吉野川水系(銅山川)
同行させてもらうお礼も兼ねて、前日に電話した。
「何処に入るんですか?」
「H谷に行こうかと思っているんですが・・・・・・」
「H谷ですか。まだ、行った事がないので、明日楽しみにしています。」
H谷?・・・・・地図を取り出して確認してみると
「あっあの谷だ」 この水系の中で一番等高線がきつっくて、長年敬遠してきた谷だった。1000m付近にある滝下は、半端じゃない等高線の混みようだ・・・・・
「嫌だなぁ・・・・・まぁ3人なら何とかなるかもしれないかな」
翌朝、待ち合わせ場所の善通寺インター入り口で、軽るめの挨拶を交わし私の車で釣行先に向かった。遅めの到着ではあったが谷は空いていた。
車止めから山の斜面を見上げると、切り立った山の間から水が流れていた。
「あれがK滝です。あそこまで釣りあがって、滝上を釣ります。」
「アッハハハハ そうですか」 ちょっと不安になってきた。
準備を整え7時前に出発、3人で釣り上がると言うことで、車止め正面に見えるエンテを100m程越した場所から入渓、平地では梅雨明け以降全く雨が降っていない。水量は大丈夫だろうかと思っていたが山の上はでは、雨が時どき降っているらしく水量は平水以上ある。心配していたアブも全くいなかった。快適な沢釣りが出来そうである。
「後は体力次第か・・・・・・」
H谷、大岩が重なり合って腕力を要する。
斜度がありかなり遡行に苦労する。
しかし、この辺りは、まだまだ、序の口だった。
落ち込みの下を狙う、アザラシ2号さん、
手前がリュウホウさん
リュウホウさんもアザラシ2号さんも、靴底にフェルトを貼った長靴スタイル、仕掛けも、長竿に1.5m~2mの提灯釣り、完全に源流スタイルだ。
H谷は、だんだんに斜度を上げていく。短い距離の平らな場所の落ち込みを釣り、5m~15mの岩壁を這い上がるか、高巻きをして、また、短い距離の平らな部分を釣るって感じだ。大岩が重なっているので遡行に腕力を必要とする。
「あっ、痛・・・・・」
厳しい遡行を繰り返しながら11時過ぎにK滝下に到着
7寸と、9寸近いのが淵に浮いていた。気づかれないように、長竿で餌を送り込むと直ぐにアタリ、「しまった!小さい方が先に来てしまった。もうダメかな・・・・・・」
高度1000m位にあるK滝
25m~30mの落差があり壮大だ
K滝はあまり大きな釜ではなかった
そっと淵を覗き込むと7寸と9寸が浮いていた。
はじめに、7寸が釣れ
「大きい方は、もうダメかな」と思いながら
白泡の切れた辺りから深い部分に(写真中央)餌を沈めると
再び大きなあたりがあり
9寸前のアマゴが針掛りした
引きが強く、楽しませてもらった。
滝下の斜度の厳しさが嘘のように、滝上は傾斜が緩くなる。ただ緩いだけでなく適度な落ち込みがあり楽しくなってくる。
「これなら、釣りを続けられそうだ・・・・」
滝上の渓相は素晴らしく、小さな滝をシャワークライミングしたり、そのまま淵に飛び込んだりして夏の渓流を満喫することができた。魚も淵ごとではないけれど7寸8寸クラスが遊んでくれた。
滝上から流れが緩くなる
必死の思いできつい斜度を
這い上がってきたのが嘘のようだ
アマゴ8寸、天然化した綺麗なアマゴだ。
魚止めの滝の前の淵で・・・・・
滝上は、このクラスのアマゴが遊んでくれた。
滝上にもアマゴはいると思うが、魚止めの滝、
アザラシ2号さんが首を長くして車で待っているし
今日はここで納竿とした
写真の中央がリュウホウさん
帰り道
車に帰ると、アザラシ2号さんがいない。リュウホウさんが辺りをしばらく探したがいない。「ほったらかしにしたから、怒って一人で帰ったのかなぁ」っと思っていると目の前のエンテで深い眠りに入っていた。足には、あざが出来て痛々しそうだったが、待っている間エンテ上を少し釣っていたそうだ。
「心配して損したなぁ」とリュウホウさん
釣果25匹(キープ5) 最大26.7cm
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