尺淵の渓

渓流釣り遡行記2014
渓流釣り遡行記2014
  2014/4/13 雨 物部川水系
四国渓師会で飲み会があると話題に上がる渓がある。
渓と言うよりたたみ3畳ほどの不思議な淵、俺が知る限りこの淵で6尾の尺物が出て入るが他にも「これは!」という場所はあるが尺が釣れたという話は聞いたことがない。仲間内では『尺淵』と呼ばれている。
そんなに長い渓ではない。車道から見える下流域は2面護岸で上流に取水口があるから水もチョロチョロしか流れていない。まさか、この上流で尺上が釣れるなんて誰も思わないだろう。
尺を越えるアマゴを釣るのは簡単ではない。
特に俺が通う源流域では、年に1尾釣ることができれば、それでいいと思っている。 長年、源流釣りをしていると尺上が釣れる場所が何処なのか漠然としたイメージを持っている。9寸以上の実績がある渓、実績は積み重ねるものだが最大が8寸しか釣れないような渓では尺上が釣れる可能性は低い。大淵、滝壺に餌が集中するような大物を育てる場所があること。そして、他の釣り人が入らない入りにくい渓だろうか?
いや、しかし、なんでこんな淵で尺上がこんなに釣れるのか理解しがたい。ポイントは、速い流れと落ち込み後の沈み石しかないと思うのだが・・・・・
今年は、この渓に行きたいというテンリバーさんをNさんが案内する予定を聞いていた。俺も久しぶりに行きたいと思っていたが、また次の機会にするしかないと諦めていた。
Nさんからメール 「突然用事が出来ていけなくなったから代わりに案内して欲しい・・・」
『えっ、俺が行ってもいいの』2つ返事で了解した。 
実は2年前、別の渓に行った帰り、早く終わったので『尺淵』まで釣り上がろうとダートまで車を進めると大きな石がゴロゴロ転がっていて車では無理・・・・一渓釣り終わった後だったので長いダートを歩く気にはなれずUターンして帰った。来年もこのままだったら凄いことになるとその時はそう思っていた。ゴロゴロ石はきれいに片付けられていた。いいことなのか悪いことなのか、まだ判断は付かない。
車止めに到着、渓を覗き込むと両岸が大崩れしていることに驚いた。そして取水の上、何処から流れてきたのか大岩が重なり合って見たこともない大荒れの渓相になっていた。いつもは釣り初めから7寸、8寸が釣れるのにアタリすらない。どうも凄い大水が出て渓相が変わってしまったらしい。
標高差80m位釣り上がると大岩ゴロゴロは少し落ち着いた。しかし、アタリはない
急峻な渓、大水でアマゴは流されてしまったのか?
今日の相棒はテンリバーさん
まだ、尺上を釣ったことがないそうなので
是非、『尺淵』で尺上を釣っていただきたいものだ
さて『尺淵』までやって来た。
たぶん、滑り台の滝を越して2段の大滝の手前だからここで間違いないと思うのだが・・・・自信がない。いくつも大岩が転がって淵を隔てている。それに代名詞の沈み石が見当たらない。
落ち込みの深みは狭くなって流れが速い。
激流の中でアタリがあった。「ヨッシャー」と大きな声が出たが、針掛かりしたのはモツゴさんだった。大きな期待は落胆へと変わった。
モツゴがいると言うことは、
激流の底には流れが緩い場所があるのか? 

スポンサーリンク

アマゴ8寸(22cm)
2段の大滝を越えてもアタリがない・・・・泳ぐアマゴの姿は見えるようになったので後は時間の問題か? 釣りはじめて3時間、漸くアマゴが掛かった。
「ボーズ脱出!!!」っと先を行くテンリバーさんに大声を発した。
彼も少し先で1尾掛けたようだ。 
2段の滝を高巻くと渓は緩くなるが大水が出た後は浮き石や積み重なった大岩の不安定さに気を使いながらの遡行になる。
アマゴ7寸(22cm)
渕尻から飛び出してきた。
アマゴ7寸(22cm)
真ん中の深みから。
アマゴ7寸(23cm)本日最大
落ち込みから続く浅い瀬、今日はこのパターンでアタリが出ることが多かった。昔、橋が架かり(今は流されてない。)渓を交差する辺りから入れ掛かりになった。 8寸前までだがやっと面白い釣り出来だした。
アマゴ7寸(21cm)
手前の白泡の中
漸く本命のポイントからアタリが出るようになってきた。
納竿場所
水線の少し上付近、
まだまだアマゴは出るが
夕方に野暮用があるのでここまで

ミツマタの白い花と山椿  山椿が多い渓だ 雨が降り続き落葉した寂しい木々の中で赤い花が目に入ると春を感じて嬉しくなる。もう少しすれば若葉が山に映え源流釣りの季節がはじまる。 帰りの林道も荒れて細くなった。この先いつまで持ちこたえられるのか心配だ。

『尺淵』の復活はあるだろうか? 渓相は変わってしまったが、まだ速い流れの深みが残っている。上流からアマゴが落ちてくれば可能性はあるかも知れない。

次の機会があったら確かめで見ることにしよう。

当日データ
 釣果:20匹 最大23.0cm キープ6尾
 遡行距離6.1km 標高差400m

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました