那賀川水系 439道中記
支流入り口のF1(2段の滝)
右尾根ルートを利用すると長い断崖を1時間以上巻くことになり、また巻き道は笹薮で不鮮明、なんとか滝の縁か左から巻くルートを探して滝上に下降したい、願わくばF1中断にある渕を釣りたい。
いろいろ調べてみて、左の尾根に取水のホースが滝上部から下の集落へ延びていて管理用の古い石垣道があるとの情報を得ていた。
それなら鉄物の装備はいらないなと、30mのロープとシュリンゲとハーネスを追加しただけの装備となった。
車留から暫く荒れた本流を空遡行して支流入り口に到着したが、KEIZOUさんと相談しF1の両縁は諦めて、情報を信じ左の尾根を巻くことにした。
少し下流から急斜面に取り付いたが木の根が少なく足場が悪い、何回かロープで確保しながらなんとか50mほどで緩斜面へ登ることができた。
標高からして取水のホースがあるはずと探すと、エンビのパイプを打ち込んでいかにもホースの空気抜きのようなものがあった、それを基準に滝上部方向へ水平に辿っていったがすぐに見失ってしまった、ホースは埋設されているのだろうか?まさかこんな急斜面に?と、ここであの情報を間違って参考にしてしまったと気づいた。
いまさら断崖に近いあの斜面を本流へ下降するのは危険だ、もう少し西尾根筋を登って道を探すことにした。しかし、200mほど登ってもそれらしき道に出ない、尾根より左は植林をしているので探せば集落へ続く山道があるはずだがそれも見あたらない。
それならいっそ先ほどのエンビパイプのところから急斜面を下降して、F1の上部へ入渓しよう、竿も出さずに諦めるのはくやしい、滝に遡行を拒まれたらF1の二段滝をロープを使って下降できればそれでいい、もし下降できなければこの尾根に上り返して植林帯を集落方向へ何とかなるだろう。 意外と簡単にF1の上段の滝上に下降できて拍子抜け、高巻き時間は2時間、かなりアルバイトをしてしまったが、西の尾根から渓の全様を眺めることができたので良しとしよう。
早速KEIZOUさんが竿を出したが小さなアタリが1回あっただけでヒットしなかった。すぐにF2へ到着、直漠で渕はとても小さく魚信がなかった、左高巻きを試みたが失敗、KEIZOUさんが発見したルートで右の断崖を登ることにしたが、高さで20mぐらい登ればF2上部へ抜けられそうだ、細いロープと被覆電線が垂れていたが信用できないので慎重な登攀となった。
F2 落差10mほどの直漠、水量が少なく魚がこの上にいるのかが心配。
F2を右から高巻く、垂直に近い断崖で僅かに草木が根を張っている、KEIZOUさんが先に登攀、後に続いて中断まで登っていくと、KEIZOUさんのロープが垂れ下がってきた、お世話になりまする。
「この崖を登ったのは電気屋ですね、ロープも電線も見覚えありますよ」
「今日昇ったのも電気屋二人なんだけど・・・(笑)」
「高いところがお好きなようで(笑)
上部からも水量が少なく日当たりも良いせいか、なんだか渓全体に勢いがない、魚信はあるがなかなか針掛りしない、気温がかなり高くなんだかボーッとした感じで釣り上がっていくと、F3の釜下の小渕で8寸が泳いでいた、餌を入れるとゆっくりとした動作で餌を咥えたようだが魚信が竿に伝わってこない、
白い腹を見せてクネクネしたので合わせるとバッチシ上顎に掛り待望の8寸をゲット、大釜では暫く粘ったが魚信はなかった。F3から上流は大岩の連漠帯だった、8寸を追加しながらゆっくりと釣り上がっていく途中の20畳渕でアメゴが群れて泳いでいた。
F3は左高巻き、滝際は危険なので少し上の笹薮を漕いで上部にでた。
下の小渕で8寸がでたが、大釜では魚信がなかった。
「1匹釣ったら活性がよくなり続けて釣れるよ」とKEIZOUさん、よーっしそれではと長仕掛けに変更して渕を探ると小さなアタリがあり7寸が上がった、すると次々にヒットしだし8寸を頭に二人で10匹釣り上げた。
アメゴが群れて泳いでいた渕
「釣堀やなー」とハシャギながら次々と釣り上げた数が10匹、最初の1匹を釣るのに手間取ったが、その後は目が覚めたように良くヒットした。
二又左支流は連漠の滝になっていて釣り上がれなかった、ますます流れが細くなったがまだまだ魚影は濃くて油断ならない。
浅い8畳渕の真ん中に木の葉が集まって沈んでいる、餌を入れると右からでかい魚体が餌に一直線、白い腹をウネウネと見せたのでオモイッキリ合わせをいれたら合わせ切れしてしまった(TT)。
アタリのなかった3m滝の良渕で昼食、「この渕に魚がないってことは、もう魚止めかもしれませんねー」。
3m滝を高巻くとすぐにF4が現れた、前回会長とKEIZOUさんが納竿した【人止めの滝】だった。
高巻いて上部へ出たい気持ちはよく分かるが、少し前からまったくアタリがなくなっているし、それよりも高巻きルートが見当たらない、朝方西尾根から渓の全様を見ているので凄いことになりそうだ。
西尾根(標高約1000m)から渓を望む
足元の石楠花がまだ3分咲き、その左に見えるのが左支流との出合、ここまで登っても谷へと続く山道を発見できなかった、それどころか斜面はますます険悪になりトラバースは無理だ。同じような支尾根が幾つもあって分かりにくいが、遡行の結果左手前から4つ目の尾根が下がった個所がF4辺りだと思う。
会長の遡行データでは915mから撤退していたので目標にして遡行した、この日私の高度計はF4下で925mを示していた。
KEIZOUさん・・・人止めの大滝F4:25mってことで片付けていいですか?」、「・・・」KEIZOUさんはこの大滝の上に並々ならぬ期待をもってここまで遡行してきたのは知っているが、ちょっと私では手に合わない大滝だ。
東の尾根筋を何百メートルか上って二股へ下降するルートを探して実行するには時間と体力が足りない、潔く撤退することにした。
KEIZOUさんの記憶どおりF3の上部にちゃんと踏み分け道があった、熊笹を掻き分けながら東尾根にでる、急勾配の怪しい尾根道を下り出合へ到着。
大岩をかわしながら川通しで撤退を続けていると、中州に杉の木が生えている、その中を歩いていると右手の渕で大物が泳いでいるのを発見した、「KEIZOUさん、チョッとまっててよ、あれを釣ってみるから」。
渕の下手に回り込み長竿を取り出して、浮き餌を追っていた右の岸際から離れた流芯に餌を流した、1、2、3・・クンクンーーンと小気味よく一発でヒット、合わせをいれると強い引き込みがあった、竿で耐えると難なく魚体が浮いてきた、取り込むとかなりデカイ、尺近くあるかな?と検寸定規の上に載せると、なんと30.2cmあるではないか、「こんなところにいたのーやったぜい!!」。
F4
今日は暑かった、喉がカラカラだ、車止めで少しだけ水分補給して携帯の電波が入るところまで車で出て会長に報告だ。
今日の渓は非常にキツイということから、遡行経験のある会長とKEIZOUさんと相談してビバーグ覚悟の遡行計画をたてた。
今回会長は参加できなかったが、朝まで連絡がなかったら自動的に救援体制をとっていただくよう一方的にお願いをしていた(少し大げさだったか?)。連絡しなかったら要らぬ心配をかけるので、早めに連絡を入れたかった、それに今夜の野営地はまったく電波が入らないところだ。
会長にはKEIZOUさんが連絡し、救援準備体制解除になったと報告があった、ありがとうございました、おかげで安心して遡行できました。
それでは、野営地へまいりますか?(早く本格的に飲もうぜい!!)。 野営地のすぐ手前の林道でタイヤがバーストしてしまった(早く本格的に飲みたいのに!!)どうやら鋭い石で側面を切ってしまったようだ、15分ぐらいアルバイトしてしまったが設営と炊事の準備時間はまだある。
とにかく明るいうちに竈と槇拾い、そして炊事の準備、KEIZOUさんは手馴れたもので素早い、無駄な動きがないのだろう、BBQ用の網が焼きあがるまで30分とかからなかった、凄い!。
これで心置きなく本格的にビールを飲めるぜい!!やっほうーグビグビじゃー、ンググググーーーッ・・・ふはーーー美味いねー(^^。BBQもメチャウマ。
私は少しのツマミとラーメンで済ませるつもりだった(嘘です、KEIZOUさんの野営料理におんぶに抱っこするつもりだった)ので食材をもっていなかった、なんだか申し訳ないが分けてもらうことにした、ビールまでも(^^。っとにわがままなひとですなー。
美味いもの食って酒のんでかなり気持ちがよくなってきた、「あしたも早いからそろそろ寝ますか?」、「そうしますか・・もうちょっとやりたいんだけど」、KEIZOUさんが乗ってきた四駆は座席の関係でシートが十分倒れないので、外で寝ることになった。
私の車もシートの関係でどうやっても2人は無理、しかし1人なら後ろで斜めに寝るとOK、申し分けないが別環境で寝ることになった。
KEIZOUさんの野営場はひじょうにアバウトだ、グランドシートを地面に敷いてその上に銀マットを重ねる、そして寝袋に入りその上にグランドシートを重ねるというスタイル。
「星の数がすごいですねー」、「おーーッ 今にも落ちて来そうな感じですねー」、「落ちてきたら痛いのでヘルメット被って寝よっと」(爆笑)。
朝、薄明かりのなか目覚めた、林道に傾斜があってあまり熟睡できなかった、KEIZOUさんも1時間置きに焚き火の世話をしていたそうで眠たそうだ。
那賀川水系 2日目
439道中記
左支流の渓相
渓が緩いし先行者があって面白くなかった
連休やし仕方ないか・・・トホホ
本日初物5寸
先にやられちゃったー、
昼飯を賭けなくてよかったなー。
左支流に入ると足跡が続いていた、これも最近のものと思われる、「ありゃありゃこれもいけませんよ・・・」、「どうします?諦めて帰った上を期待してとことんいきますか?」「OK」。とことん源流を詰めたが、先行者もとことん詰めていた、やっと最後に足跡が消えたところからぽつぽつとアタリがあった。
撤退は、谷から離れず植林伝いに山道があり楽勝で二股まで引き返した。
この程度の規模の滝が三つあったがあとは平川、撤退は川通しの方が楽だった
アナグマさんのお出迎え
下流に鹿の死体もあったし、野生動物が多い渓だ
右支流の渓相はすこぶるよかった、平川だが3箇所チャンとした滝と渕があり楽しませてくれた、魚影は濃いが先行者の腕が良いのか?大物はでなかった。
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