岸躑躅の廊下

渓流釣り遡行記2007
渓流釣り遡行記2007  2007/4/28 晴れ
  四万十川水系  439道中記
前回釣行した時、廊下帯の最下流部へお助けロープ2本を使って下降したが、そこから一歩も進めず一渕釣って元へ高巻き、次ぎの下降点を探したがなかなか見つからず100mほど上流から釣り上がった。
 釣果は尺前後が3匹と充分に楽しむことができたけれど、釣り残した100mの廊下帯が気になってしかたなかった。

 さて、GW入り口とはいえ早朝から廊下帯で泳ぐことになるのが嫌なので午前中は上流部の瀬で遊び、川虫も充分採取したうえで再挑戦する計画だ。入渓点の川相、朝の冷気が清々しい

四万十川ではゴムシという川虫の巣
午前10時、瀬での釣りを終えて沈下橋袂へ上がり、橋の写真でも撮ろうかとカメラを取り出そうとした時、橋の上を野ウサギが走ってきて転がるように傍らの茂みへ飛び込んでゴソゴソとしている。
一瞬、「シメタ!捕まえて今夜の鍋にしよう」なんて思ってしまったが、今の季節ウサギ肉は臭くて美味くないと、捕まえるのを考え直して橋の撮影を終えた。
すると、今度は犬が橋を渡ってくるではないか「ははーーん、犬に追われてたんや」と納得したけれど、犬は人間が居るのを見ると10mほど前でピタリト立ち止まりこちらを鋭い目で睨んだ。「首輪をしてない、これはいかん!」近くで棒切れでもと思った瞬間、身を翻してぴょんぴょんと橋を向こう岸へ戻っていった。
後姿の尻尾は大きくてフサフサ、体毛は黄土色、耳は三角、足が長い、跳ねるように走る。
キツネに違いない、奴はウサギを追って沈下橋を渡ってきたが人間が居たので仰天して元へ走り去ったのだ。
沈下橋を撮影したのに偶然キツネが・・・
向こう岸から走ってくるのが写っていた

ウサギには感謝されたが、キツネには恨みをもたれてしまった、キツネは執念深いと言うが後の釣りとウサギに危険がなければ良いのだけれど。

さすが四万十川、橋をキツネが渡ってくるとは、豊かな自然がまだまだ此処には残っているのだと感心してしまった。 

[廊下へ]

前回は時間的制約があり、下り口を入念に探していなかった、今日はカドやんの実家で泊めてもらうことになっているし「轟を釣って6時ぐらいには行く」と言ってあるので時間的には十分な余裕がある、廊下からどうやっても脱出できなかったら泳いで下ればあのお助けロープが下がっている。じっくりと降り口をさがしてやる・・・。 

じっくりと降り口をさがしていると、どうやら一箇所だけ降りれそうな岩溝があるように感じた、他は50mほどの捨てロープがいるだろう、持参ロープは20m1本なのでとても足りない。

ましてや50mのロープ下降なんてそれはもう釣りの世界じゃない、わたぐじは釣師なのでそんな危険なことをあえてする気はない。

一部の望をかけて岩溝を下降することにする、もし降りることができたら廊下帯最初の長渕の上側である。

車道から生い茂ったガレ場を下降すると、アキグミとメダケに絡みつくように茂ったイバラに遮られたが、なんとか岩溝向いて前進できそうだ。
「あれっ!なんで両手が使えるの・・・あじゃーーーっまたやってしまったー」本流竿を車に忘れてきているではないか、我ながら歯痒い。
源流ではいつも竿袋をザックにぶら下げて両手を自由に使えるようにしている、何時もの習慣でザックを背負いヘルメットを被ったら準備完了、さあ早く下降にかかるでーってのが染み付いているので、こうゆうことになってしまうのだ。
「まあいいや6m竿があるから何とかなるじゃろ」ってな訳には今日はあきません、仕方無しに下降したルートをゼェゼェと這い上がった、普通ならさっぱりと諦めて次に行こうかなんて考えるのだが、今日はそうゆう訳にはまいりません、再び下降してイバラに引っ掻かかれながら岩溝へ出た。
岩溝は二つに分かれていて下流側は最後が10mの壁で降りれない、最後の望みの上流側は狭いが岸躑躅を掴んで何とか降りれそうである。
岸躑躅は折れやすいので慎重に足場を確認しながらロープなしで目標どおり長渕の上側へ降り立つことができた。
「やったぜい!」狭い砂利岸には先行者の痕跡は全く無い、長渕へは川が竿1本ぐらいに狭まって勢い良く流れ込んでいる、本流竿8mの仕掛けを8mにしたら充分ポイントが探れるポジション、久し振りに力んでしまって仕掛けのセットに余分な時間をかけてしまった。

「さあてやるかー」、流れ込みから底を取りながら流して行くと沈み石へ引っ掛かったり、表面から沈めていくとそのまま上滑りで餌が思った中層を流れなかったが、何回かやっているうちに旨く棚がとれたのか「コン コン」としたアタリがあった、ゆっくり竿を煽るとヒットしている、水流を受けて手ごたえ十分右に左に走り回りながらも魚体が表面に浮いた、8寸ぐらいのアメゴに見える、玉網で取込んで検寸すると8寸。

さてこのポイントは終わり、仕掛けを巻き取り水際のヘツリ、意外と足場とホールドがあり膝までの立ち込みで上流のポイントへ出ることができた。

二つ目のポイントは長渕の流れ出しで底が丸見えであったが、餌を流すと何所からともなく現れて餌に喰らいついた、8寸だったのでゴボウ抜きにした。

またまた仕掛けを巻き取り次ぎのポイントへ、30mぐらいのトロ場ではアタリがなかった。

次ぎのポイントへはヘツリが効かず大岩を大きく乗り越えてのアプローチだった、渕は深くて何メートルあるか分からない。

流芯の下を探っていると8寸8寸と釣れた後、小さなハヤ(オイカワ)が食いついたのでそのままムーチングしてみたが大物は追ってこなかった。 

結局尺物の顔を拝むことができなかったが、条件が整えば充分可能性があるだろう、また次ぎのチャンスまで楽しみは取って置くことにしよう。

車道に上がると丁度カドやんがやってきて次ぎのポイントを何所にするか相談したが、明日もあることだし今日は早めに帰ってビールでも飲もうと相談がまとまった。[カドやんの実家]

津賀ダム湖にはヘラ釣り師が船を浮かべている、遠く関西方面からの釣り客もあるようで、隠れた静かな穴場として有名なのかもしれない、そういえば昨年も船が浮いていたような気がする。

少し早目に着いたので晩飯の準備のお手伝い、氷や肉を地元の旅館へ取りに行ったり、本流アメゴを刺身に切ったり、串約にしたりしていると、カドやんの父上が畑から立派なウドを採ってきた、わたぐじはウドに目が無いので内心メチャクチャ嬉しかった。

やがて日が暮れて晩飯謙宴会が始まった、参加者はカドやん、カドやんの奥さん、子供4人、父上、母上、釣友H氏、439の総勢10名で始まり途中から近所の子供が加わって賑やかに盛り上がっていった。

鰹のタタキ、ウドの酢味噌あえ、筍をマヨネーズと酒盗であえたもの、豚肉の味噌漬ステーキ、アメゴの刺身と塩焼きなどとても美味かった、特にウド酢味噌あえの3分ノ2は、わたぐじが頂いたような気がする。

「夜から明日にかけて冷え込むからそのつもりで」との教えにしたがったはずだが、寝相が悪いので少しだけ寝冷え状態で目覚める。

朝飯をご馳走になった上にウドのお土産をもらってウハウハ気分で大野見へ出発、今年も大変お世話になりありがとうございました。 

 



 
渓流釣り遡行記2007  2007/4/29 晴れ
  四万十川水系
  吉野川水系    439道中記
[渡川の大野見地区へ]
梼原川から春分峠を越えて大野見へ入るが渇水で釣りになりそうになかった、彼方此方の風景を撮影して早々に退散する。
キリシマツツジ
春分峠から梼原川流域を望む
[吉野川本流へ]
渡川大野見地区から七子峠を経由、須崎ICから大豊ICを降りて吉野川本流へ入る、しかし吉野川も早明浦ダムで放流を制限しているのか減水している、でも川が広いので逆に釣りやすいと言えばそうである。
最初のポイントで粘ったが折からの風が強く思ったような釣果はなかったが、7寸が1匹釣れたのでアメゴが居ることが分かっただけでも収穫があった。
次ぎのポイントは5kmほど下流の支流出合下のブチアタリ、ここでは8寸が1匹釣れた、アメゴが居ることが分かっただけでも収穫があった。
今度は引き返してIC近くの支流出合をやってみたがまったくアタリがなかった。朝から車で走り回り、本流へ降りたり上ったり、腰まで流れに立ち込んだり、風に竿を持ってかれそうになったり、川原をあるいたりで疲れてしまった。
 結構本流釣りってのは疲れるんやなと言うのが実感です。
渓流釣り遡行記2007
渓流釣り遡行記2007一覧  吉野川最源流の滝です。30分以上前から魚信は止まっていました。それでも、遡行を続けられる魅力ある渓です。今年も源流に拘った釣りになると思います。

 

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