風呂塔で逢った登山者は100名山と名が付くピークを千以上登った猛者だった。沢山のピークを踏むコツは、車で行けるところまで行って標高を稼ぐことだと教えてくれた。千という数は凄いけどピーク至上主義にはチョット抵抗を覚える。第一南稜線のブナに合えないのは勿体無い。
俺の場合、基本オフトレなんだから歩く以外の選択肢はない。
木の鳥居を潜って中津神社まで下る。
中津神社は断崖絶壁の上に建っていた。
中津神社の真新しい鎖を伝い断崖絶壁の先端に立ってみる。
辿って来た尾根の向こうには国見山の山塊がどっしりと座っていた。
何れも大半が落葉樹の自然林で自然の濃さが垣間見られた。
さてさて、大ブナに逢うために笹の斜面を滑り落ちる。
抱きついてみると2抱えでは足りそうもないから幹回りは4m越えている。
更に下を見ると同じクラスの大ブナ、目見当チョット細いけどカッコイイブナ・・・・ 
あそこまでは「よう行かん!!」
 
登山道と稜線道の分岐点
「こっちの方が絶対面白いヤロ」と帰りは稜線道に足を踏み入れた。
最後の短い区間植林になったがズーッと落葉樹の自然林が続き紅葉も残っていた。 ガサガサとフカフカの落ち葉道を踏む音が快い。
バカ尾根で進路に迷うこともあったが概ね目の前で最も高い場所を選べば大体合っている。
ややこしいのがコルから盛り上がる場所、下りは尾根の分岐があるのでここで地図を確認する。多少のアップダウンはあるものの大した標高差ではない。
登りとして使うのならキツイ斜面があるので登山道を選択する方がいいだろう。
再び登山道と交わる先に往路で拾い忘れた三角点『田ノ内』(4等)を拾った。
将軍神社の階段は急斜面過ぎて膝にくると思い登山道通りに下ったが結構大回りしていた。

『山の品格』『山の歴史』『山の個性』プラス『ブナの稜線』 中津山は良い山だった。

結局、山の優劣なんて他人に決めて貰うのではなく登った後自分の主観がどうだったかだ。
帰りは紅葉を求めて 祖谷渓沿いの県道を下った。
工事で交通整理のおっちゃんが暇そうにしていたので 「ひ峡はここ?」って聞いたら「ひの字渓谷」だと訂正して教えてくれた。
祖谷は三大秘境と呼ばれているから『秘境のひ峡』の方がインパクトがあると思うのですが・・・
「ひの字渓谷」ひの底辺から稜線の先は小ピークを経て国見山の山頂、ムチャクチャエエ山じゃん
去年は吉野川から詰めたが祖谷川から詰めてもいいかも・・・・なんて考えている。

「中津山 ブナ探索
アップロード:2018/11/16

中津山 遡行データ
 遡行距離:6.9km   標高差:640m
 中津山登山口(800m)-将軍神社(850m)-
 田ノ内(992m)-中津山(1446m)-中津神社(1380m)-
 中津山-登山道・量線道分岐(1200m)-田之内
 中津山登山口
標高マップ
GPS軌跡
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