伝説の谷へ 伊尾木川支流S谷

渓流釣り遡行記2001
渓流釣り遡行記2001  2001/6/23
  高知東部水系  
伝説の谷
淳師匠との釣行
淳師匠が、釣果登録の写真を持ってきたついでに、来週の釣果先を思案していた。
「来週、何処へ行こうか」
「伊尾木川のS谷へ行きたいんだけど」
「S谷って今日、行った谷じゃなかったの?」
実は今日、淳師匠はS谷に行ってきて、釣果登録もS谷のものだった。
「今日は、下流を釣ったけど、上流から魚止めまで行こうと思ってね」
「地図で見ると緩くて、あまり興味がわかないんだけどなぁ・・・・・・」
「S谷をなめたら、損をするよ」
 
話は、こうである
淳師匠が本格的に渓流釣りを始めた頃、淳師匠の師匠が、釣りから帰ってきて、「今日は、どうだった?」と聞くと、クーラーの中に尺物が5本入っていたそうだ。その後、淳師匠がS谷に釣りに行くと尺物が釣れたそうだ。

「一日に尺物5本かぁ それは凄い でも、それって何時くらいの話?」

「平成元年くらいかな」
10年くらい前なら、尺物5本は別格としても、大物の可能性はあるかもしれないなぁ
「どう、行く?」
「是非、お供させて下さい。」

「外道が、多いからミミズ5箱くらい持っていったほうがいいよ。今日も外道10匹に、アマゴ1匹の割合くらい、でも、アマゴが釣れると大きいから・・・・・」
梅雨前線北上
R55から伊尾木川方面へ本流を眺めると、川は濁流と化していた、隣の馬路では、400ミリ以上の雨が降ったそうだ。支流の上流部から入渓するとはいえ本当に釣りになるのだろうか?不安を抱きながら車は、高度を上げていき車止めに着いた。

霧のような細い雨が降っていたが、雨足は殆ど止まっていた。梅雨前線は、完全に北上しているようだ。雨の中着替えを済ませ林道を歩き始める。

予定では、林道を200m下って、林道との交差地点から魚止めまで釣り上がる。林道を歩き始めると川の流れる音が聞こえてくる。

「普通200m上から川の流れる音が聞こえる?」
「川も緩いし、滝なんかもないしなぁ」
「200m下って、釣りにならないから上がって来るのは嫌だなぁ」またしても不安がよぎる
「その時は、その時 『尺5本』が待っているから」
「『尺5本』、『尺5本』・・・・」念仏を唱えながら急な林道を下っていた。
15分程下降すると、林道はS谷と交差した。川の流れは、増水しているが何とか釣りができそうである。川横に1m以上、増水した後があり、昨日じゃ釣りは無理だったかもしれない。
「川も渡れるし、今日は、絶好のコンデションかもしれない」
「『尺5本』 釣れるかも・・・・・・・」

釣り始めると、アブラハヤが釣れた。外道10匹にアマゴ1匹、アマゴが釣れれば大物

「よしよし予定通りだ・・・・・」
次に釣れたのが6寸ぐらいのアマゴ、次も6寸ぐらいのアマゴ
「師匠、おかしいですよ、アマゴが連続で釣れましたよ」
「アマゴが釣れるならいいじゃない」
「それは、それでいいんですが、型が小さいんですが・・・・」
「そのうち、大きいのが来ると思うよ」
その後、同じような状況が続く、外道1匹にアマゴ1匹の割合、アマゴの型は6寸前後と言ったところ。ここのアマゴは朱点が小さい点である。魚の色も淡く綺麗だ。徳島の渓ではあまり見ない種類だ。

やがてゴルジェ帯が始まる。ゴルジェ帯と云っても、緩い渓だから高巻きするようなことはない。一枚岩が続き、如何にもって場所が連続しだすが状況は変わらない。それより気になったのは、川横に小枝がかたまっている。

「大水が出たからかなぁ」と思っていると上流の二又より上の右斜面が大伐採してあった。「川横に小枝がかたまっていたのは、このせいか・・・・伝説の谷も終わってしまったか?」

 
 

上流の二又、水勢は強いが何とか釣りになった
アマゴの活性も高く何処からでも
アマゴが餌に飛びついてくる
外道(カワムツ、アブラハヤ、カジカ)も多い
先週下流では、ウグイ、オイカワが釣れたそうだ。

右支流の右斜面は次の二又まで、大伐採
伐採の斜面から転がり落ちてきた切り株が
渓を塞いでしまっている。
切り株を高巻きしなければならない
フェルトと木は相性が悪く、滑って危険だ
経済と効率が優先される世の中にあっては
仕方ないことかもしれないが
もう少し、うまい方法はないものだろうか?

二又より上は、大きな木が川に流れ込んでいて行く手を阻んでいる。ゴルジェ帯でも、たたまなかった竿をたたんで、小さな高巻きが必要となる。
出来ればこうゆう場所では、釣りたくないが、先ほどまで止まっていたアマゴのアタリが戻ってきた。アマゴが釣れ始めるから竿を出してしまう。「釣り人の悲しい性」である。右斜面の大伐採は次の二又まで続いていた。

「伐採も終わったことだし、もう少し釣りますか」

「じゃぁ左の支流を釣りあがろう・・・・」
気を取り直して左支流に向かおうとしたときに、「バキー」っと嫌な音がして振り返ると淳師匠が折れた竿を握って倒れていた。
「どうしたの? 大丈夫?」
「何とか、大丈夫みたい」
どうやら、先程までのっていた1m位の高さの岩から滑って落ちたようだ。幸い大事には至らなかったが、竿持っていた方の薬指を強打していて、戦意を失ったらしく
「今日は、ここで納竿」
「OK、OK」
行きはヨイヨイ、帰りが大変
帰りの林道は直ぐに見つかったが、ここからが大変であった。100mほど林道を登りると、林道が3本に分かれていて、上に続く林道が正解だろうと50m程登ったが上へ上へ登っていくだけで諦めて下に下った。斜面と平行に伸びている林道は、伐採で倒された木が林道を塞いでいてどうも行けそうにない。
結局、地図を確認して、下っている林道から、地図にかかれている林道を目指すことにした。下っている林道も川と交差する付近になって、伐採の木で塞がれて思うように下ることが出来ない。やっとの思いで支流に下り立つと、地図上の林道は直ぐに見つかった。10分ぐらい川と平行に下り、再びきつい登りとなった。
予定の高度100mを登ったがなかなか平行にならない。少々長め休憩を入れ、もう50m登りきると、小尾根に差し掛かり、車止めまで平行に伸びている林道に出会った。

「平行に伸びていた林道が、正解だったかなぁ」

「でも、あの林道は、木を超えるだけで大変かもしれない」
「植林しているのだから、伐採するのは仕方ないけど、林道を塞ぐのは反則だなぁ」っと ブツブツ言いながら車止めへの林道をトボトボと1時間半かけて歩き始めた師弟コンビであった。
当日データ
  釣果31匹(キープ3匹) 最大20.3cm
  淳師匠44匹 最大21.4cm
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渓流釣り遡行記2001
渓流釣り遡行記2001一覧  この渓は、吉野川水系祖谷川支流の最源流部の魚止めの滝です。標高は1250mで山頂までには高度で400m近くあります。何故、源流を目指すようになったのだろうか。わざわざポンコツの足に鞭打って、魚止めにこだわる理由...

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