高知県東部の秘渓

渓流釣り遡行記2004
渓流釣り遡行記2004  2004/4/30
  高知東部水系 安田川支流
  439道中記  
 高知県東部の谷で以前から気になって仕方なかった無名の谷、機会あるたびに「あの谷どーなってるの?、良さそうなんだけど・・・」と副会長にジャブを打ち込んでいたが「めちゃキツイよーーっ・・・」とか「ふーーん・・・」とかはぐらかされ、後が続かなかった。
GW一日目の宿泊は豪華なロッジを予約し、夕食時には優秀なシェフを呼んでまずはイタリアン、仕上げに和風燻り焼きステーキと美味いものをずらりと揃えた、ほどよく酔いも廻ったところで、「あの谷どうなってるの?」を始めたところ「それほど気になるんだったら行きますか、明日は大物も釣りたいし」と同行の約束を取り付けた。
翌朝は少し遅めの出発となった、会長が安田川の上流を、副会長と私はまたしても魚梁瀬方面へ出撃し13:00に馬路で合流することで別れた。

林道を上流へ向かって歩くと周囲の山々は結構天然林が残っているし、いい感じの渓流が流れていた。

谷の入り口に到着すると、細い支流の両岸からは木々が覆い被さって暗く、割石状のゴーロ場が続いており釣りにくそうだった、「この辺はアブラッパヤだらけやから少し飛ばします」と副会長、「OK」と後に続いた。

少し空遡行の後、竿を出すと5寸のあめごがヒット、「いますねー」、「うん、おるねー」、前方に滝が現れ、接近すると大きな釜を持っていた、滝は2段になっており上段の釜は横長の大渕だった。

この滝では目立った釣果が無く蟻地獄の斜面を木の根をホジクリながら林道まで登攀、再びV字形の谷底へ下降する、またまた滝が現れ副会長が流れ出しを先に流した、一段上の岩から落ち込みを覗きながら餌を静めると「コツコツ、カツーーン」と大物独特のアタリがあり大きく竿が曲がった、今日は08の通しだから遠慮なしにとテンションを上げると直ぐに浮いてきた、下流へ誘導し岸に引きずり上げようと思ったが、岩陰で水際の様子が判らない、「捕りこみましょうか?」と副会長、「おねげーしやす」、玉網で掬ってもらい、検寸定規で測定すると27.2cmの綺麗に錆のとれた雄だった。

第一堰堤下の渕、ここから28cmオーバーがヒット、アタリが強く鋭かったため6.1mの竿が伸びきり、落ち込みまでラインをもっていかれ、竿先が固着してしまった。

固着あまご(後の遡行に多大な影響を与えてくれた

穂先を出したまま堰堤を高巻くと緩い瀬がしばらく続いた、そしてヘアピン状に蛇行したゴルジェに突入、地形図で見るよりヘアピンの尾根は殺ぎ落とされ、三日月湖に成る寸前の地形に見える、どこから巻き上がるのかかなり不安が過ぎってきたところへ、20mの大滝が出現、両サイドは落ち口よりかなり高いハング気味の壁になっている、この滝がなんと表現すればいいのか、原生林に囲まれて苔に覆われ、とにかく人を寄せ付けないような「もうこれ以上奥に入っちゃダメ」と両手で通せんぼしているように感じてしまった。

現地はもっと暗い滝で一人ではビビッて高巻いて行けそうにない。副会長はちゃんと正座して釣ってます。

狭い入り口、蟻地獄の滝、そして行く手を拒むこの大滝とゴルジェ、いったいこの上にはどんな渓が待ち受けているのだろう。

 

 

大滝を高巻くとまたまた素晴らしい渓相が目に飛び込んできた(ほれぼれ)

この滝はスラブの水際を直登できた、でもかなり際どかった、まあ落ちても寒いだけで怪我はしないでしょう。

副会長9寸捕りこみ場面、天井に張り出した木の枝を避けて玉網へあと少し・・・。

27.5cmの美しいあまご。
もう既に約束の帰還時間は忘れさられ、ただただ歓喜にあふれ、残り少なくなった餌を分け合いながら林道を目指して遡行を続ける源流3バカトリオの二人だったのだ。

いよいよ最後の堰堤、ここまで二人で9寸3尾、8寸は数えていなかった、魚篭が重たいので交代で持ち上がってきたが(キープサイズを釣った方が魚篭持ち)後半はずっと副会長が魚篭持ちだったような気がする。

副会長が堰堤下の左奥の白泡の中をねらって8寸をヒットさせたが、下流に逃げられ悪戦苦闘、やっと取り込むことができた。

左の奥の端っこで8寸ヒット

下の淵の沈木引っかかったが
外れてもう一つ下の淵に・・・・

慌てるやんかー

おおーーー

結局、会長と約束の13:00には到底間に合うわけもなく、開き直って釣りまくったが、餌切れで魚止めを確認できませんでした。

「会長、遅くなってごめんなさい!」。

・・・「どうせそんなことだろうと、捜索隊は出さなかったよーーんだ・・・」(笑)

渓流釣り遡行記2004
渓流釣り遡行記2004一覧 魚止めを求めて源流を彷徨う。滝を高巻き、杣道を辿り、遡行を続ける。流れがある限り魚は棲む・・・一体、何処が魚止めなのか?それなら源頭を目指してさらに遡行を続ける。たぶん、さっきの小滝が魚止めだったのか・・・・驕り...

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