吉野川水系 D川 439道中記
魚をクーラーに移さないと魚篭が重くなりそう(カッコイイーー)なので、今のうちにと車留めに臨時帰還して、魚をクーラーに移した。
たった200mの釣りあがりで、9寸2尾、8寸3尾、7寸2尾のキープ、こんなことは始めての経験だ、もしかして・・・これはなにか不吉なことが?・・・。
「おこるわけないじゃん、大場所があれば尺上がおるでー(^^)」一段と遡行に気合が入って、前のめり状態で釣りあがっていった。
鉱毒が流れ込むと言う噂のある二又の長渕に到着、とても暗い渕だ、遠くからゴロゴロと雷鳴が聞こえてくる、気温も急に下がったようでなんだか寒い、渕尻から落ち込みまで15m以上はありそう、左の岩までは水深が膝まで、そこから右に渡渉するには胸までありそうなのでミミズを5匹胸のポケットに入れ、ベルトに付けた餌箱をザックにしまった。
最初左の岩まで渡渉して沈石のポイントを探ったが魚信がない、続いて右の岸に渡渉、深さは腰の上まであった、右のテラスから泡切れを探ったが魚信がない、「気付かれたかな」と今度は大岩の影から落ち込みに餌を深く流すと泡切れで大きな魚体が餌を追ってきてUターンした、「凄い!完全に尺ある!」「よーーし見とれよー」と5Bのウレタン張りを追加して落ち込みからゆっくりと沈めてくると白泡の中でラインが止まった、間をおいて合わせると猛烈な引きで落ち込みに突っ込んで行った。
今まで味わった事の無い引きだ、ラインは06の長仕掛けだが限界の張力でキュンキュンと糸鳴りがする、しばらく竿で耐えていると泡切れにゆらーっと浮いてきたがまだ取り込みにかかれるほど弱っていない、玉網でと思ったが車に置き忘れているので岸に引きずりあげるか、口に指を突っ込んで押えるかどちらかである。
足元周囲には取り込める所が無い、渕尻には引きずり上げれそうな所が1個所ある、竿を曲げたまま移動すればいいのだが、無情にも天井には蔓が渡っていて障害となる。
「まいったなーもう(TT)」このまま大アメゴが弱り切るのを待つか?いやいや待っても最後の一暴れで逃がしてしまうかも・・・「よーし蔓の下を潜らすぞー」一瞬だけテンションを緩めることになるが竿を下流に潜らせて、すぐさまテンションを掛ければいい。
大アメゴは蔓の下で少し弱ったかのように見える、竿を潜らした瞬間自分も下流に移動しながら渕に飛び込んだ、その時大アメゴは左の岩のエコにへばり付いてしまった、砂地の底と岩の境目にピッタリと張り付いているようだ、ラインが岩で擦れないよう竿を右に倒して張力を掛けたまま時が経つのを待った。
いくら7月と言えども谷水に長時間立ち込んでいると寒い、「ええーーいもういいや!」と竿で煽ると剥れた、ゆらーっと水面に浮かんだ魚体の体高が凄かった「こりゃ尺2寸あるかもしれんぞー」慎重にそして強引に岸に引きずり上げると「パチッ」と嫌な音がしてラインが切れた、大アメゴは水際に浮いたままだ「逃してなるものか!」と咄嗟に両手で押さえ込んでいた。
大アメゴは失神していた、長丁場のファイトでくたびれ果てたのであろう、検寸定規で測定すると32.6cmだった、あまりにも体高があるので尺2寸ぐらいありそうに見えたが長さが足らんかったねー。
再び遡行を開始したが、鉱毒の二又を過ぎるとピタッとアタリが無くなった、そして大滝に着いたとき雷鳴が頭の上で轟き、猛烈な雨がドザドザと落ちてきた「こりゃ釣にならんで・・・」と車に引き返した。
車に戻る頃には空が明るくなり、雨も小降りに変わったので、下流の堰堤からここまで釣ろうと計画を変更、早速堰堤上の左支流から本流へと入渓した、平川だったがポイントでは確実にあめごが釣れ、大岩の良淵で尺がまたまた釣れた、早朝入渓した廃屋の横を道路に上がり舗装道を撤退した。
途中、民家の爺さんが「どっから釣りに来たがな?」と聞くので「南国から来た」と答えると、「この下にゃーおらんかったろうがえ、この上に鉱毒が流れ込む谷があっての、昔から魚はありつかん、漁協が2回ばー入れたけんどいかんかったけのー、まあ遠いくから気の毒じゃったねー」「・・・」。
それにしても凄い釣果やったなーーー。
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