渓流釣り遡行記2008 2008/4/29 晴れ
東予水系 F谷
東予水系 F谷
何年か前から気になっている渓がある。水線無しの最源流の渓だ。
地形図で水線がなくなる辺りから直角に切れ込んでいる。
経験上こんな地形の谷は大淵をもった滝が連続する。
それよりやっかいなのは谷の取り付き部分に200m以上の等高線が込み入った場所がある。
しかも両サイドは、切り立った壁になっている のは間違いなさそうだ。
どう考えても正面突破は無理と言うのが結論である。
アマゴがいるのか?
いるとしたらどんなアマゴなのか?
行ってみないことには、はじまらない
じゃ、どうしたらいいのか?いろいろ考えた。
手前の支流から尾根をよじ登って目的の谷に下降する作戦を実行することにした。
去年、手前の支流を遡行したとき、途中尾根への林道があったような?なかったような?もし、アクセス林道があったとすれば楽勝である。
『楽勝』と言うことは目的の谷の魚影は薄いと言うことになるから複雑な思いである。
作戦決行
車止めに着いたのが10時過ぎ
気合いをはめた割には、遅いスタートとなった。
涎が出そうな良淵をいくつかパスして支流の入り口に辿り着いた。
支流、取り付きの滝
残念ながらアタリはなかった。
残念ながらアタリはなかった。
支流の入り口には、こんな滝が連続する。
アマゴ6寸(20cm)
滝淵より、こんな小さい場所の方がアマゴの反応がいい
最近、誰か入渓したのだろうか?
最近、誰か入渓したのだろうか?
林道らしき跡を見つけた。その先には古い炭焼きの穴があった。
そこから境界を示す赤い杭が現れた。赤い杭は尾根筋へと続いているように思えた。
『楽勝』は現実のものへとなってきた。
赤い杭を追いながら斜面を登り始めたのはいいのだが完全に藪こぎになってきた。
おまけに傾斜が急になり前進するスピードが極端に遅くなってきた。
30分ほど 山中を彷徨ったが、このルートを諦めて上手へ平行移動して小尾根から登ろうとした。
さっきより、登りのペースが速くなったが、2ヶ月弱釣りをしていない体はヘトヘトである。
目的の渓での釣行時間を考えると2時には尾根に着いていないと帰りが心配だ。
尾根の向こうがどうなっているのか全くわからないのである。
必死で尾根を目指したが尾根まで高度にして60m~80mを残してタイムアップ・・・・さて、どうしよう???
二人で相談したが、これ以上無理はできないと言うことで計画を中止して支流の上流部を釣ることにした。
渓流釣り遡行記2008 2008/5/4 晴れ
東予水系 G谷
東予水系 G谷
「正面突破しかない」・・・・KEIZOUさんと反省会をやった結論である。
車止めに着いたのが7時半、遡行準備をしていると 2台の車が上がってきた。
総勢6名の大所帯だ。話を聞くと下流からこの辺りまで釣り上がるそうで、まずは一安心である。
別れ際に、この谷はマムシが多いから気を付けてねと、それとなく恐喝された。
GWに入って気温がグングン上がってきた。
気を付けるにこしたことはないようだ。
途中 水が涸れる。
重なり合った大石を乗り越えていくのは苦しい
重なり合った大石を乗り越えていくのは苦しい
二又でやっと水が出てくる。
谷に水があるとヤレヤレだ。ここで一息入れる。
右支流はほとんど水量がない。
谷に水があるとヤレヤレだ。ここで一息入れる。
右支流はほとんど水量がない。
地図上で直角に曲がった場所、やっぱり連瀑帯が待ち受けていた。
上から滝淵を覗き込むと8、9寸クラスが数匹、悠々と浮いていたのだが、餌のミミズに反応しない。・・・・餌が違うのか?
こんないい淵で6寸1匹とは寂しい限りです。
上の大滝に降りるには、安全確保のためロープを使った。
滝に下降するのに12,3mくらい無理をすれば素手で降りれそうだが手がかりがあるのとないのでは安全は全く違う。
落ち込みの奥でKEIZOUさんが8寸を釣り上げた。
俺は高見の見物でロープを垂らす係
連瀑帯を抜けると再び水が涸れた。
右側の小谷の壁面から崩れ落ちた大岩が谷を塞いでゴーロ帯になっている。
普通、常識のある釣り人ならここで引き返すだろう。
再び水量が現れ、釣り堀状態になった。
落ち込みの左から9寸
落ち込みの左から9寸
アマゴ9寸(27cm)
再び連瀑帯に突入
三つの滝を乗り越えてきたがこれから先は無理
三つの滝を乗り越えてきたがこれから先は無理
垂直にそそり立つ滝を見上げるがその先が見えない。
直登は不可能、右巻きか?左巻きか?地形図を確認する。
右は崖、厳しそうや・・・・左も厳しそうだが、もし高巻きに失敗しても何とか尾根筋に回り込めば帰還ルートは確保できそうや・・・・
「さっきの連瀑帯から帰るのだけは絶対に嫌やーー」
左の谷尾根に取り付く、傾斜角は60°以上・・・・立木に捕まり腕力勝負で登る。谷側は垂直に切り立っている。松の木が谷に向いてオーバーハングしている場所があって松の木に足をかけて岩場を登らなくて行けない。
左の谷尾根に取り付く、傾斜角は60°以上・・・・立木に捕まり腕力勝負で登る。谷側は垂直に切り立っている。松の木が谷に向いてオーバーハングしている場所があって松の木に足をかけて岩場を登らなくて行けない。
KEIZOUさんは何とかクリアーしたのだが、俺のストロークでは安定確保手がかりに手が届かない・・・・・『HELP!』 KEIZOUさんにロープを出してもらって身体を確保してもらってクリアーした。
そろそろ、谷が緩くなる部分だ。谷を覗き込むと垂直に50m程の高さがある。
どうも下降できそうにない。
登ってきたルートを見下ろしてみると連瀑帯の曲がった場所が遙か下に見える。
高度は稼いだようだが直線距離は、ほとんど進んでいない。
谷尾根に取り付いて1時間以上経っている。
今日は、釣りをしている時間は少なくて大部分の時間は高巻きをしている・・・・そんな感覚だ。
漸く谷尾根の切れ間になってきた。少し平行移動して谷に降りようとしたが、小さな谷筋になっていて斜面が急過ぎる。
谷までは標高差にして100m位か?立木をつたいながら降りることはできてたとしても、登ってこれる保証は何処にもない。
再び谷尾根を登ろうとして、メインの尾根が近いことに気付く。
メインの尾根まで回り込むと古い林道に出くわす。
『 尾根道?or獣道?』・・・・少し心細いが帰り道は何とか確保した。
谷尾根から見た目的の谷
いい感じじゃない。
いい感じじゃない。
メインの尾根道を少し登り目的の谷への降り口を探る。
小尾根沿いに何とか下れそうだ。1/3くらい降りたところで急斜面になる。
時間は3時前・・・・帰り道は確保したとはいえ不安は残る。
しかし、ここまで来ておきながらと言う未練も残る。
「ちょっと迂回してみますか?」とKEIZOUさん 彼はやる気満々だ。
上流に向いて迂回しながら下降したが状況はあまり変わらない。
なんとか降りれそうなところをKEIZOUさんが下り渓の様子を見に行く。
「渓の流れが見えますよ」・・・・こうなったら行くしかない。
「4時まで釣ろう!」
目的の谷に到着
水量はそんなに多くはない。
水量はそんなに多くはない。
アマゴ9寸 超天然だ。
餌を入れると飛びついてきた。
KEIZOUさんが釣った大物(ジャスト30cm)
パーマークがはっきりして大きい、久々に見る超天然
パーマークがはっきりして大きい、久々に見る超天然
KEIZOUさんの大物が釣れた淵
4時前、ここで納竿した。
4時前、ここで納竿した。
30分しか釣りをしていないが、想像以上に素晴らしい渓だった。
まだ、在来種に近い超天然のアマゴが残っている四国の渓は、まだ、まだ捨てたもんじゃない。
大事にして、今のままの姿で残していかなければならない渓が一つ増えた。
当日データ
釣果:二人で30匹
最大30.0cm(KEIZOUさん)
釣果:二人で30匹
最大30.0cm(KEIZOUさん)
渓流釣り遡行記2008
渓流釣り遡行記2008一覧 吉野川支流の源流です
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