渓流釣り遡行記2024
那賀川水系 2024/5/4~5/5 晴れ
那賀川水系 2024/5/4~5/5 晴れ
黄金週間の後半は渓泊まりの計画
奥の深い谷、源流まで重い荷物を担ぎ上げてから釣りをするのはキツそうだと判断して林道途中で跨ぐ等高線が緩くなった支流をベースキャンプ地とした。
55Lのザック
渓泊まりの一式をベースキャンプにデポしたとしても渓歩きが難しい・・・・サブザックを探し回ったが見つからず、子供が昔使っていた小さなザックをサイドに取り付けてツインザックスタイルで歩きはじめた。
いつもより、遙かに重い荷物・・・・
いつもより、遙かに重い荷物・・・・
登りはじめの標高差100mのメッチャキツい尾根の直登、少し登っては立ち止まる回数が多くなる。見覚えがある石垣の道に乗れば急登から開放される。
「下で休む?上で休む?」って相棒に聞いたら
「そりゃ、上に決まってますよ」
仕方なく、ゼェーゼェー云わされながら石垣を登りザックを下ろしその場に座り込んだ。
ベースキャンプ地の支流は地図で想像していた通り緩い場所だったが平らな平地がなかった。
仕方ないので道のガレを片付けてテントを張った。
たぶん、谷筋で寸断された突端だからこの道を通る人は絶対居ないだろう。
テントを張り終え、先ずしなければならないことはビールを冷やすことだった。
支流を下った本流から釣りはじめる。
そう云や、大岩が重なり合うゴーロの渓相だったっけ、脚力の他に腕力を使わないと乗り越えられない。
相棒は食料を調達するまで、テンカラから餌釣りに鞍替えした。
晴れ間を2日挟み3日間合計の雨量が60㎜、引き水のこの上ない条件なのにアタリがない。
丸く突き出した大岩を全方向に水が滑り落ちる様が美しい滝、ピントが奥に抜けていますが漸く6寸が針掛かりした。
この滝もアタリなし・・・・
前回の遡行記に対岸から見て大岩の間を抜けられそうだと書いてあった。
最後の出口がチョット狭くなっていたけど身を屈め手をつけば通り抜けることができた。
究極のショートカット、遡行記に備忘録として残しておけば役に立つ。
漸く、渓の傾斜が落ち着き大岩のゴーロも疎らになり歩きやすい。
ザックからカメラを取り出す余裕ができるようになってきた。
何気ない黄色い花と渓の流れを切り撮った1枚、スローシャッターで水面を反射する光の筋で緩い水の流れを表現してみた。
渓が二又に分かれ、長い方の支流に入る。
鉄分かプランクトンを多く含んでいるのか赤い岩の区間になる。
この赤い岩はスパイクフェルトと相性が悪いのか滑りやすく油断していると転けてしまう。
緩くなった谷筋の落ち込みの後に深みを持った小淵が連続している。
岩には苔が生え、原生林の新緑が眩しく輝き、樹々の隙間を通った光が疎らに揺れる。
理想的な源流を釣り上がり遡行できることに喜びを感じずにはいられない。
支流に入ればアマゴの出方も変わるだろうと思っていたが相変わらず釣れない。
支流に入ればアマゴの出方も変わるだろうと思っていたが相変わらず釣れない。
纏まった雨が降った後ではあるが目立つような足跡はなかった。
最源流が近づき相棒のテンカラに8寸を掛けた。
その直後、俺の竿にも8寸、それから、2連チャンで8寸が出てくれた。
この出方はこの渓本来のもの、今まで釣れなかったのは先に入った釣り人の影響なのは確定である。
やはり、黄金週間の釣りは難しい。
大物が出ると云う滝淵は不発だった。
さて、どう帰ろうか?
二又まで戻り、反対側の支流を林道まで登り返すのはシンドイ・・・・斜面に取り付き獣道に等しい薄い踏み跡を辿り歩き出す。
踏み跡はザレで直ぐに途切れてしまうが遠目の広い視野を持つと先に続いているように見える。
「これは、昔の道だね」
「こんなの、道じゃありませんよ」・・・・意見は2つに分かれてしまう。
納竿した場所から標高を維持したまま隣の渓に回り込み少しずつ標高を下げながら植林と交差する。
植林の中には明確な道が現れ渓を渡ると帰り道と合流した。
多少の迷いはあったものの、何もかもが良い方向に転がったエスケープルートだった。
ベースキャンプまで大した距離はないのだけどザレザレの怖い道、一歩間違えれば渓底に転がりかねない。
スパイクフェルトとサブザックの軽い荷物が幸いしたのか?入渓前に想像していた『嫌らしさ』と『危険度』は感じずに済んだ。
ベースキャンプ地に到着
先ずはビールで乾杯して、暗くならないうちに一晩で燃やしきれないくらいの薪を集めた。
宴会場所は岩場を盾に風よけにした。
水場から少し離れているのが難点なのだが、焚き火を燃やし暖を取るには最高の場所だった。
今宵のメインはおでん、担いで行く食材としては重くなってしまうが暖めれば直ぐにできるし、具材を追加すれば長い時間でも酒のアテには困らない。
アマゴの塩焼きは強火の遠火が鉄則!
相棒が世話してくれたおかげで焼き枯し寸前、今まで最高クラスの塩焼きを味わうことができた。
渓の音がテントの中で反響してうるさいと思ったが渓師達には快い子守歌だった。
気が付けば10時間の深い眠り・・・・よく寝た。
朝は得意のおにぎり雑炊とベーコンを炒めた。
コーヒーを啜ったり、写真を撮ったり・・・・ゆっくりとした時間を過ごす。隣を流れている渓を釣り上がる気はなくなっていた。
全ての片付けを終えベースキャンプ地を跡にした。
これまで何回かの渓泊まりは独りぼっちだったが相棒が付き合ってくれて淋しくなかった。
また、次回もお願いします。
心残りは釣れなかったこと。
帰り道の水がある支流、3、40m程上に見事な直瀑が見えている。
ここでデカイのが釣れれば全てが報われるかもってか・・・・直瀑まで空身で登り、竿を出すが広くない滝淵にアマゴが飯だ跡がない・・・・これにて渓泊まりの源流釣りは終了です。
遡行データ
2024/5/4~5/5 晴れ 那賀川水系
遡行距離:11.0km 標高差:420m
釣果:8尾 最長寸:26.0cm
2024/5/4~5/5 晴れ 那賀川水系
遡行距離:11.0km 標高差:420m
釣果:8尾 最長寸:26.0cm
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