四万十川水系B川 439道中記
具は昨夜食い残したキュウリ、
昼までのエネルギーならこれで十分。
キュウリが煮えると同時にガスがプッと切れてしまった、すぐさま麺を割って鍋に放り込んでかき混ぜ、暫くソットしておいたら何とか煮え(フヤケ)てよかったよかった、冬場だったらこうはいかないだろう。
一旦車道を下り源流部入り口への怪しい(何本にも分岐している)入渓ルートを70mほど降りて行くと、右小支流出合の大きな渕に降り立った、谷に立ちこみ足を冷やすと痒みは去った。 早速餌を投入したらモッチー(アブラハヤ、高知ではモツゴ)の襲撃があった、予期はしてたのでそれほどショックはなかった、まもなく5寸が釣れたので安心してゆっくりと釣りあがって行った。
水線の無い左支流は堰堤まで遡行したが、ぬるい谷水がシューズに入り、メチャ汚い沢だった、ヌルヌルの岩を滑り落ちながら出合いに戻った。
左支流の堰堤、浅い堰堤渕には藻が発生していた
再び本流の遡行を続けると堰堤が出現「アジャー こりゃいかんぜよ」とブツブツいいながら高巻くと水が流れていない、全部伏流して川原は乾燥し、時折り吹く風に砂埃が小さく舞っている。
本流筋の堰堤、源流部に3箇所堰堤がある、堰堤の上は土砂で満杯、水は伏流している
上流向いて耳を澄ますと僅かに流れの音が聞こえてくる、朝から気温が高く汗が吹き出てくる、源流で砂漠の行軍か?「こんな事ってアリー」、やっとの思いでチョロ水が見えた、オアシスだ-やったーこれで水が飲めるぜー。
上流で土砂崩れがあり、その影響がでているみたいなので、ここは我慢と水無し谷をアエギながら遡行し、左岸の地滑り個所を通過した。滝を高巻き橋を潜ったところで、やっとこさ腹いっぱい水を流し込んだ「うんまーーーいい!!」渓水がこんなにうまいのかー、ヘルメットで汲んで頭からぶっ掛けてオーバーヒートを静め、その場にヘタリこんでしまった。
源流に架かる橋、原生林への入り口
落ち着いて周囲を見回すと原生林がそこにあった、最近は剣山系の原生林に入り浸っていたので樹木の構成が違うことに気付いた。ここの森には、ツガやモミの中に杉が混生しており、椿などの照葉樹が目立っているのが特徴だろう、いずれにしろ手付かずの貴重な森林が残っている。
B川源流のアメゴ8寸
魚止め近くの6寸
標高700mの小さな滝が魚止めだった、暑さと疲労で気力が萎えて750mの二又まではとどかなかった。
橋から上流の原生林の渓相
撤退は両岸を縫うように赤テープがついていて楽勝で帰還できた、車止の気温は31℃と蒸し暑い、用意してきた激辛ラーメンを作るのはやめた(ガスも無いし)、握り飯をビンビンに冷えた麦ジュースで流し込むと少しやる気がでてきた。
次の谷を模索したが、なにせ南国市までの帰路は156km、長い谷は時間的に無理があるので、B川の支流を釣ってみることにした。用意してきた地図を見ながら本流筋を下った、本流は緩く渕は土砂で埋まって浅くなっている、水量も少なく竿を出す意欲が湧かない。
支流は幾つもあったがイマイチ入渓する気になれず、中流の集落まで降りてきてしまった。向かいに谷があるので対岸から覗くと、本流への水量は細いながらも澄んだ流れが見えた。
出合のすぐ下は遊泳場になっているのだろう、大きな渕から大人や子供たちの歓声が聞こえてくる、もしかしたら・・・「水温の低い支流へ避難しているかも?」と対岸のH川橋の袂に車を留めた。
B川支流H川橋
餌を補給して谷へ降りるとやっぱり澄んだ流れがあった、浅いながらもなんとかポイントがあったので流れ込みに餌をいれると細長く大きな魚体が餌を回った、合わせを入れるとうまくヒットした、イダかと思ったがちゃんと朱点のある痩せた9寸アメゴだった。
H川の堰堤渕を上から撮影、
白泡の中から大アメゴがジャンプした。
10秒ぐらいの取り込みだった、体高のある31.2cmの♂アメゴだった、少し崩れた朱点は赤紫色で背中までまわっている、ヌルが強く検寸定規の上で滑って安定しないので手でヌルをスゴくと泡立ち、少し気色が悪かった。
H川の尺上
堰堤を巻いて涸れ沢を暫く遡行し連漠に竿を出してみたが赤ムッチーだらけだった、堰堤の尺上はやはりB川本流から避難して来てたのだろう。
四万十川本流は県外車だらけだった、沈下橋を渡っているとおっさん(渓師会の)から携帯が入った、「34cm釣ったデー、今大豊町にいまーす」、「こちらはなっかむーらでーっす、34cmということは、私は入賞圏外へ脱落ってことですかー(TT)」。
帰りの走行はこれから、鯉を釣るには1日1寸といいますが、今回の尺上の場合、往復312kmの道のりで312mmのアメゴを釣ったので、1キロ1ミリの尺上といったところでしょうか・・・なんてつまらない落ちを考えながら帰宅したのだった。
釣果:アメゴ24匹 尺上31.2cm
キープ:2匹
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