高低差650m 加茂川支流B谷

渓流釣り遡行記2004
渓流釣り遡行記2004  2004/2/21
  当日データ 加茂川支流B谷  
序文
四国では、かれこれ2週間上天気が続いていた。雪もそろそろなくなって来ているかと思い加茂川の上流部が頭に浮かんだ。以前から行きたいと思っていた渓の禁漁が明けたとの情報を掴んだ。「それなら、行くしかない・・・・」
先週までだと深い雪があった筈だから、上流部に入れば良い釣りができるかも知れないと読みをはたらかせた。以前下流から釣り始めて中流を越えたところでタイムアウトとなったことがある。ならばいきなり中流から釣り始めたら・・・・
しかし、ながぁーい・斜度のある林道を2時間くらい登るのは辛いし・・・・反対斜面の車道から中流域へ下降する案が思い浮かんだ。そこでこの辺りの渓に詳しい淳師匠に電話すると帰りのルートまで、こと細かく教えてくれた。そして同行者は439さんだし、後は林道にどれくらいの雪が残っているだけが問題だ。
加茂川支流B谷
明るくなるのを待って、ヘヤピンから支流に下降する。淳師匠からの情報では、小尾根筋を下る途中に支流をまたいで連爆帯上へ続く林道があるらしい。途中の林道を発見できないまま支流へ下降した。高度計からすると支流のかなり下まで降りてしまったらしい。連爆帯越えの林道を求めて支流を少し釣り上がったが遡行不能の滝に行く手を阻まれた。下って高巻き出来るルートを探していると、下の大淵を釣っていた439さんが上がってきた。
「本流との出合が見えた・・・・」
「じゃ本流に下りて釣り上がりますか?」

支流の出合からしばらく連爆帯が続く、出来ることなら連爆帯の上から釣り始めたかったのだが・・・・それに帰り道がまだ確定していない。今降りてきた支流の出合からだと高度差200m斜度は相当きつい。反対側の林道からは遠いし・・・・・・・・・

降り立った支流の渓相
かなり下に下降してしまったようだ。
支流を交差する

二又(本流との出合)
一枚岩の美しい渓が続く
ただ、ここから連爆帯が始まる。

細長の深淵 絶好のポイントだ

壁面を登る途中439さんの釣り姿を見ていると竿が大きく弧を描いた。
9寸前の26cmだったそうだ。『流石!』

あまご8寸(24cm)

左岩とのきわ、浅くなっているところと深くなっているところの境目からアタリが出た。

この淵の全景・・・・見事な滝だ
滝を越えると高度にして100m強の連爆帯は終わり渓は緩くなる。

 

 

さてエスケープは
林道から上流部に向かう。林道3号線は、まだ若い植林帯に入ると、萱とバラに覆われるようになり、萱とバラを掻き分け、足元の林道を確認しながら前進していくのだがかなり疲れる。
「腹へったー」
小さな渓筋から水が流れ出しているところがあり日当たりも良いことから、ここで昼飯とする。
「バラ園で飯かぁ・・・・あんまり気分良くないな・・・・」

地形図と山景を見ながら
「帰り道どうしますか?もうこの林道戻りたくありませんねぇ」
とりあえずの計画では上流を釣って、地図上で渓と林道が交差する地点から林道を戻ってはじめ下降する予定のところからヘヤピンに戻ることにしていた。
そやな、それらしき登り口はあったけど、あそこが帰り道と確定しているわけじゃないから・・・・・・」
「地図上の林道を登るって手もあるけど、車道から車止めまで3時間はかかるなぁ・・・・・淳さんがこのコブに出れる道があると言っていたけど出合えるかどうか分からないな」
じゃ本流を釣りあがって、手前の植林帯を平行移動して支流に一旦くだり、あの細い植林から尾根まで登って尾根筋沿いにコブの車道を目指すって言うのはどう?」
「だいぶきつそうだけど・・・・ルートは割りと分かり安そうですね。でっ車道までどれくらいかかりそうですか?」
3時間くらいかなぁ・・・・車道に出たら暗くなっても大丈夫だから納竿は2時ってとことかな」
「ほんじゃ帰り道は、その路線でいきますか。」

『い』バラの園から見た山景
手前の植林帯を平行移動して支流に一旦降りて、細い植林帯を尾根まで上り尾根沿いに車道にでる・・・・・・・・
さて どうなることやら・・・・

昼飯後、しばらく『イバラ』の林道を辿って、小尾根沿いに上流部に下りた。

ここまでくれば今年は誰も来ていないだろうと積雪に残る足跡をみてガックリ
「こりゃ、この渓の専門家がいるなぁ」
「相当の変わり者かも知れませんね」
「わしらもね・・・・」

納竿予定時刻の2時 上流部の二又に到着、植林帯に入り込み平行移動して隣の支流へ向かおうとするが間伐して倒された木が邪魔をしてなかなか横へ進めない。

「困りましたね。これじゃ時間を食うばっかりですね。やっぱり地図上の林道を探ししたほうが良さそうですね」
「そやなぁ」
「小さな渓筋に林道がある見ただから渓筋を探しますか」
「多分、あの向こうだと思うから、ちょっと見てくるわ。待ってて」
私は、かなり足に来ていてヘトヘトなのだが、439おじさんは、まだ元気印だ。 小谷は見つかったのだが林道がない。倒木が重なり合った植林帯を平行移動するより邪魔者がない小谷の方が歩きやすそうだ。
「この渓を200m登ったところから、尾根に出て支流に降りましょう。もしかしたら地図上の林道に出合うかもしれないし・・・・」
「そのほうがいいな」

小谷を50m程登ったところで先行していた439さんから
「林道あったでぇーーー」
「本当!・・・・何号線くらい」
「林道5号線ってところかなぁ」
「そりゃ凄い・・・・・」
ヒィヒィいいながら林道まで這い上がり林道を見ると
「確かに林道5号線ですね」
これだったら絶対に車道まで続いていると思うよ
二人とも口には出さなかったが「もしかしたらやばいことになるかもしれない」と思っていただけに安堵感から林道に腰を下ろし大休憩、 林道を辿っていくと二又に分かれていた。
「あなたなぁーらどうする♪あなたなぁーらどうする♪・・・・」
「左!! 高度は違うけど淳さんが言っていたヘヤピンに向かう道じゃない」
途中、支流に出合い 釣りをする余裕・・・・ それから20分くらいでヘヤピン(車道)に到着 積もった雪の上に寝転んだ。 

上流部も大場の連続
滝は右巻き
この滝の向こうに植林が迫っているのが見えた。
滝上を納竿点と決めた!

林道5号線 発見
この分だと車道まで続いているようだ
これでとりあえず一安心

林道が支流をまたいでいる場所で
「なかなかいい落ち込みや・・・・」
「チャンとあまごがいるじゃない」

きつかった登りもいよいよ終盤
納竿から約1時間 200mの登り・・・以外に早かった
林道様々

納竿から約1時間で林道に出られた。
計画からするとうれしい誤算であった。
「バンザァーーイ」

車道から渓筋を眺める。
12時に昼食をとったのが右の渓筋だから・・・・

本日は、渓で釣りをするより
山中を彷徨っている時間のほうが長かったような気がする。釣果も今一だったが高低差650m満足感が残る渓だった。

林道に出てから車止めまで約1時間半、途中、氷の造形物が目を楽しませてくれた。(こんな風景、山渓深く入らないとお目にかかれない)

当日データ
  釣果8匹(キープ無) 最大24.0cm  
渓流釣り遡行記2004
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