源流癒やし釣行 物部川源流

渓流釣り遡行記2004
渓流釣り遡行記2004  2004/8/13
  物部川水系 西熊渓谷  
四国渓師会の中で『原生林癒し釣行』なる計画が進行していた。
具体的な計画は、ベースキャンプをアンパン旅館(hpあめごっちのあめごさんの実家)において、四国で一番綺麗な渓流とされる西熊渓谷の原生林の中を釣り上がり癒されようというものだ。

前日、作戦会議と称して前夜祭が開かれた。夏休み中の私は当然参加、他に岡山分会から彦七さんと高知支部長の439さん、それにアンパン旅館の番頭さんの4人が参加となった。作戦会議といっても一度も地図を広げることも無く「ワイワイ、ガヤガヤ」呑み助が酒を飲んでいるだけで明日の『癒し宴会』用に持ってきた琴平の銘酒「凱陣」1本を空けてしまう始末・・・・・ちょっと?飲みすぎたか・・・・・倒れこむように深い眠りについた。 

前夜祭(作戦会議)
左から439さん、彦七さん、アンパン旅館の番頭さん(あめごさん)

西熊渓谷

「起きろー!そろそろいくよ」何処からか声が聞こえてきて、気絶しているような眠りから目が覚めと仁王立ちの番頭さんが部屋の隅に立っていた。
「・・・・いま、何時・・・・・」
「4時過ぎ。」
「ちょっと早いんじゃない・・・・・・」
「昨日の晩、おっさんと5時の待ち合わせしたじゃない」
「そうだったけ・・・・・・」
大慌てで車に荷物を積み込んで、殆ど飲酒運転状態でおっさんとの待ち合わせ場所に向かった。おっさんと合流して西熊渓谷に向かう。細い道をクネクネと車を進める。途中本流筋の流れが目に入る。
「今日は水量多いよ・・・」
「会長、チャンと前を向いて運転してくださいよ。飲酒運転と変わりないんだから・・・・」
「ハイハイ」
西熊渓谷の車止めに到着
着替えをしていると何処からか虻が数匹「ブーン・ブーン」とうろつく がそれ以上は集まってこない。ここは高度900mを越えている。気温も涼しく虻の季節は終わったのか?この時期虻の攻撃を一番心配していただけに一先ず安心した。

登山道を少し下ってから渓筋に出た。吊橋を渡り八丁ヒュッテまで高度差200mの登りである。昨日の酒が体中を駆け回り気持ち悪い。

八丁ヒュッテの手前で休憩を入れる。
「酒飲みの周りにだけ虻がいるわ」とおっさんが笑う。 そういえば、虻がうろついているのは439さんと私だけのようだ。(また、また飲みすぎに反省・・・・)

西熊渓谷車止め
左から2番目おっさんを加えて5人で入渓となった。

八丁ヒュッテから、439さんとおっさんがカンカケ谷、あめごさん、彦七さんと私がフスベ谷に別れた。

フスベ組は八丁ヒュッテから少し下った林道と渓 が近づいたところから入渓した。水量は車から下流部を眺めたときの印象と同じで多めだった。(少々笹にごり気味)
この渓は原生林の中を川幅が広い渓谷の流れがある。空けた感じの流れに竿を思いっきり振ることができる。もう少し付け加えれば、釣りやすいこと、渓沿いを明峰三嶺への登山道が続いることで釣り荒れは否めない。
それに在来種への保護のために西熊渓谷源流部は漁協の放流を行っていないことを聞いたことがある。(魚影は、けして多くはない)   ただ釣果が全てではない原生林の中で釣りを楽しめる。これが今回の『癒し釣行』の目的だ。(勿論、沢山釣れたほうがもっと楽しい に決まっている。)

西熊渓谷 ウスベ谷
水量は多い 原生林の中をゆったりと釣り上ってゆく

あめごさん
水勢に苦労しているようだ

渓相は抜群だ。

今回仕事のため癒し釣行に参加できなかった副会長いわく
「四国で最も綺麗な渓は西熊やな」だけあって素晴らしい

右からの支流が流れ込んでいた。本流との出合いで大きなアタリがあった。

シメシメ、この支流、いけるかもしれない・・・・・・と思い
「ちょっと支流に上がってくるから先に行ってて」とあめごさんに告げてから支流を登り始めた。 正面の滝(5m)に期待があったが不発、その上の滝も、その次の滝も・・・・・アタリは初めだけって話はよくある話で、大抵はその時点で諦めるのだけど、もう少し上へ行けばバカスカ釣れるかもしれないというスケベ根性に誘われて高度差で100m・・・・・渓が急になってきて小淵がなくなり納竿。結局ここまでアタリすらなかった。
さて、本流への帰り道、左側に下流へ向かい一筋の踏み跡が続いていたが、これが完全に獣道、獣ならともかく四十半ばのおっさんには、豪い危険な道で命がけで帰ってきた。

彦七さん
初めて同行するのだがなかなかの腕前と見た。

この後、流れの中からアマゴを釣り上げ、会心の笑みを浮かべた。

高度1300m 納竿点

四抱え程ある大木
  この大木が営んできた年月は凄いものがある。

渓横の風景・・・・癒しの空間である。

渓沿いの登山道
木橋に苔が生えていい感じだ。

吊り橋の手前の斜面をカンカケ隊が林道に向かって這い上がってきた。カンカケ谷が予定より早く終わったから一つ下の支流へ偵察に行っていたそうだ。 釣果はカンカケ隊に分があったようだ。

 
 
車止めまで帰り
「どっか温泉ないの?」と彦七さんが聞く
「別府温泉くらいかな?べっぷ温泉じゃないよ」
「大栃まで下ってからと林道から別府渓谷抜けるのだったらどっちが早い?」
「林道からやったら30分くらいやろ」
「じゃそっちの方が早いかなぁ」
 
西熊渓谷から峯越林道を経由して別府渓谷沿いに別府温泉に向かった。 峯越林道はふるさと林道大栃線となり全面舗装されていて、以前来た時には想像も出来ないほど快適な林道となっていた。

『癒し釣行』の次には、なんといっても『癒しの温泉』ってのが定番、源流を彷徨い、歩き疲れた身体には、温泉で癒されるの一番です。

温泉からの帰り道、大栃でビールを大量に買い込み癒しの宿に向かった。(温泉に浸かり、身体の中のアルコールがやっと抜けたところなのに・・・・また飲むんかい!)

癒やし宴会

あめごさんと彦七さん

おっさんとKEIZOU君

439さんの一発芸
「釣れたがやぁ・・・・・」
皆さん楽しそうです。

癒し宴会のみ参加のKEIZOU君を加えて、昨晩に続いて宴会が始まった。

「ところでKEIZOU、明日釣りをするんかい?」
「一応、釣りの用意はしてきたけど・・・・」
「明日釣りができるのは会長だけやな。 会長付き合ってやったら。」
「会長、どこか連れてってぇー」
今日は久しぶり釣りで、相当の距離を歩いたからお疲れモード
「明日、起きて元気だったらね」と生返事をしておいた。
 
 
渓流釣り遡行記2004  2004/8/14
  物部川水系 別府渓谷源流  
6時前、意外に早く目が覚めた。今日は仕事という439さんを見送ってから朝食をいただき食後のコーヒーを啜りながらのんびりと時間が流れてゆく。
「会長、何処へ行きます。」
「まだ、覚えていたんかいな?『癒しの温泉』の効果で足の調子もいいみたいだから、今日も頑張ってみようかな。」
地図を見ながらあそこでもない、ここでもないと候補地を探す。『癒しの宿』からは何処でもいけそうな気がして大いに迷う。
「ホンじゃ、昨日、西熊渓谷の源流だったから今日は、別府渓谷の源流ってのはどう?二日で物部川の源流部をやるってのも面白いかもな」
「何処へでもお供しますよ。でっ虻はどうですか?」
「昨日別府温泉に向かう途中アイノウ釜を見に車から降りたんだけど虻は寄ってこなかったから大丈夫だと思うよ。西熊にも殆どいなかったし・・・・・高度も 、そんなに変わらないから・・・・」

癒しの宿を9時前に出発。高知方面に少し戻りコンビニで昼飯を買ってから別府渓谷源流部に向かった。

入渓地点の淵
こちらも水量は豊かだ。
巨岩帯を釣り上がる。
地図で見た感じより傾斜がきつい

アイノウ釜下辺りから、入渓したかったのだが、時刻は10時前、釣り上がって帰り道の林道にたどり着くのは無理かもしれないということで旧橋から入渓することにした。ジル沢谷も水量は豊かだった。地図で見た感じより傾斜がきつく、巨岩帯を這い上がりながら竿を出すという感じだ。

10mの大滝 水量が多く大迫力だ

滝の右側から高巻いた。
笹のトンネル? どうやらここが巻道らしい

滝上から流れ落ちる様
カメラ越しに滝下を覗いているとバランスを崩した。
「やばい・ヤバイ・・・・」

岩の上から滝下の淵で大物を狙う

巨岩帯の淵を狙うKEIZOU君

12時を過ぎて昼食にした。

ここまで私の釣果は「0」・ボーズ!!!である。原因は昨日から何となくわかっていた。 ジル沢谷は、稚魚放流の後だろうか?やたらチビあまごが多い。しかし、私は大物狙いと称して餌は、熊太郎スーパー太虫(Big Size)を使っていた。もしかしたら熊太郎の方がチビあまごより長いかもしれない。
その結果チビあまごが餌の先だけ 咥えて水面でポチャリと落ちるのを繰り返していた。まぁ、『癒し釣行』なんだから、あまり釣果にはこだわってはいなかったのだが 、ここ十年以上ボーズだけはなかったのが唯一の自慢・・・・ボーズだけは困る。恥を忍んでKEIZOU様に頼み込んだ。
「なぁ、餌、めぐんでくんない?そのノーマル熊太郎・・・・・」
「会長、大物狙いじゃなかったんですか?」
「大物が来る前にちっちゃいのが邪魔するもんでね。ボーズ脱出に方針変更」
というわけでノーマル熊太郎をゲット、ハリスは0.5号から0.4号、錘は3BからB、針は6号から4号にサイズダウンして 昼食後の釣りに備えた。

餌と仕掛けを変えるとチビあまごがどんどん釣れ始めた。そして、軽く合わせると強い引き「これは大物か?」と思いきや6寸あまごだった。チビあまご相手に遊んでいた(遊ばれていた?)せいだろうか魚信の感覚が鈍ってしまったようだ。

小支流を過ぎて渓横に林道が迫って来る辺りから、この渓も原生林の渓へと変わった。

上流部の二又を過ぎた小渕で本日最大6寸(20cm)アマゴをKEIZOU君が釣り上げたところで納竿した。 地図で確認するとあと高度差で50mくらいの区間は魚がいるだろう。時間の関係で魚止めには届かなかったことは残念ではあるが今日も昨日に続いて「原生林癒し釣行」だったことは間違いない。

今回の釣行で唯一のアマゴの写真
納竿点でKEIZOU君が釣った6寸(20cm)

魚止めはもう少し上なのだが
いい時間になったのでこの場所で納竿した。
二日連続の源流釣行、流石に疲れた。

はっきりとした登山道があった。

登山道と車道の合流点
車道といっても、林道の初めにロープが張られていて車進入禁止となっていた。

帰りの林道から遡行した渓を望む

林道から車止めを望む・・・・車までもう少しだ
正面の橋は橋脚、橋桁、欄干オール木造だった。
驚いた
奥にあるのが旧橋だ

当日データ
  覚えていない。。。。。  
渓流釣り遡行記2004
渓流釣り遡行記2004一覧 魚止めを求めて源流を彷徨う。滝を高巻き、杣道を辿り、遡行を続ける。流れがある限り魚は棲む・・・一体、何処が魚止めなのか?それなら源頭を目指してさらに遡行を続ける。たぶん、さっきの小滝が魚止めだったのか・・・・驕り...

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